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炎症性腸疾患関連患者に発生する炎症関連腫瘍の早期発見に有用な、特殊光、分子イメージングを用いたサーベイランス内視鏡の開発と普及

情報更新日 2020年6月22日

シーズ情報

キーワード

潰瘍性大腸炎 クローン病 炎症性腸疾患 腫瘍 サーベイランス内視鏡

分野

免疫・炎症 医療機器

概要

 本邦の炎症性腸疾患(IBD)の患者数は増加の一途を辿り、潰瘍性大腸炎(UC)患者は20万人を越えて米国に次いで世界第二位、クローン病も約7万人に至ったと言われている。青年期に好発する慢性良性疾患であるIBDの内科的治療の進歩は近年著しく、従来なら手術になっていた患者が回避できるようになっており、強い炎症に曝露した腸管が長く患者体内に残ることになる。こうした背景で問題となるのが炎症関連発癌である。IBD関連癌は通常の炎症非関連癌に比べ、悪性度の高い癌の比率が高いことが知られており、前癌病変であるdysplasiaや早期癌など救命可能な段階での早期発見を目指し、サーベイランス内視鏡の重要性が提唱されている。

 我々は、これまで5-アミノレリン酸を用いたphotodynamic diagnosis (Gastrointest Endosc. 71:1094, 2010)や厚労省IBD班会議でのアトラス作成、多施設共同研究を通し、この分野に積極的に取り組んで来た。また、世界で最も精度が高いと言われている全大腸色素内視鏡観察によるサーベイランス内視鏡に対する、本邦で開発されたNBI (narrow band imaging)による全大腸内視鏡観察を用いたサーベイランス内視鏡の、全国多施設共同前向きランダム化比較試験を主導し、世界で初めてNBIの有用性を証明した。その成果は世界で大きく評価され、European Crohn's and Colitis Organizationでは日本人初の Best investigator-initiated study Abstract Award 2016を受賞し、米国消化器内視鏡学会ではPresidential Plenaryで講演を行った(DDW2016)。

 現在は国内のkey opinion leaderによる研究グループを組織し、UC関連腫瘍拡大内視鏡分類の新規開発を主導している。本学は国内有数のIBD専門施設として認知されており、IBDセンターで外科と内科が一体となって多数のIBD患者を診療し、IBD関連腫瘍の患者も紹介患者を含め、国内他施設に比べ多数で、本研究に適した環境と言える。今後、高精度のサーベイランス内視鏡普及に向けて、特殊光や分子イメージングを用いた特殊技能を要しない手法の開発が必要であり、産学一体の共同開発を行って参りたい。

他の研究に対する優位性は何か?

 全国多施設共同前向き研究により、NBIによるサーベランス内視鏡の有用性を証明するなど、内視鏡の検証・臨床研究に関して多くの経験がある。また、本学は、国内最大規模のIBDセンターを備えており、多数の患者数、高度な内視鏡技術、本分野での豊富な経験、国内主要専門医による研究組織を背景に、実施可能性の高い臨床研究が可能である。

どのような課題の解決に役立つか?

 高感度のサーベランス内視鏡の共同開発により、国内最多患者数の難病である炎症性腸疾患における致死的合併症である炎症関連発癌の早期発見に繋がり、救命が可能になる。

研究者情報

氏名 渡辺 憲治(ワタナベ  ケンジ) 
所属 兵庫医科大学 IBDセンター 兼務
専門分野 炎症性腸疾患の診断と治療 小腸内視鏡(カプセル内視鏡、バルーン内視鏡)
リンク 研究室HP
学内共同研究者 松山 知弘

企業との協業に何を期待するか?

新たな特殊光、分子イメージングによるサーベイランス内視鏡法の共同開発により、高度な技量を要さない高精度な手法を開発し、欧米の他、今後患者数大幅増加が見込まれるアジアにも拡げて行きたい。

本研究の問い合わせ先

兵庫医科大学 学務部 研究協力課
E-mail: chizai@hyo-med.ac.jp
Tel: 0798-45-6488

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