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麻酔下における侵害受容刺激反応レベルの監視

情報更新日 2020年6月22日

シーズ情報

キーワード

侵害受容刺激 疼痛 モニター 全身麻酔

分野

疼痛 医療機器

概要

 全身麻酔中の侵害受容刺激の強さ(所謂、全身麻酔中の手術による痛み)は、これまで麻酔科医が主観で評価して麻酔薬の投与量を調整していた。しかし本研究は、既存のモニター数値(心拍数HR、収縮期血圧SBP、血流指標BFI)を用いて侵害受容刺激の強さを数値化(nociceptive response: NR)し、客観的に評価する数式(1)を発明することに成功した。具体的な使用方法は以下のNR評価基準(表1)を参考にして全身麻酔中の鎮痛薬の投与を行う。実際の臨床現場におけるNRを示す(図1)。

 現在、本発明の臨床有用性を確認するため、NR値の変動と患者の病態や予後との関連性を調べている。

何が新しいか?

麻酔中の侵害受容刺激の強さを客観的に評価可能な数式を初めて見出したこと。
また、麻酔中の侵害受容刺激の強さを、算出された数値NRとして術中リアルタイム表示を可能としたこと。

他の研究に対する優位性は何か?

通常のモニター数値を用いるため、簡便にNR値を得ることや既存のモニターへの応用が可能であり、汎用性が非常に高い。

麻酔監視記録装置に蓄積されたビッグデータを用いて後方視的な評価も可能である。

どのような課題の解決に役立つか?

全身麻酔では、術後合併症の併発など患者のリスク軽減の課題がある。本発明は、麻酔科医が適切な量の麻酔を投与可能とし、これらのリスク低減に繋がることが期待できる。また手術中のNR値を抑制する麻酔管理により、術後の重篤な合併症の発症を軽減できる可能性がある。

他への応用・展開の可能性

”痛みレベル”を数値化することにより、集中治療を受けている患者の適切な鎮痛を行うことができる。

関連する論文

  1. Hirose M, Kobayashi Y, Nakamoto S, Ueki R, Kariya N, Tatara T. Development of a hemodynamic model using routine monitoring parameters for nociceptive responses evaluation during surgery under general anesthesia. Med Sci Monit 2018; 24: 3324-31.
  2. Miyawaki H, Ogata H, Nakamoto S, Kaneko T, Ueki R, Kariya N, Tatara T, Hirose M. Effects of thoracic paravertebral block on nociceptive levels after skin incision during video-assisted thoracoscopic surgery. Med Sci Monit 2019; 25: 3140-5. 
  3. Ogata H, Nakamoto S, Miyawaki H, Ueki R, Kariya N, Tatara T, Hirose M. Association between intraoperative nociception and postoperative complications in patients undergoing laparoscopic gastrointestinal surgery. J Clin Monit Comp 2019; doi: 10.1007/s10877
  4. Nakamoto S, Hirose M. Prediction of early C-reactive protein levels after non-cardiac surgery under general anesthesia. PLoS One 2019; 14: e0226032

参考図表

04_01.jpg

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研究者情報

氏名 廣瀬 宗孝(ヒロセ  ムネタカ)
所属 兵庫医科大学 麻酔科学・疼痛制御科学講座
専門分野 麻酔学 疼痛管理学
リンク 研究室HP

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E-mail: chizai@hyo-med.ac.jp
Tel: 0798-45-6488

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