医学部 - 講座紹介

遺伝学

専門部門(基礎医学系講座)

遺伝学講座では、モデル生物の作製、解析とヒト疾患のゲノム解析を行っています。
様々なモデル生物がいますが、当講座ではマウスとショウジョウバエを用いています。遺伝性膵炎家系のゲノム解析から始まり、膵臓疾患に関して、いくつもの遺伝子改変マウスを作出、解析することでオートファジー、細胞死などの分野と結びつけて研究を行っています。また遺伝病のゴーリン症候群の原因遺伝子の解析を通して、原因遺伝子の本来の役割や進化的役割を探る試みをしています。このような研究は、“病気がなぜ起こるか”という根本的な問いに答えられる可能性があるばかりでなく、遺伝病をより理解し、新しい治療法の開発に貢献できる可能性があります。
また、ゲノム編集技術CRISPR/Cas9システムを用いてさまざまな遺伝子改変マウスを作製しています。これまでに、遺伝子のノックアウトやノックイン、過剰発現、floxマウス、1アミノ酸置換など、さまざまな遺伝子改変を行い、疾患モデルマウスの作製とそのメカニズム、治療法の開発を行っています。
多くの遺伝的要因と環境的要因が、発がんのリスクを上昇させることが知られています。クボタショックにより社会的なアスベスト健康被害の問題が浮上しましたが、アスベスト暴露歴のない悪性中皮腫患者さんもおられます。長年にわたり悪性中皮腫やその背景にある遺伝的要因に関する遺伝子解析を行い、腫瘍に高頻度に生じる遺伝子変異を見つけ診断に活用され、また遺伝的要因の寄与が大きい患者予後は比較的良好であることを報告しました。現在、腫瘍の変異のパターンから予後予測をする研究をおこなっており、遺伝子解析を通して早期発見、予後の改善につなげることをめざしています。

講座情報

主任教授
大村谷 昌樹
准教授
杉本 道彦
TEL
0798-45-6587
FAX
0798-40-7639
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