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幼児期における家庭内性教育に関する研究

情報更新日 2023年7月31日

シーズ情報

キーワード

性教育、親がおこなう性教育、ポジティブ性教育

分野

母性看護、家族看護

概要

子どもたちへの性教育は、大きく変革しようとしている。1990年代に性感染症や人工妊娠中絶の増加から性教育の必要性が唱えられ普及していく流れとなり、現在の学校での性教育は学習指導要領をもとに4年生頃より段階的に行われるようになった。しかしながら、いわゆる歯止め規定がある影響で、諸外国の性教育に比べ遅れていると言って過言ではない。しかし現実社会で子どもたちは様々な健康に関する課題や問題の多様化に取り組まなければならず、いのちの安全も自ら守って行く必要がある。そのためにも子どものための包括的性教育が実践レベルで行われ始めている。ところが、「保健師等による幼児等低年齢児の保護者に対する効果的な性教育方法に関する調査研究」(厚生労働省, 2021)では、幼児を育てている一定数の保護者が性に関する知識を子どもに伝えるべきと思っているものの、子どもから性に関する質問をされて会話をした経験がある保護者は 25.6%にとどまり、実際に話せていないことが明らかになった。性教育は前述のように学童期から段階的に教育していけば良いというものではなく、幼児期から日常的に教育していくことが必要であると考える。
以上のことから本研究では乳幼児の親に対する性教育についてニーズの調査、効果的な教育プログラムの開発、評価までを段階的に行っていく。本研究の結果は幼児と家族への性教育のあり方に対する基礎研究となると考える。

何が新しいか?

家庭内で親がおこなう乳幼児に向けた性教育の研究自体が少ない。また、子どもの性別、成長にあわせた性教育の内容を実施するうえでの親のニーズを具体的に明らかにしたものはほとんどみられない。

他の研究に対する優位性は何か?

本研究は、乳幼児の親に対する性教育についてのニーズの調査から、効果的な教育プログラムの開発、さらに評価までを段階的に行っていく社会実装を目指した研究である。

どのような課題の解決に役立つか?

現代の包括的性教育の流れから社会のニーズ・課題解決に対応した研究であり、意義があると考える。
幼児期からの性教育を定着していくことは「からだ」「いのち」「性行動」「性の多様性」などを自ら自分のこととして受け止め、将来のプレコンセプションにもつながる。
また、親が自信をもって親役割行動としての性教育をできることは親子関係や子どもの精神的健康にも影響を与える可能性もある。

他への応用・展開の可能性

関連する特許

参考図表

研究者情報

氏名 川内 惠美子
所属 看護学部 家族支援看護学
専門分野 母性看護、家族看護
学内共同研究者 岡本 恵
関連リンク

企業との協業に何を期待するか?

本研究は、親が安心して子育てができることに寄与すると考えられる。
従って、教育プログラムの開発や検証に関して、企業や自治体・神戸市との連携を期待したい。

本研究の問い合わせ先

兵庫医科大学 大学事務部 研究推進課
E-mail: chizai@hyo-med.ac.jp
Tel: 0798-45-6488

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