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CBR matrix を用いた慢性循環器疾患患者の社会的処方支援アプリの開発

情報更新日 2023年7月31日

シーズ情報

キーワード

CBR matrix、社会的処方、アプリ開発

分野

医療管理学および医療系社会学関連

概要

人の健康には、生まれ育った背景や生きてきた環境といった健康社会決定因子(SDH)が直接的な影響を与える。とくに長い罹病期間に寛解と増悪を繰り返す慢性循環器疾患では、その人のSDHを患者—医療者ともに把握し、治療方法の工夫や、患者が必要な社会資源の活用へと繋げる、お薬のみではない社会環境の充実を含んだ患者参画型の社会的処方ができれば、健康維持のみでなく生活の質の向上が見込まれる。
本研究ではWHOを中心に提唱された地域社会包括戦略において、個人の脆弱なSDHを把握するツールとして紹介されたCBR matrixを用いて、患者の脆弱で支援を要するSDHを可視化し、患者へアプローチ法の提案や患者と地域の社会資源を繋げる社会的処方を実践するアプリの開発と試用を目指す。

*SDH: Social Determinants of Health … 人や集団の健康とは単に「病気に罹患していない」というだけではなく、社会的経済的、地域的な環境の因子にに対しても目を向ける考え方を示すもの。

何が新しいか?

CBR matrixを我が国の医療の現場に用い、補えるSDHという発想をもたらすことは独創的である。

他の研究に対する優位性は何か?

現状の臨床では、患者個々のSDH を一元的に可視化できるツールは存在していない。
本研究では、CBR matrixを用いて、患者の脆弱で支援を要するSDHを可視化し、患者へアプローチ法の提案や患者と地域の社会資源を繋げる社会的処方を実践する今までにないアプリ開発を目指す点で優位性がある。

どのような課題の解決に役立つか?

SDHが脆弱である患者には、多職種・業種間協働等で補う工夫を医療者側に提案するといった患者-医療者双方に有用なシステムを構想している。

他への応用・展開の可能性

本研究で開発を目指すアプリは、社会的処方をテーマにした多職種連携教育ツールとしての使用も可能である。
また、狭義の「医療」は「人が健康に生きてゆくために必要なツールの一つに過ぎない」という発想のもとで、医療業界のみではなく教育や娯楽、また行政を含めた各種専門職間協働をテーマとして研究に発展できる可能性があると考える。

関連する特許

参考図表

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研究者情報

氏名 高橋 敬子
所属 医学部 医療クオリティマネジメント学
専門分野 医療管理学および医療系社会学関連
学内共同研究者 江口 明世、巳波 弘佳
※学外共同研究者あり(関西学院大学 工学部)
関連リンク 講座紹介HP

企業との協業に何を期待するか?

本研究で目指すもの「SDHの可視化と応用による社会への貢献」にご賛同いただける企業や自治体と協業し、アプリ開発や実証研究を行いたい。

本研究の問い合わせ先

兵庫医科大学 大学事務部 研究推進課
E-mail: chizai@hyo-med.ac.jp
Tel: 0798-45-6488

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