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デジタル技術を用いた双方向型自習学習教材の開発

情報更新日 2023年7月31日

シーズ情報

キーワード

自然言語処理、IcT、VR、AR、シミュレーション教育

分野

基盤看護学

概要

看護ケアは、地域包括ケアの中で療養環境を移り変わる生活者としての患者を包括的な視点から捉えてケアを行う必要性がある。しかし、周手術期看護を担う看護師は、入院期間の短縮や目の前の業務に追われ、退院後の生活を見据えた看護ケアを十分に行えているとは言えない。さらに、看護職の勤務形態に注目すると、病棟や部署単位で固定されたものが主であり、日々の看護ケアからは、患者が療養環境を移り変わるケア移行を意識できる俯瞰的な体験は得にくい。
この課題に対し本研究では、療養環境を移り変わる患者を捉えることができるように、看護師のイメージ化を促し、ケアの思考を変容させる教育プログラムを開発し、課題解決を目指す。このアプローチは、看護学、理学療法学、情報工学の学際的手法を用い、AIの一種である自然言語処理技術を活用したスマートフォンで使用可能なシミュレーション教育など、疑似体験を通した方法を採用し、経済的、時間的省コストなものを目指す。この教育プログラムを通し、周手術期に携わる看護師は、日々の業務を患者のケア移行を意識した看護ケアに昇華するための内省を促すことができ、予期せぬ再入院の減少などに貢献できると考える。

何が新しいか?

  • AIの1種である自然言語処理を実装したLINEを使った観察場面の再現
  • 入退院支援部門などの調整部門ではなく、主に直接的なケアを実施する看護師の教育に焦点を当てた点

他の研究に対する優位性は何か?

  • マネキン法、模擬患者法などと比較し、多数の学習者の同時学習と自習両方が可能かつ安価で手軽に模擬体験を通した学習機会を提供できる
  • 周手術期看護を担う看護師に、患者が療養環境を移り変わるケア移行を意識できる俯瞰的な体験を提供する

どのような課題の解決に役立つか?

看護師が持つ患者のケア移行に対するイメージ化を促し、ケアの思考を変容させることで、ケア移行がスムーズになり、入院の長期化や再入院の防止、退院後のADLの低下が防げることが期待される

他への応用・展開の可能性

関連する特許

関連する論文等

  1. 自然言語処理を用いた観察場面を学ぶ補助教材の開発. 井上 正隆, 森本 紗磨美, 田中 雅美, 池田 光徳, 竹内 佑莉果, 敷田 幹文. 第22回日本医療情報学会看護学術大会論文集(2021.07)
  2. 自然言語処理を用いた 観察場面を学ぶ補助教材の洗練化. 井上 正隆, 森本 紗磨美, 田中 雅美, 竹内 佑莉果, 敷田 幹文. 第42回日本看護科学学会学術集会(2022.12)

参考図表

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研究者情報

氏名 井上 正隆
所属 看護学部 基盤看護学
専門分野 基盤看護学
学内共同研究者
関連リンク

企業との協業に何を期待するか?

より安価で手軽に学生や学習者が、模擬体験を通して自習できる学習法を模索しています。意義に賛同し協業いただける方を求めています。

本研究の問い合わせ先

兵庫医科大学 大学事務部 研究推進課
E-mail: chizai@hyo-med.ac.jp
Tel: 0798-45-6488

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