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インターロイキン33遺伝子導入アトピー性皮膚炎モデル動物

情報更新日 2020年6月22日

シーズ情報

キーワード

アトピー性皮膚炎 アトピー性角結膜炎 IL-33 モデル動物 

分野

皮膚

概要

 アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis: AD)は我が国でも人口の10~20%にも達するアレルギー疾患です。ADの皮膚では、アレルギー炎症に関係するタンパクであるインターロイキン33(IL-33)が増えています。従来の自然発症のADモデルマウスは発症原因が不明でダニの寄生がないと皮膚炎の症状を発症できません。また、従来の遺伝子改変モデルでは、皮膚炎は生じても必ずしもヒトのADの病態に基づいたモデルではありませんでした。ADを克服するためには、ヒトのADの病態を適切に再現した動物モデルを作製して、その病態解析とこれに連なる治療薬創製研究に活用することが求められています。我々は、表皮でIL-33を多く産生する遺伝子組換えマウスを作製し、ADの皮膚症状を再現することができました。このモデルマウスでは、湿疹、かゆみの症状が明確で、ヒトADの特徴である皮膚の肥満細胞、好塩基球、好酸球の増加、2型自然リンパ球の活性化、血中IgEの増加を生じ、SPF(特定の病原体の無い清浄な飼育環境)で生後6~8週間に皮膚炎を100%自然発症し持続します。皮膚症状に対して、抗ヒスタミン薬の投与、ステロイド薬外用の効果が容易に観察できました。最近、皮膚の症状に続いてアトピー性角結膜炎(atopic keratoconjunctivitis: AKC)を自然発症することが明らかになりました。また、IL-33は好塩基球からIL-4を産生させることで、2型自然リンパ球を活性化させて皮膚炎を増悪させることも判明しました。

何が新しいか?

IL-33を皮膚で多く産生するヒトのAD、AKCの病態を適切に再現するモデルマウスであること

他の研究に対する優位性は何か?

ヒトのAD、AKCの病態を適切に再現するモデルマウスであること

自然発症のモデルマウスであり、安定した皮膚炎や眼症状をもとに、AD、AKCの治療薬の評価や開発 に役立つことが期待できること

どのような課題の解決に役立つか?

アトピー性皮膚炎、アトピー性角結膜炎の病態解明

創薬における薬物の治療効果の評価

他への応用・展開の可能性

外傷性脳損傷後の神経機能回復

関連する特許

  1. 特許名称:アトピー性皮膚炎モデル動物およびその用途
  2. 出願番号:特願2015-514858 (P2015-514858) 特許番号:特許第6362011号 (P6362011)
  3. 国際特許出願番号:PCT/JP2014/061931 国際公開番号:WO2014/178392

関連する論文

  1. IL-33-induced atopic dermatitis-like inflammation in mice is mediated by group 2 innate lymphoid cells in concert with basophils. Imai Y, Yasuda K, Nagai M, Kusakabe M, Kubo M, Nakanishi K, Yamanishi K. J Invest Dermatol 139, 2185-2194, 2019
  2. Expression of IL-33 in ocular surface epithelium induces atopic keratoconjunctivitis with activation of group 2 innate lymphoid cells in mice. Sci Rep. 7:10053, 2017, Imai Y, et al.
  3. Skin-specific expression of IL-33 activates group 2 innate lymphoid cells and elicits atopic dermatitis-like inflammation in mice. Proc Natl Acad Sci U S A. 110(34):13921-6, 2013,  Imai Y, et al.

参考図表

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研究者情報

氏名 今井 康友(イマイ  ヤストモ)
所属 兵庫医科大学 皮膚科学
専門分野 認定皮膚科専門医 認定アレルギー専門医
リンク 研究室HP
学内共同研究者 山西 清文

企業との協業に何を期待するか?

アトピー性皮膚炎、アトピー性角結膜炎の病態解明などの共同研究

新薬の創製、新しい診断技法の確立のための病態モデルとしてと活用

本研究の問い合わせ先

兵庫医科大学 学務部 研究協力課
E-mail: chizai@hyo-med.ac.jp
Tel: 0798-45-6488

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