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兵庫医科大学医学会

生物学

講座(部署)紹介

  1. 円口類を用いた脊椎動物の形態進化(菅原)
    われわれ人間のからだを理解するためには、その進化的な変遷を知ることが必要です。脊椎動物は5億年以上前に誕生しましたが、その初期の姿および形態進化の過程には、未解明な点が多く残されています。現在生きている脊椎動物のうち、最も古くに分岐したのは顎を持たない円口類で、ヤツメウナギとヌタウナギの2群がいます(図)。この円口類と、他の脊椎動物(板鰓類、真骨魚類、羊膜類など)の形態や発生様式を比較することで、初期の脊椎動物の姿と進化の変遷を解明することが本研究の目的です。

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  2. 両生類初期胚における生殖細胞分化の研究(山﨑)
    両生類のモデル動物であるアフリカツメガエル(Xenopus laevis)を使って、始原生殖細胞(PGC)が生殖原基へ移動し、生殖巣の分化に合わせて、増殖し、精母細胞、卵母細胞へ分化していく仕組みを形態レベルで解析する。
  3. 生体内におけるバイオフィルム形成過程の解析(山﨑)
    生体内に長期留置デバイスには体液または体外から投与する輸液に由来する高分子や、微生物が加わることにより、バイオフィルムが形成される。これらバイオフィルムの形態を電子顕微鏡レベルで解析し、また患者の治療背景と関連づけることによってバイオフィルム形成に必要な要因を調べる。また、長期留置の障害となるデバイス由来の感染症を予期、予防する手段を検討している。(香川大学医学部との共同研究)
  4. 医学部1年生の生物学教育を効果的に展開する方法の検討
    高校教育においては、大学入試を念頭におく場合、理科は2科目の選択に縛られることが多い。医学部入学生の多くは、物理・化学、または化学・生物の組み合わせで大学入試にのぞみ、結果的に物理、また生物に関して、高校レベルの知識を持たない状態で1年次の教育にのぞむことになる。このような学生が、大学レベルの物理学、生物学、また基礎医学の教育を抵抗なく受け、理解して、成果を得るにはどの様な教育展開が良いかを検討している。(和歌山県立医科大学との共同研究)

研究の現状

概要

主題1・2について
脊椎動物の頭部は、ナメクジウオ、ホヤといった頭索類、尾索類の分岐以降に著しく発達した領域で、区画化された脳、咽頭弓から派生した口器、プラコードから発生した感覚器などを持つ。これらの起源とその進化を解明することが研究の目的である。現在、主にヤツメウナギ、ヌタウナギの分子発生学的解析を進めている。

主題3について
アフリカツメガエルの胚に様々な処理を加え、生殖細胞が分化する段階の胚(Nieuwkoop and Faber, 1994の発生段階42から46)をパラフィン切片化して、種々の方法で染色し、光学顕微鏡レベルで解析している。

主題4について
試料採取は香川大学医学部に依頼し、顕微鏡レベルの解析のみを担当している。

主題5について
和歌山県立医科大学において過去に担当した授業で得られた成績を元にして解析している。

主題

  1. 終脳の領域化機構の進化:
    発生期における終脳腹側の内側神経節隆起(MGE)は、淡蒼球が発生する領域で、Nkx2.1やShhによって誘導される。これまでの研究で、ヤツメウナギにはこれらの発現が欠けていることから、MGEおよびその派生物は円口類と顎のある脊椎動物が分岐して以降に獲得された可能性が示唆された。現在はヌタウナギの終脳について解析中である。
  2. 頭部感覚器の形態進化:
    初期の脊椎動物は鼻孔が単一で、下垂体孔は体外に開いていた。現生の円口類もその特徴を保持していることから、円口類の鼻および下垂体原基の発生機構を他の脊椎動物と比較することで、鼻孔と下垂体の位置関係の変化がもたらす顔面形態の進化について解明したい。
  3. 塩化リチウム処理により背腹軸を背方化した胚、また受精直後の低温処理、精子の紫外線処理により作成した半数体胚、雌性2倍体、3倍体胚を用いて、生殖細胞、また生殖巣の分化を解析している。
  4. 口腔内の歯面に形成されるバイオフィルムであるプラークを想定して、ボランディアから採取した唾液をプラスチックディスクに滴下して、バイオフィルムを形成させ、条件を変えて、解析している。
  5. 過去6年間の和歌山県立医科大学1年生の成績データを元に、生物選択者と物理選択者の特徴を分析している。

自己評価・点検及び将来の展望

[主題1]これまで未知であった、ヌタウナギ終脳発生の形態学的観察および遺伝子発現について2016年に論文を発表した。また、この論文により進展した研究分野についてまとめた総説を2017年に発表した。

[主題2]学会発表を行い、論文発表に向けてデータを整理しつつある。また、ノンモデル生物であるヤツメウナギは、分子発生学的手法の開発が遅れており、これに関する著書を発表した。

[主題3]3倍体胚の発生段階46での生殖巣内に侵入したPGCの数を正常胚と比較している。

[主題4]長期留め置きカテーテル内のバイオフィルム形成の研究結果を現在論文にまとめている。また唾液由来のディスク上バイオフィルム形成に関しては、希少糖の添加により形成が阻害される結果が得られ、論文として投稿中である。

[主題5]和歌山県立医科大学1年生の生物学の成績を解析し、結果の一部を、2016年第47回日本医学教育学会で発表した。

教授| 山﨑 尚
講師| 菅原 文昭
TEL| 0798-45-6375
FAX| 0798-45-6375

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