神経伝導の新たなメカニズムの解明に基づく神経線維病変疾患治療法の開発
情報更新日 2020年1月7日
シーズ情報
キーワード
神経線維 活動電位 跳躍伝導 有髄神経 ランビエ絞輪 プレッシャークランプ パッチクランプ K2P TREK-1 TRAAK
分野
中枢 疼痛
概要
神経線維を電気が伝わるメカニズムは、生物学において根本的かつ非常に重要であり、これまではノーベル生理学・医学賞を受賞したアラン・ロイド・ホジキン博士が発見した神経の電気的興奮のメカニズムが定説とされてきた。しかし、われわれは、プレッシャークランプとパッチクランプを合わせた新たな手法を用いることにより、哺乳類の有髄神経のランビエ絞輪部ではこの定説と異なることを発見した。
すなわち、神経線維が電位依存性のカリウムチャネルに依存せず、「K2Pチャネル(two-pore型カリウムチャネル)」を使用して効率よく伝導していることを世界で初めて実証した。
何が新しいか?
- 哺乳類有髄神経における活動電位跳躍伝導はK2Pチャネルにより担われていることを発見した
- 哺乳類有髄神経上でホールセルパッチクランプ法を安定して行う技術を世界で初めて開発した
他の研究に対する優位性は何か?
独自の技術(in situ pressure-patch-clamp法)を用いて研究を行える
どのような課題の解決に役立つか?
これまで難治性とされてきたギラン・バレー症候群や多発性硬化症などの脱髄性疾患に対する新たな創薬
他への応用・展開の可能性
統合失調症など髄鞘脱落が指摘されている精神疾患の病態機序解明、創薬
研究者情報
氏名 | 神田 浩里(カンダ ヒロサト) |
---|---|
所属 | 兵庫医療大学 薬学部医療薬学科 |
専門分野 | 神経生理 |
リンク | 研究室HP |
学内共同研究者 | 戴 毅 |
企業との協業に何を期待するか?
- 神経伝達におけるK2Pの役割解明を基盤とした新規神経疾患治療薬創薬における協業
- 独自のパッチクランプ技術(in situ pressure-patch-clamp法)を用いた神経疾患病態機序解明 and/or 創薬標的探索における協業
本研究の問い合わせ先
兵庫医科大学 学務部 研究協力課
E-mail: chizai@hyo-med.ac.jp
Tel: 0798-45-6488