アフィニティ樹脂を用いたターゲット探索
情報更新日 2023年7月31日
シーズ情報
キーワード
標的探索、アフィニティ樹脂、AquaFirmus
分野
ケミカルバイオロジー
概要
我々が独自開発したAqurFirmusはPEG誘導体のメタクリレート樹脂であるため、化学的に安定で有機溶媒条件下でも化合物等生理活性物質の固定化やその他化学修飾が可能である。かつ、親水性なので非特異的なタンパクの吸着が少なく、ターゲットタンパク同定の妨げとなるノイズが少ない。さらに、改良したAqurFirmusでは長いPEGを用いて重合させていることから、大きなサイズとなるターゲットタンパク複合体までも同定可能とした。
何が新しいか?
『アフィニティ樹脂AqurFirmus』は本研究者らが独自に見出した技術であり、新たな創薬研究のツールとなり得る。
他の研究に対する優位性は何か?
この樹脂は化学的に安定であり、以下の点で優位性がある。
- 有機溶媒条件下で有機化合物等を樹脂上に固定することができる
- 親水性なので同定の妨げとなる非特異的なタンパクの吸着が少ない
- 改良したAqurFirmusでは長いPEGを用いて重合させていることから、大きなサイズとなるターゲットタンパク複合体までも同定可能
- 改良したAquaFirmusはPEGの長さにバリエーションがあるため、リガンドと固相単体との間のリンカー長の最適化が不要
どのような課題の解決に役立つか?
標的が未知の開発医薬品の標的、あるいは標的蛋白質の複合体の探索などへの応用
他への応用・展開の可能性
化学的に安定で非特異的なタンパク吸着が少ないことを生かした、光切断リンカー等の導入などによる、タンパク分離精製等
関連する特許
PCA/JP2013/236265、「新規固相担体」
関連する論文等
研究者情報
氏名 | 田中 明人 |
---|---|
所属 | 薬学部 創薬化学 |
専門分野 | ケミカルバイオロジー |
学内共同研究者 | 馬渕 美雪 |
関連リンク | ― |
企業との協業に何を期待するか?
- ターゲット未知の生理活性物質のターゲットタンパクの同定、さらには化合物合成展開
- 他のアプリケーションへの活用
本研究の問い合わせ先
兵庫医科大学 大学事務部 研究推進課
E-mail: chizai@hyo-med.ac.jp
Tel: 0798-45-6488