医学部医学科
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兵庫医科大学医学会

遺伝学

講座(部署)紹介

  1. ゲノム解析をもとにした疾病の細胞、個体レベルでの解析
    遺伝性および環境因子によるがんについてのゲノム解析を行い、細胞、個体レベルでの解析を通して、発症メカニズムの解明と診断・治療のターゲットを探索する。
  2. 遺伝性疾患の遺伝子解析
    遺伝性疾患の原因遺伝子の同定と治療を目標としたメカニズムの解明をめざす。
  3. 個体・組織の恒常性維持に関する実験遺伝学的解析
    栄養やホルモンなど、個体・組織の恒常性維持に関与する因子を制御する遺伝子の解析を行う。
  4. ゲノム編集技術の改良とその応用
    CRISPR/Cas9システムを用いて、様々な遺伝子のノックアウト、ノックイン細胞、マウスの作出を行う。

研究の現状

概要

疾患に関するゲノム解析と治療研究及び器官形成・再生に関する遺伝子解析を遂行するとともに、CRISPR/Cas9システムを用いた遺伝子改変細胞、マウスの作出を行っている。

主題

  1. がんゲノム解析:
    環境要因が強く関わる悪性中皮腫について、本学や海外の患者さん由来腫瘍細胞のゲノムを解析した結果、ゲノムDNAの構造異常が高頻度で生じていることを見出した(学内、およびハワイ大学がんセンターとの共同研究)。中でも9番染色体のがん抑制遺伝子、p15、p16の欠失や、3番染色体上のBAP1遺伝子が上皮型に高頻度で欠失・変異していることを見出した。さらにこの遺伝子周辺の遺伝子群の変異の解析、ゲノム不安定性について検討し、治療のターゲットになる因子を検索している。
  2. 遺伝性疾患の遺伝子解析:
    基底細胞母斑症候群(BCNS)で頻繁に見られる角化嚢胞性歯原性腫瘍発生のメカニズムを、培養細胞系を用い解析している(歯科口腔外科との共同研究)。またBCNSで高頻度に見られる基底細胞癌における遺伝子変異を解析している(皮膚科との共同研究)。これらの解析を通してBCNSで見られる腫瘍の組織特異性とその発症に関与する因子の探求を行っている。
  3. 器官形成とその維持機構に関与する遺伝子群の解析:
    ヘッジホッグの受容体であるpatchedと関連するPtr (patched-related) 遺伝子の変異体をショウジョウバエで作製し、その機能を解析している。Ptr蛋白の細胞内局在及びtransporter様機能の重要性が判明しつつある。
  4. 遺伝子改変マウスを用いた膵臓病研究:
    マウス遺伝学を駆使して、膵炎、膵癌、細胞死研究を行っている。
  5. CRISPR/Cas9システムを用いた遺伝子改変マウス/培養細胞の作出とゲノム編集技術の開発:
    CRISPR/Cas9システムを用いて遺伝子改変マウスや培養細胞を作出、供給している。これまでに、遺伝子のノックアウトやノックイン、過剰発現、1アミノ酸置換等、様々な遺伝子改変を行ってきた。現在は、大学内外の支援を行うとともに、より簡便で効率の良い手法を目指した技術開発にも取り組んでいる。

自己評価・点検及び将来の展望

遺伝学講座は分子生物学を専門とする研究者が、臨床科との連携により、診断や治療に繋がる研究を行っている。中皮腫研究は本学の最も特色ある分野であり、中皮腫のゲノム解析から9番染色体の欠失や3番染色体BAP1遺伝子の上皮型特異的欠失変異の発見は、診断そして治療という臨床の場に大きく役立つことが期待される。またヘッジホッグ情報伝達系をターゲットとした研究は、本講座の特色である遺伝性疾患患者の解析からスタートし、ユニークな試料をもとにして腫瘍形成や幹細胞を理解しようとする試みである。次世代シークエンサーの発達によりヒトゲノム解析がより身近になり、またゲノム編集技術を用いた遺伝子改変生物の作出が容易に行えるようになってきていることから、今後とも遺伝学教室の担う役割は大きいと考える。

大村谷 昌樹 主任教授
大村谷昌樹主任教授
主任教授| 大村谷 昌樹
教授| 中野 芳朗
講師| 吉川 良恵
TEL| 0798-45-6587
FAX| 0798-40-7639

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