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Undergraduate of HCM-ChemHP

本学学生諸君へ

 化学は物質に関する科学であり、その組成や相互作用を研究する学問です。生物といえども物質の一形態であり、生命活動は物質の相互作用に他なりません。したがって、医学における化学は、生体が示す様々な現象を物質のレベルで理解するための基礎となる学問と位置づけられます。本学の化学関連授業科目では、「基礎生命化学」で原子・分子の構造と化学の基本的概念、含炭素化合物の構造と性質を学び、「生命物理化学」で物質の挙動を定量化するための理論化学を学びます。これらの授業を通して、学生諸君は生命現象を論理的に理解するための考え方を身につけて欲しいと思います。

行動目標

基礎生命化学 Fundamental Chemistry for the Life Science

 (1) 原子の基本構造を理解し説明できる。
 (2) 化学結合や分子の相互作用を分類し、内容を説明できる。
 (3) 化学反応の基本的な概念を理解し説明できる。
 (4) 酸・塩基および酸化・還元の基本的な概念を理解し説明できる。
 (5) 生命科学および医学に関連する無機化合物、放射性物質の名称・性質を説明できる。
 (6) 有機化合物の命名法や立体構造を把握し、その正確な構造を表現できる。
 (7) 主要な有機化合物あるいは官能基の物理化学的性質について説明できる。
 (8) 有機化合物の基本的な反応について理解し、その機構を説明できる。
 (9) 代表的な生体内反応を理解し、その機構と生理的意義を説明できる。



基礎物理化学 Fundamental Physical Chemistry for the Life Science

 (1) 内部エネルギー、エンタルピーを理解し熱力学第1法則を説明できる。
 (2) エントロピーを理解し熱力学第2法則を説明できる。
 (3) ギブスエネルギーと化学ポテンシャルを理解し説明できる。
 (4) 相平衡と理想溶液の性質、浸透圧の原理を理解し説明できる。
 (5) ギブスエネルギーを化学平衡、酸化還元平衡、膜平衡に適用し生命現象の変化の方向を説明でき 
   る。
 (6) 速度定数と反応次数を理解し反応速度理論を説明できる。


自然科学実習 Laboratoly Work in Nature Science

[化学編]
 (1) 容量分析
  キレート滴定によって、試料溶液と水道水に含まれるCa2+やMg2+の濃度を求める。
 (2) 抽出による有機化合物の分離
  化合物の性質を利用し、混合物からそれぞれの化合物を抽出操作によって分離する。
 (3) アスピリンの合成
  身近な医薬品であるアスピリン(アセチルサリチル酸)の合成を通じて、基本的な有機合成の操作
  法を身につける。
 (4) 加水分解反応の反応速度と温度依存性
  アスピリン加水分解反応の速度定数を様々な温度で測定し、活性化エネルギーを求めることで基本  
  的な反応速度理論を習得する。
 (5) 分子模型
  簡単な有機化合物の分子模型を用いて、分子の三次元的な構造に対するイメージを養う。