受賞

「Society of Nuclear medicine and Molecular Imaging Best Poster Award」を受賞(放射線医学 准教授 北島 一宏)

 2017年6月10日から14日にかけて米・コロラド州デンバーで開催された第64回米国核医学分子イメージング学会(SNMMI)にて、放射線医学の北島 一宏准教授が Oncology, Clinical Diagnostic Track(腫瘍部門)で「Society of Nuclear medicine and Molecular Imaging Best Poster Award(最優秀ポスター賞)」を受賞しました。

授与団体名

米国核医学分子イメージング学会(SNMMI)

受賞演題

「Prognostic value of FDG-PET and DWI in breast cancer」

概要

 様々な癌の画像バイオマーカーとして、PETやMRI(拡散強調画像やMRSなど)が期待されているが、乳癌ではどのパラメーターが有用かを明らかにすることを本研究の目的とする。

研究の背景

 乳癌の画像バイオマーカーとして、PETやMRI(拡散強調画像やMRSなど)を個別に検討した研究は過去にいくつかあるが、同一患者において、両者を同時に比較検討した報告はほとんどない。当院では、当科(核医学PET診療部)と乳腺内分泌外科と放射線科が密接に連携して共同研究を行っており、治療前のほとんどの乳癌症例に対し、FDG-PET/CTとMRI(拡散強調画像やMRSを含む)施行している、大変恵まれた環境にあることを生かして、本研究を立案した。

研究手法と成果

 乳癌の術前にFDG-PET/CTとMRI(拡散強調画像を含む)73人を対象とし、原発巣のFDG-PETのパラメーター(SUVmax、SUVmean、MTV=集積している病変の体積、TLG=SUVmean×MTV)は、MRI拡散強調画像のパラメーター(ADCmean、ADCmin)と比較し、病理学的パラメーターと良好に相関し、DFS(disease free survival)とも良好に相関した。乳癌の画像バイオマーカーとして、MRI(拡散強調画像)よりもFDG-PETの方が優れていることを明らかにできた。

今後の課題

 今回は観察期間が短い為に、再発(DFS)を検討したが、今後は死亡(OS=overal survival)との相関を検討する研究が望まれる。また、本研究は単施設の後ろ向き研究であったが、将来的には多施設の前向き研究が期待される。