Etsushi Kuroda

ごあいさつ:

平成31年4月1日付で、免疫学講座の主任教授に着任いたしました。

私は九州工業大学情報工学部に入学し、卒業研究では好熱菌のエネルギー獲得機構についての研究に携わりました。当時はまだ新しい遺伝子工学の技術に魅了され、実験に夢中になりました。その後、もう少し医学的な研究にも関わりたいと考え、修士課程で広島大学医学部薬学科の大学院へ、そして博士課程で産業医科大学大学院へと進学し、免疫学の研究を始めました。平成19年よりカナダのブリティッシュコロンビアがん研究所に留学する機会をいただき、そこで肥満細胞や好塩基球の研究などにも携わりました。

平成21年に帰国し、次は何の研究をしようかと考えていた頃、Nature誌やScience誌などのトップジャーナルにおいて、アスベストやシリカ、アルミニウム塩(アラム)などの微粒子による免疫細胞活性化機構に関する論文が発表されました。これまで無機の微粒子がどのような機序で免疫系を活性化するのかは明らかにされていませんでした。その一端が明らかにされたこれらの論文を読んで深い感銘を受け、私も微粒子と免疫反応をテーマとした研究をスタートすることにしました。
私が所属していた産業医科大学でもPM2.5や黄砂などの微粒子の生体影響が注目されており、また免疫学の分野でもワクチンアジュバントであるアラムの作用機序解明が研究のトピックスになっていました。微粒子研究との出会いは私の研究者人生の転機となり、この研究を通して多くの著名な免疫学者と知り合いになることができました。
また、本学の3代目免疫学教授の中西先生とお知り合いになれたのもこの研究を介してであり、兵庫医科大学とのご縁がここから始まったのかもしれないと感じております。

平成24年より大阪大学免疫学フロンティア研究センター、その後は医薬基盤·健康·栄養研究所にて微粒子、アジュバント、ワクチンなどをキーワードとして研究を進め、現在に至っております。

これまで学んできたことを十二分に発揮しながら、新しい仲間とともに新しい免疫学講座を作り上げていきたいと考えております。

学歴:
平成7年3月
九州工業大学 情報工学部 生物化学システム工学科 卒業 学士(情報工学)
平成9年3月 
広島大学大学院 医学研究科 博士課程前期 修了 修士(薬学修士) 
平成13年3月 
産業医科大学大学院 医学系研究科 修了 博士(医学博士) 
職歴:
平成13年4月1日~平成19年3月31日
産業医科大学 医学部 免疫学教室 助手
平成19年4月1日~平成21年3月31日
ブリティッシュコロンビア癌研究所(カナダ)研究員
平成21年4月1日~平成22年12月31日 
産業医科大学 医学部 免疫学寄生虫学教室(旧免疫学) 学内講師
平成23年1月1日~平成24年6月30日
産業医科大学 医学部 免疫学寄生虫学教室(旧免疫学) 講師
平成24年7月1日~平成29年3月31日
大阪大学免疫学フロンティア研究センターワクチン学研究室 特任准教授
平成29年4月1日~平成30年12月31日
医薬基盤·健康·栄養研究所 ワクチン·アジュバント研究センター 上級研究員
平成31年1月1日~令和2年3月31日(兼任)
医薬基盤·健康·栄養研究所 ワクチン·アジュバント研究センター プロジェクトリーダー
平成31年4月1日~現在
兵庫医科大学 免疫学講座 主任教授
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