受賞
研究医コース所属の学生が全国リトリート2025にてデザイン賞を受賞
本学の医学部5年生で、研究医コース(先端医学研究所 未来医療開拓部門所属)の川野 貴史さんが2025年3月16日・17日に千葉県で開催された「全国リトリート2025」でデザイン賞を受賞しました。「全国リトリート2025」は、全国から学生が集まり、各自の研究内容に関するポスター発表や口頭発表などを行うことで相互交流を深め、基礎医学研究者の養成を促進することを目的として行われました。

授与団体
全国リトリート2025
受賞演題
4KフォトセンサとTeflonを用いた気密型の小型細胞培養観察技術の開発
研究概要
米スペースX社に代表されるように、人類は民間レベルで宇宙進出を成し遂げています。しかし、宇宙環境が人体に及ぼす影響は未知数であり、地上と同じような細胞レベルの実験を宇宙で行う必要があります。一般的に、細胞培養は温・湿度や大気などを大型の装置で厳密に管理しなければならず、人工衛星などでの小規模な実験は困難です。そこで我々は、レンズを用いない小型顕微装置『AminoME』(IDDK社)と、細胞のガス代謝に補助的に働く可能性があるテフロン製の容器を組み合わせることで、小型細胞培養観察技術の実現を目指しています。今回の発表では、細胞がAminoME上で培養・観察可能であったこと、テフロン製容器内では気密条件下でも2週間以上の長期間生存が認められたこと、さらにポリビニルアルコール(PVA)を含む培地により3次元培養が可能であったことを報告しました。今後はこれらの成果を組み合わせ、小規模に宇宙生物実験が実現できる実験系の開発を目指しています。
受賞のコメント
全国の研究を行う医学部生が一堂に会し、互いに発表をするという経験は、大変刺激的で有意義なものでした。その中で発表が評価され賞を頂けたことは、非常に光栄に思います。今回紡いだ縁を将来に繋げるためにも、邁進し続けて参ります。また、本学では少数ですが、全国には自由に研究する多くの学生がいました。研究に興味を持つ学生が増えるきっかけとなれたらとても嬉しく思います。