ガン患者の血液中exosome由来のmicroRNA
情報更新日 2023年7月31日
シーズ情報
キーワード
exosome、microRNA、ガン、分子生物学
分野
分子生物学的アプローチによるガン治療の開発
概要
exosomeは、脂質二重膜で囲まれた直径50~100 nmの膜小胞であり、microRNA(miRNA)を内包している。 ほとんどの細胞から分泌され、様々な細胞に取り込まれる。exosomeのmiRNAを取り込んだ細胞では、特定の遺伝子の発現が抑制され、細胞の性質が変化する。この細胞間の情報伝達は、ガンの転移や進展にも関与している。
我々は、以下の3つを研究の目標として取り組んでいる。
- ガン細胞から分泌されるexosomeから特異的なmiRNAを探索し、ガンの増殖や転移に関与するmiRNAを明らかにする。
- ガン細胞から分泌されるexosomeにluciferaseや蛍光タンパク質・mCherryなどを内在させ、in vivoでexosomeの分布・動態を可視化し、ガン治療効果やガン再発の解明に役立てる。
- ガン再発に関与するmiRNAに相補的に結合し、その活性を抑制するmiRNA decoyをexosomeに内在させて、ガン治療開発に役立てる。
何が新しいか?
ガンの再発に関与するmiRNAを見出したこと
他の研究に対する優位性は何か?
exosome由来miRNAの研究に有用な、種々のツールやノウハウを保有している点
どのような課題の解決に役立つか?
- ラジオ波焼灼療法(RFA)を含めたIVR(画像下治療)では再発の対策が課題である。本研究で見出したmiRNAを応用すれば、再発防止に繋がる新たなガン治療薬となる可能性がある。
- Exosomeは、生体内での分布・動態が不明部分が多いが、本研究で開発する可視化exosomeを用いればこの課題解決に繋がる。
他への応用・展開の可能性
―
関連する特許
―
関連する論文等
―
研究者情報
氏名 | 平田 豊 |
---|---|
所属 | 医学部 生理学 生体機能部門 |
専門分野 | 分子生物学的アプローチによるガン治療の開発 |
学内共同研究者 | 高木 治行 |
関連リンク | ― |
企業との協業に何を期待するか?
以下の様な共同研究の実施
- exosomeを分泌を可視化可能なマウス・ラットの作製とその応用研究(in vivoにおけるexosomeの研究)
- 再発に関わるexosome由来miRNAを応用した創薬研究
本研究の問い合わせ先
兵庫医科大学 大学事務部 研究推進課
E-mail: chizai@hyo-med.ac.jp
Tel: 0798-45-6488