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転写因子ChREBPの活性化阻害が示す抗肥満効果

情報更新日 2020年6月22日

シーズ情報

キーワード

抗肥満 生活習慣病 糖尿病 転写因子 ChREBP

分野

循環器

概要

 食生活や運動習慣の変化に伴って、肥満や糖尿病を含めたいわゆる生活習慣病は、先進国において近年増加の一途をたどり重大な問題となっている。過剰に摂取された糖質は速やかに単糖類に消化され解糖系を経て脂肪酸や中性脂肪に変換、蓄積される。糖質から脂肪酸合成経路には、多岐にわたる酵素群が関与しておりこれらの経路を担う酵素群は、翻訳後修飾や、ホルモン合成、分泌、栄養摂取などにより制御されている。

 転写因子ChREBP (carbohydrate response element binding protein) は解糖系の律速酵素のひとつであるL-PK (Liver-type Pyruvate Kinase) や脂質合成系のFAS (Fatty Acid Synthase)、ACC (Acetyl CoA Carboxylase) の転写を調節していることが報告されている。しかしながら、ChREBPには不明な点がまだまだ多く残されており、特にChREBP自体の調節メカニズムがよく分かっていないのが現状である。

 我々は、ChREBP欠損(KO)マウスの解析を行ったところ、KOマウスは高ショ糖食下で抗肥満効果(体重増加と血糖値増加の抑制)を発揮するという知見を得た。従って、ChREBPの活性化を阻害すれば、生活習慣病に伴う種々の病態を改善できる可能性があると予想される。ChREBPの活性化にはまず核内への移行が必須であるが、核移行のメカニズムには輸送タンパクであるimportinとの結合が不可欠である。我々は、ChREBPとimportinとの結合を阻害する化合物を取得し、ChREBPに結合することを確認した。現在、本化合物をツール化合物として、ChREBPの創薬標的としての妥当性検証を行っている。

何が新しいか?

ChREBPを創薬標的としていること、小腸において糖の吸収を抑制していること

他の研究に対する優位性は何か?

血糖値の異常、脂質異常の改善に加え、抗肥満薬としての効果が期待される

転写因子をターゲットとしているので、タンパク自体の発現量に影響しない(量的コントロールではない)

どのような課題の解決に役立つか?

ChREBPの転写活性化阻害剤(核内移行を阻害)は、抗肥満・血糖値改善・脂質異常の改善を示す、メタボリックシンドローム・2型 糖尿病の新たな治療薬となりうる

参考図表

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研究者情報

氏名 崎山 晴彦(サキヤマ  ハルヒコ)
所属 兵庫医科大学 生化学講座
専門分野 生化学
リンク 研究室HP

企業との協業に何を期待するか?

保有の化合物をツール化合物として、化合物スクリーニングで協業して欲しい

本研究の問い合わせ先

兵庫医科大学 学務部 研究協力課
E-mail: chizai@hyo-med.ac.jp
Tel: 0798-45-6488

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