兵庫医科大学 先端医学研究所 家族性腫瘍部門 |
Laboratory of Hereditary Tumor |
発足 |
電話 0798(45)6790 FAX 0798(45)6789 Email: fcc@hyo-med.ac.jp |
平成10年4月、本学の構想する研究組織が文部科学省の私立大学学術フロンティア推進拠点に選定されたことにより事業計画書を提出、11月30日施設等の設備に係る補助金交付の決定をみました。 ○部門名:家族性腫瘍部門 ○部門長:内科学第4講座教授 下山 孝 ○研究プロジェクト:家族性腫瘍センターの設立 ○プロジェクトの代表者:遺伝学講座教授 古山 順一 ○研究意義:家族性腫瘍のひとつである家族性大腸腺腫症(FAP)は常染色体性優性遺伝様式の疾患で、大腸がん発生・進展過程を解明する上で重要な疾患です。遺伝性腫瘍といっても適切な治療を行えばがん死から免れることが可能であり、その前提として本人とその家族の十分な追跡調査が必要です。FAP患者家族に対して遺伝子診断を取り入れた早期発見・早期治療を目指し、遺伝子診断が完全なものになれば精神的・肉体的・経済的負担を最小限に止めることが可能になり、また不幸にもこの遺伝子の異常を受け継いだ者でも、適切に対処し、がん死を予防することが可能です。分子生物学的進歩による大腸がんの研究は急速に進んできましたが、これらの技術的実用化を臨床の場に還元すべく、診断・治療・予防・患者とその家系のサーベイランス・倫理問題・患者サイドのカウンセリングなどの体制を確立する必要性があります。 今回、ポリポーシスセンターによる家系登録制度を引き継ぐとともに、その経験を踏まえ、また、FAPのみならず各臓器に発生する家族性腫瘍を対象に臨床応用を目指すものであり、これには関係する医療施設・研究機関のみならず患者の精神的サポートのできるシステム作り及び協力体制が重要であることから、統括的に機能するセンターを志向するものです。 これら家族性腫瘍の取り組みは、がんに対する予防医学的戦略の基本であると考えます。 |
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