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腎機能を支配する自律神経系の作用機序の解明と神経を介した新たな腎疾患治療法の開発

情報更新日 2019年12月23日

シーズ情報

キーワード

慢性腎障害 自律神経 交感神経 腎神経 動物モデル 腎虚血/再灌流モデル 遺伝子導入 シュワン細胞

分野

腎・泌尿器

概要

体液浸透圧や血圧を調節する腎臓の機能は、ホルモンによる体液性調節の他に、自律神経系による調節系がある。腎機能を支える自律神経は主に交感神経であり、動脈収縮や傍糸球体装置でのホルモン分泌の制御を行う。一方で、腎虚血や心停止後の再灌流により腎組織が傷害されると、交感神経の機能亢進が起こり、尿細管のアポトーシスや組織線維化が進行するなどの傷害が増悪し、高血圧や腎機能低下などのさらなる症状悪化につながる。腎神経を切断することで、一時的にこれらの悪循環を改善することができることが知られているが、腎神経叢での交感神経と感覚神経の分別は困難であり、感覚神経も同時に切除するために、腎―中枢神経反射経路断絶による副作用も懸念されている。我々はこうした腎臓を支配する交感神経の活動をコントロールするために、腎交感神経の神経節を特定し、腎傷害にともなう交感神経の活動変移をモニタリングする方法の開発を目指している。これまでに、ラット生体において腎臓のおよそ25%領域を支配する神経節細胞への遺伝子導入を可能とするとともに、腎神経を直接刺激せずに虚血/再灌流を行う独自の方法を確立している。これらの成果に基づき、「腎神経をガイドする無髄シュワン細胞と神経終末の物理的な相互作用が、交感神経の活動に寄与する」という作業仮説に則り腎障害治療法の開発を継続しているが、治療標的候補分子がいくつか挙がりつつある。

何が新しいか?

  • ラット生体において腎臓のおよそ25%領域を支配する神経節細胞への遺伝子導入を可能とした
  • 腎神経を直接刺激せずに虚血/再灌流を行う独自の方法を確立した
  • 腎機能の神経支配に着目した腎障害治療標的候補分子がいくつか挙がりつつある

他の研究に対する優位性は何か?

腎交感神経支配、遺伝子導入法、疾患モデル動物に関する独自の成績に基づいた新規腎障害治療標的候補探索を行える

どのような課題の解決に役立つか?

腎臓病の初期には自覚症状が少なく治療開始が遅れることが多い。また、病気が進行してからでは治療が困難である。腎臓における初期障害の増悪因子である交感神経活動亢進を抑制することは、腎機能障害の軽減・緩和につながる。

研究者情報

氏名 八木 秀司(ヤギ ヒデシ)
所属 兵庫医科大学 解剖学細胞生物部門
専門分野 慢性腎障害 腎線維化 腎炎
リンク 研究室HP
学内共同研究者 前田 誠司

企業との協業に何を期待するか?

  • 腎障害治療標的候補分子の妥当性検証のためのツール化合物(低分子、抗体、核酸など)の提供
  • 妥当性が検証された標的分子を基盤とした治療薬創製

本研究の問い合わせ先

兵庫医科大学 学務部 研究協力課
E-mail: chizai@hyo-med.ac.jp
Tel: 0798-45-6488

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