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兵庫医科大学医学会

解剖学(神経科学部門)

講座(部署)紹介

「疼痛伝達の分子メカニズムの解明と新規疼痛治療へ向けてのシーズの開発」を教室の一貫したテーマとして、分子形態学的手法を中心に、行動薬理学、分子生物学、神経生理学手法を取り入れている。各種疼痛関連病態における神経系での各種活性物質の発現動態と、神経情報伝達の変化、感覚受容・行動の変化との関連を追求し、基本的疼痛伝達機構と各種疼痛病態の解明を進め、基礎的疼痛研究から臨床的応用へのシーズとなる結果を得ることを目的としている。文部科学省のオープンリサーチ整備事業、科学研究費等の公的資金、製薬企業からの受託研究等の外部資金の導入により、研究環境を整備してきた。開かれた研究環境を本教室の重要なモットーとしており、他大学の研究者・大学院生、製薬企業の研究者の受入れや共同研究を活発に行っている。学会活動は北米神経科学学会、国際疼痛学会などでの発表を中心としており、欧米の一流国際誌での論文発表を行っている。

医学教育に関しては、筋・骨格と末梢神経の解剖 器官・臓器の組織 消化器系の解剖 人体解剖学実習(第1解剖と共に)を担当している。本学学生の気質や能力に合った、学習意欲を引き出す授業内容や実習指導を心がけている。

研究の現状

概要

疼痛伝達の分子メカニズムの解明」に繋がる以下の多くの主題について、精力的に研究を進めている。日本及び世界における疼痛基礎研究の拠点としての評価 を、この兵庫医科大学での22年の研究により確立することが出来た。研究成果により研究代表者の野口は、日本疼痛学会や日本運動器疼痛学会の会長として主 催し、さらに疼痛学会理事長として日本の疼痛研究をリードする立場にある。今後新しい体制で疼痛研究及び神経科学研究を推進すべく、研究体制を構築中である。

主題

  1. Neuropathic pain:
    神経障害に伴う難治性疼痛であるNeuropathic painのモデル動物における神経活性物質の動態と疼痛行動との関係を検討し、その分子メカニズムの解明を目指している。教室では数種類のモデルを使用し、一次知覚ニューロン及び脊髄ニューロン、さらに上位中枢における動態解析と、その病態における意義を検討している。
  2. 神経疼痛関連チャネル分子の意義:
    疼痛研究領域で極めて注目を集めているTRPファミリー、その中でも侵害刺激関連チャネルとして興味深いTRPA1について複数の論文を発表してきた。また、このTRPA1の興奮性調節機構の詳細な電気生理学的解析を進めており、J.Clin。InvestやBrainなどの一流紙に発表することができた。
  3. 神経栄養因子:
    感覚系神経回路の可塑性に影響を与える種々の神経栄養因子についての行動学的、分子組織科学的、及び薬理学的研究を進めている。上記ニューロパチックペインモデルにおける発現の詳細な解析と共に、電気生理学的な影響について検討中である。
  4. 一次知覚ニューロンにおける分子情報伝達機構:
    この数年、全世界的なトピックスとなっている細胞内シグナル伝達系に関して、引き続き論文を発表することができた。特に、最近世界的に注目を集めている脊髄グリア細胞におけるシグナル伝達系に関して、積極的に研究を展開している。
  5. 疼痛メカニズムにおけるサイトカインや脂質メディエーターの意義:
    ニューロパチックペインの病因におけるグリア細胞とニューロンとの間には、サイトカインや脂質メディエーターが存在していることを発表してきた。さらに詳細な解析とその疼痛伝達機構調節のメカニズムの解明を進めている。
  6. 疼痛メカニズムにおける可塑性関連因子の意義:
    非常に新規性の高いテーマとして、神経障害後の細胞接着因子、細胞外に遊離されるプロテアーゼなどの脊髄ニューロンにおける役割について論文を発表してきた。さらに検討を進めて、慢性疼痛のメカニズムとしてどのような意義があるか否か、を種々の実験系において確認を進めている。
  7. 内臓痛の分子メカニズムに解明:
    内臓痛は臨床的に極めて重要であるにも関わらず、その詳細なメカニズムの解明は進んでいない。胃をバルーンで膨らませるラットのモデルを用いて、内臓疼痛伝達系におけるシグナル分子の動態を解明し、消化器内科系の一流雑誌に掲載してきた。引き続き、疼痛関連チャネルの関与を検討中である。

自己評価・点検及び将来の展望

私学振興財団のオープンリサーチ整備事業、さらに私立大学戦略的研究基盤形成支援事業のサポートにより、疼痛関連の論文を安定して発表することができた。 平成6年の開講以来、疼痛に関する欧文原著論文を130報ほど国際一流雑誌に発表することができ、ペインリサーチのラボとして国際的に高く評価されるよう になった。学会活動としては、野口が平成18年度日本疼痛学会会長として神戸において学術大会を主催し、平成24年には同じく神戸にて日本運動器疼痛学会 を主催した。また、国際疼痛学会(International Association of the Study of Pain: IASP)のCouncillor(理事)を野口が務め(2002—2008)、2016年のIASP学会日本開催の組織委員長を、さらに2013年より 日本疼痛学会の理事長を務めることで、日本の疼痛研究のリーダーとしての責務がより大きくなったと云える。今後ともその立場に相応しい疼痛研究の業績を教 室から発信していく必要があると考えている。

野口 光一 主任教授
野口 光一 主任教授
責任者| 野口 光一
(主任教授)
【専門分野:解剖学、神経科学、疼痛基礎研究(ペインリサーチ)】
准教授| 藤谷 昌司
講師| 山中 博樹
小林 希実子
TEL| 0798-45-6416
FAX| 0798-45-6417

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