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出生前遺伝学的検査(NIPT)について自律的な意思決定ができるための出生前教育プログラム

情報更新日 2023年7月31日

シーズ情報

キーワード

出生前診断、意思決定、プレコンセプション教育

分野

助産学、母性看護学、遺伝学

概要

近年、新型の出生前診断であるNIPTを無認可で実施する施設が増え、医療者から適切な支援を受けられずに苦悩する妊婦の増加が懸念されている。NIPTは、母体採血のみで胎児の染色体異常を高精度に判定できる検査であり、人工妊娠中絶の選択にもつながるため、受検の意思決定には医療者の支援が不可欠である。しかし、日本人女性の遺伝学に関する知識不足や意思決定の困難さが報告されており、医療者の支援なしにNIPTについて十分に理解し、受検について自律的に意思決定することは現状では難しい。そのため、本研究では、妊娠後の女性の自律的意思決定につなげることを目的に、自律的な意思決定を行うための妊娠前(プレコンセプション)教育用のプログラムを開発した。
本プログラムは、遺伝学ゲームを取り入れるとともに、Keller(1983)が提唱した学習意欲を向上させる学習理論であるARCSモデルに基づく5つのコンポネントで構成されており、遺伝学が苦手な女性が妊娠前から遺伝学やNIPTに関する正しい知識を獲得し、自己の価値観について考える力を効果的に高めることで、妊娠後の意思決定力を高めることを目的としている。

何が新しいか?

現在の臨床において、妊娠後に行われているNIPTに関する説明を、妊娠前から教育すること、そのための教育用のプログラム

他の研究に対する優位性は何か?

  • 遺伝学ゲームを取り入れ、楽しみながら正しい知識が習得できる。
  • Keller(1983)が提唱した学習意欲を向上させる学習理論であるARCSモデルに基づく5つのコンポネントで構成されており、効果的に正しい知識が習得できる。

どのような課題の解決に役立つか?

遺伝学が苦手な女性が妊娠前から遺伝学やNIPTに関する正しい知識を獲得し、自己の価値観について考える力を効果的に高めることで、妊娠後の意思決定力を高めることが出来る。

他への応用・展開の可能性

中高生や大学生への性教育や倫理教育に取り入れることで、ライフプランニング教育にもつながる

関連する特許

参考図表

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研究者情報

氏名 片田 千尋
所属 看護学部 助産学・母性看護学
専門分野 助産学、母性看護学、遺伝学
学内共同研究者 澤井 英明
関連リンク 出生前診断パンフレットPDF

企業との協業に何を期待するか?

協業による社会実装の実現

  • 開発した教育プログラムや出生前検査に関する継続学習用パンフレットの提供
  • 妊娠前の女性が手にしやすいよう、「教育プログラムのeラーニングツール」作成の共同研究
  • 出生前診断に関する意思決定の支援

本研究の問い合わせ先

兵庫医科大学 大学事務部 研究推進課
E-mail: chizai@hyo-med.ac.jp
Tel: 0798-45-6488

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