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本学学生の研究論文が世界的に歴史あるアメリカ解剖学会機関誌に掲載

医学部5年次の森下冴子さん・蔡佳穎(さいかえい)さんが筆頭著者として執筆した英語論文が、2018年10月8日、世界的に歴史あるアメリカ解剖学会機関誌「The Anatomical Record」に掲載されました。

森下さんと蔡さんは、2年次の「基礎系講座配属(研究者としての手ほどき)」という基礎医学の理解を深めることを目的とするカリキュラムで解剖学細胞生物部門に4週間配属され、八木教授の指導のもと研究を行いました。さらに、「基礎系講座配属」のカリキュラム終了後も授業の合間を縫い、4年次の夏頃まで継続して研究を行い今回の論文執筆に至りました。

研究テーマは、「大腿動脈の血管鞘におけるパチニ小体の組織分布」。主に皮膚に見られ振動を感知する機械受容器の1つであるパチニ小体が大腿動脈のどの位置に分布し、どれくらいの頻度で存在するのかを、解剖体より採取した大腿動脈を厚さ7µmの切片にし、染色・観察する作業を繰り返し、検討しました。その結果、大腿動脈の組織中にパチニ小体の存在を9個確認し、そのうちの7つが大腿動脈および静脈外側の共通接線に隣接して位置することを見出しました。

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5年次 蔡佳穎(さいかえい)さん(左)、5年次 森下冴子さん(右)と八木教授

研究背景

人間の手の真皮内に存在する振動を感知する機械受容器であるパチニ小体は、大血管の外膜を含む人体全体のさまざまな部位にも存在していることが知られていますが、動脈における正確な分布および機能は明らかにされていないことに着目し、本研究を始めました。

研究の手法

解剖体から大腿動脈を採取し、厚さ7µmの連続切片を作成。分析しやすいように組織染色を実施し、顕微鏡にて観察後、パチニ小体の頻度および、分布について検討しました。その後、免疫組織化学法を用い大腿動脈のパチニ小体の構造をレーザー顕微鏡等で観察し評価しました。
※兵庫医科大学倫理審査委員会(第2108号)の承認済み

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図1 大腿動脈周囲にあるパチニ小体の存在部位 
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図2 大腿動脈周囲にあるパチニ小体の拡大図

在学生&担当教員コメント

5年次 森下 冴子さん
基礎配属時から、少しずつ続けていたことがこのような成果になり本当に嬉しいです。
大変お忙しい中、研究の技術だけでなく、楽しさを教えてくださった解剖学講座の先生方には大変感謝しています。将来、医師になってからもリサーチマインドを大切にしていきます。

5年次 蔡佳穎(さいかえい)さん
今回の研究をとおして、医学をさらに興味深いものと感じることができました。将来、医師になる際に、この経験を是非活かしていきたいと思います。お世話をして頂いた先生方に感謝の意を申し上げます。ありがとうございました。

八木 秀司 教授(解剖学 細胞生物部門)
本研究は、分子生物学的な手法等を用いず、古典的な組織学的な手法を用いて行った研究です。医学部の忙しいカリキュラムにも関わらず、膨大な労力を伴う研究結果を論文として形に残す成果を成し遂げた2名の学生の努力に感謝しています。今後、卒業してからも研究に携わってもらえる契機となることを期待しています。
このように基礎配属の研究テーマからでも学会発表や論文発表につながる成果を得ることが出来るので、研究に興味のある1年次生や2年次生の学生さんも研究室を尋ねてください。

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論題

Distribution of Pacini‐Like Lamellar Corpuscles in the Vascular Sheath of the Femoral Artery

著者

森下冴子(兵庫医科大学 医学部5年次)、蔡佳穎(さいかえい)(兵庫医科大学 医学部5年次)、前田誠司(兵庫医科大学 解剖学 細胞生物部門 准教授)、大谷佐知(兵庫医科大学 解剖学 細胞生物部門 助教)、湊 雄介(兵庫医科大学 解剖学 細胞生物部門 助教)、八木 秀司(兵庫医科大学 解剖学 細胞生物部門 教授)

掲載紙

The Anatomical Record」(8 Oct,2018)

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