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授業情報/Course information

科目一覧へ戻る 2025/04/11 現在

科目名/Course title 在宅ケア(訪問看護)実習/Early Clinical Exposure Program Ⅳ:Healthcare at Home
担当教員(所属)/Instructor 【責任者/担当者】
〔臨床教育統括センター〕 篠原 尚 臨床教育統括センター長
〔医学教育センター〕 蓮池 由起子 医学教育センター長、
常見 幸 准教授、庄司 拓仁 講師

【担当者】
〔臨床教育統括センター〕 平野 公通 准教授、柏 薫里 講師、各担当教員
〔医学教育センター〕 今西 宏安 准教授、津田賀 俊 非常勤講師
〔看護部〕 未定
授業科目区分/Category 専門科目 
授業種別/Type of class 実習科目
時間割コード/Registration Code T30250
開講学期/Semester 授業計画参照
開講曜限/Class period 授業計画参照
対象所属/Eligible Faculty 医学部医学科/Faculty of MedicineFaculty Department of Medicine
対象学年/Eligible grade 3年
単位数/Credits 1.0
教室/Classroom 授業計画参照
連絡先/Contact
オフィスアワー/Office hours
更新日/Date of renewal 2025/02/17
教育目標
/Educational Goals
【目的】
・医療の時間軸を理解し、医療が病院外や家庭でも行われていることを学ぶ。
・家族・地域社会を理解し、医療が家族や地域社会によって支えられていることを学ぶ。
・訪問看護という職種を理解する。
・チームワーキングの素養を獲得する。
・医学部は社会に開かれた学部であることを理解すること。

【科目キーワード】
「早期臨床体験(Early Clinical Exposure)」 「在宅ケア(Healthcare at home)」
行動目標
/Course Goals
【到達目標(アウトカム)】
□ 疾患を持った患者は、ある時期は病院で医療を受け(病院医療)、そして地域社会に戻る。慢性疾患、難治性疾患では病院医療後の地域社会での医療(病院後医療)が患者・家族を支えることになる。このように、医療には、病院前医療(予防医学・健康増進)、病院医療、そして病院後医療という時間軸がある。在宅医療は地域医療の大きな柱の一つであり、介護保険導入によりますますその重要性が増す分野でもある。訪問看護ステーションは高齢者医療ばかりでなく、難病の長期支援、慢性疾患のフォロー(例えば、在宅リハビリなど)、末期癌患者の在宅ケアなども行っている。病院後医療の一つである在宅ケアを知ることにより、医療における時間軸を理解する。
□ 在宅ケアでの患者支援の主役は家族である。患者を支える家族そして家庭の存在を考え、また地域社会と患者・家族の生活支援との関連を考え、説明できる。
□ 在宅ケアは医療の場が家である。病院医療では病室である。医療が行われる「場」の違いについて考える。現在ではかなり高度な医療を在宅で行えるようになっている。同じ医療を病院で行う場合と家で行う場合の相違について考え、説明できる。
□ 医療を支える医師以外の職種は多岐にわたる。チーム医療の素養を身に付けるためには、医師以外の職種の理解が必要である。本実習では、その一つとしての訪問看護、という仕事について理解を深める。
□ 将来、医療人として多職種の人たちとチームを組んで、患者中心の医療が実践できる素養を養う。人から学ぶ態度を育てる。
□ 医学部は社会に開かれた学部であり、単なる学生-教員の関係のみで成り立っているのではないことを自覚し、行動できる。
□ 職場の秩序を理解し、社会人としてのマナーとルールを守ることができる。

【ディプロマ・ポリシーと授業科目の関連】
・地域保健や社会福祉のシステムを理解し、必要とする患者とその家族に対して、模擬的に対応できる。
・医療へのかかりやすさ(accessibility)および医師の働き方(ワークライフバランス)の重要性を説明できる。
・行動科学・社会科学など幅広い教養や健康観を身につけ、他者に対して文化的・社会的な側面に配慮できる。
・医の倫理、生命倫理について理解し、模擬的に生命の尊厳と患者の権利を守る行動ができる。
・人生の最終段階における医療を必要とする患者とその家族に対して、心理社会的側面への配慮を模擬的に実行できる。
・他者を理解し、互いの立場を尊重した人間関係を構築して、学外の人々や団体と関わることができる。
・医療チームの構成員としての役割を理解し、保健・医療・福祉の幅広い職種からなる他のメンバーと模擬的に協調できる。
・自己管理能力を身に付け、能動的に基本的診療能力の向上に努めることができる。
・患者及び医療従事者にとって安全な医療を遂行する能力を有している。安全管理及び危機管理を説明できる。
・地域医療を説明できる。兵庫県の医療に関わる問題を理解している。
・予防医療の理念を理解できる。
・プライマリケアを説明できる。
・医療の持つ社会的側面の重要性を説明できる。
・健康な社会づくりを説明できる。
・医療資源の乏しい地域における医療の問題を説明できる。
・プロフェッショナリズムを理解し、その実践に必要な豊かな人間性を有している。
・兵庫医科大学の建学の精神および社会への貢献について説明でき、誇りに感じている。
・周囲の人々と適切なコミュニケーションをとることができる。
・様々な病気や障がいを持つ患者の気持ちや背景を理解している。
・難治性の痛みを含め、患者の苦痛を理解できる。
成績の評価方法・基準
/Evaluation
【準備学修ならびに事後学修に要する時間】
ガイダンスをよく理解すること。時間は指定しない。

【成績の評価方法・基準】
各施設からの評価、遅刻欠席を含む実習態度、提出物、発表会と質疑応答などを総合的に判断する。
患者さん、入所者、医療スタッフ、職員などとのトラブルは厳禁。内容に応じて不合格だけでなく、厳しい懲戒処分の対象となる。
なお、2学年次において早期臨床体験実習Ⅱ(施設協働実習、エスコート実習など)の追実習が未修了のものは、本科目の実習への参加を認めない。
患者さんやそのご家族に対するインタビューでは、患者さんやそのご家族に病気の背景や生活上の困りごとなどについて多くのことを語ってもらうことが重要であるが、そのために積極的に質問することが重要である。しかし、聞いているだけで全く質問しない場合には不合格となる場合もあるので気を付けること。
実習先評価45%、グループ討論発表 30%、レポート 25%。 ただし、科目内に行う実習は皆勤が条件。授業中の質問、態度なども加味する。態度不良の場合は単位を認めない。

【概要ならびに履修方法】は参考図書に記載。
教科書・参考書
/Textbooks
【教科書】
特になし

【参考書】
特になし
参考図書
/Reference Books
【概要ならびに履修方法】
第一回オリエンテーション:個人情報保護の説明と誓約書提出。欠席の場合は実習に参加できない。
第二回オリエンテーション:身だしなみの最終検査がある。欠席の場合は実習に参加できない。
実習は2日間で行う。日程については施設によって異なる。ただし実習中は本学の講義時間は一切適用されない。早朝より夜間に至る場合もあるが、すべてご協力いただく訪問看護施設に合わせること。自己都合による早退は認めない。
発表会:最初から最後まで参加し、自分の発表以外もすべて真摯な態度で聞き、活発な質問を行うこと。場合によって終了時刻が延長する場合もあるが、早退は認めない。欠席、遅刻、早退、発表会中の居眠りは不合格にする場合がある。やむを得ない事情による欠席は、一度だけ追実習を行う。追実習を実施した場合、発表会はその週末の予定である。止むを得ない事情で追実習になった場合も、全体の正規の発表会にも出席し、情報や体験を共有すること。加えて追実習の発表会で発表を行うこと。
施設側の都合(インフルエンザ、ウイルス性腸炎などの感染症流行、職員配置の問題など)で実習施設を急遽変更する場合や追実習期間に実習を行う場合がある。
必ず追実習期間も予定を空けておくこと。個人的都合やクラブ活動による欠席は認めない。

実習の内容
初日もしくは事前に訪問看護ステーションの方からオリエンテーションがある(集合時間・場所については後日通知する)。その後は原則として訪問看護師さん一人に学生一人が同行し、患者さん宅を訪問する。学生は訪問看護師さんの指示に従ってその仕事の手伝いをする。患者さんによっては、学生が家の中に入ってくることを拒否することがある。その時は患者さん宅の前で待つことになる。看護行為の種類によっては患者さんのプライバシーのために、学生にその場から離れるように、との指示が出ることもある。特に異性患者さんへの配慮を忘れないこと。
実習指導者には、学生が介護の知識・技術のトレーニングをしていないことを伝えてある。学生ができることは何でもさせて下さるようにもお願いしてある。実習形態はクラークシップ、即ち丁稚奉公形式である。学生から「何かお手伝いすることはありませんか?」と積極的に聞くこと。実習が患者さんの家で行われていることを忘れないこと。
医療は人間の営みすべてに関わることなので、入浴介助、体位変換ばかりでなく、排泄に関係することも学生は手伝うことになる。
実習で見たこと、感じたことなど疑問点は実習指導者に積極的に質問すること。
学生が自分の意見をステーションのスタッフと議論することは、重要なことである。積極的な関わりを持つようにすること。
ステーションでは患者さんのカルテを見ることになる。カルテには患者さん本人のことばかりでなく、ご家族のことも記載されている。いうまでもなく守秘義務を守るのは医療者として当然である。
実習は必ずしも午後5時に終了するとは限らない。その日実習指導をして下さる看護師さんの業務によっては遅くなることもある。場合によっては、夕方に急患が入ることもあるかもしれない。その日の実習指導者を裏切ってはいけない。実習時間を延長してよい、とステーションに通知してある。また、実習開始時間もステーションに決めていただく。9時より前に実習が開始されることもある。
学生はあくまでも医学または医療関係を目指す学生としての自覚を持って行動すること。一般の学生にはこの実習のように他人の家に入り、患者さんやご家族のプライバシーに接することはありえない。兵庫医大の学生であるからこそ、そして期待があるから、患者さんやご家族が家に入るのを許してくれている。学生は実習中、人から見られているということを決して忘れてはならない。
その他
/Notes
【学生への助言】
実習中の遅刻、居眠り、だらしない態度は躊躇なく不合格とする。この実習が患者さん・ご家族とステーション側の厚意で実現していることを、決して忘れないこと。
遅刻に言い訳は無用である。電車の延着は理由にならない。電車の多少の遅れを見込んで予定を立てること。どうしても遅れる場合は、所定の時刻の前に電話連絡すること。
自動車の使用は厳禁とする。

【フィードバック方針】
通常の試験ではないためフィードバックはしない。

【オフィスアワー】
講義ではないのでしない。

【受講のルール、注意事項、その他】
4種予防接種(麻疹、風疹、流行性耳下腺炎、水痘)ならびにインフルエンザ予防接種済みであること。
インフルエンザ予防接種については2024年12月20日(金)17時までに本学での接種あるいは接種証明書提出すること(外部医療機関で接種の場合)。これらがない場合は本実習参加不可とする。健康調査票も提出すること。体質的に接種できない場合など止むを得ない事情がある場合は診断書を持って学生保健室に相談すること。健康診断や予防接種の期限までの未受診の場合は参加できない。時間やルールを厳守することは医療者にとって最低限のことである。その教育的効果を鑑みて厳格に適用する。
学修上の注意事項を守ること。訪問看護ステーションの日常業務を妨げないこと。
明らかにステーションの日常業務を妨げた場合は、ステーション管理者の判断で、当該学生の実習を中止するよう、依頼してある。ステーションから学生に対するクレームがきた場合は、責任者の判断により学生を大学に呼び戻し、事情を聴取し、実習遂行が可能かどうか判断する。実習遂行が困難と判断した場合、当該学生の単位は認定できない。
患者さん宅での立ち居振る舞いは重要な単位認定要件となる。
レポートの期限を守り提出すること。レポートは発表会の当日17時までに提出のこと。提出方法はICTを活用した自主学習支援としてMoodleを使用する予定であるので、指示を守って提出すること。
体調不良など止むを得ない事情である場合は一度だけ追実習の機会を設ける。
この科目の不参加、態度不良、個人情報漏えい、医学生として相応しくない情報の発信(SNSなどを含む)の場合は、44点以下とするだけでなく、懲戒処分の対象となる。
遅刻、居眠り、無断早退、積極性が見られないなどの評価の場合は、不合格の上、程度により64点、54点、44点以下の評価とする。
配属される施設、部署によって実習内容や評価基準が異なるのは当然である。真摯な態度で積極的に参加すれば不合格になるはずはない。実習目的の無理解、止むを得ない理由のない欠席・遅刻、服装の乱れ、態度不良、居眠り、積極性欠如などは当然不合格である。自信のない者は進級にかかる教育的配慮を受けられるように、他の科目・カリキュラムにすべて合格すること。
この科目は医師となる資質を涵養し、その成長を評価するための科目である(Fitness to Practice)。この科目外であっても医学生に相応しくない行動、態度があると思われた場合は、教務委員会等における審議を経て、受講不可もしくは不合格とする場合がある。
レポートなどの提出方法については追って指示する。レポートは自分自身で作成し、オリジナルな内容を記載すること。他者のレポートや他の文献、ホームページからの盗用、剽窃は最も恥ずべき行為であり、不合格とする。盗用検索ソフトでチェックする予定である。

なお、新型コロナウイルス感染症等の流行状況によってはICTを活用した自主学習支援としてオンラインで運営することがあり、その場合は追って通知する。新型コロナウイルスの予防接種については、追って指示するのでそれに従うこと。遵守できない場合は実習に参加できない。

【連絡先】
西宮教学課

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