医学部医学科
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兵庫医科大学医学会

神経眼科治療学

講座(部署)紹介

当該研究室は平成28年4月より寄附講座「神経眼科治療学講座」として開設された。講座は三村 治特任教授、木村 亜紀子准教授(兼任)、石川 裕人講師(兼任)より構成されている。研究の主体をなすものは神経眼科疾患の病態の解明とそれに基づいた治療法の開発と確立である。

研究の現状

概要

神経眼科疾患は主に視神経疾患、眼位・眼球運動障害、眼瞼疾患よりなる。このうち視神経疾患では視神経炎(抗AQP-4抗体陽性視神経炎、脱髄性視神経炎を含む)および遺伝性視神経症を、眼位・眼球運動障害では麻痺性斜視および中枢性眼球運動障害を、眼瞼疾患では本態性眼瞼痙攣および眼筋型重症筋無力症を対象とした病態の解明と治療法の開発・確立を目指している。



主題
  1. 視神経疾患の治療:
    難治性視神経炎に対する免疫グロブリン大量静注療法、Leber遺伝性視神経症へのイデベノン大量内服療法の2つの治験を終了し、現在優性遺伝性視神経症に対するイデベノン内服の治験を行っている。さらにステロイド依存性で漸減すると再発する難治性の慢性再発性炎症性視神経症に対する免疫抑制療法を開始した。また、視神経鞘髄膜腫などの視神経を圧迫する腫瘍に対しては強度変調放射線照射を行い、全例で視力・視野が回復した。
  2. 眼位・眼球運動障害の治療:
    すでに斜視および麻痺性斜視の手術件数では数年来全国一であるが、さらに核上性眼球運動障害の眼振や注視麻痺に対しても、A型ボツリヌス毒素(BTX-A)注射併用外眼筋手術を行っている。またスマートフォンの頻用による急性内斜視や輻湊痙攣、さらに斜視角の安定していない甲状腺眼症による斜視に対して積極的にBTX-A注射単独療法を行っている。斜視に対するBTX-A注射は全国の実施症例の約1/3を占める。
  3. 眼瞼・眼窩疾患の治療:
    眼瞼痙攣に対するBTX-A注射ではすでに全国2位の治療実績をあげている。その中で効果不十分例・難治例には炭酸ガスレーザーを用いた眼瞼手術を行い、注射を忌避する軽症者に対してはクラッチ眼鏡処方や遮光レンズの貸与を行っている。また現在外来通院中の170名余の眼筋型重症筋無力症患者に対しては、免疫抑制薬タクロリムスの投与と眼瞼あるいは斜視手術の併用で日常生活の満足度の向上を目指している。甲状腺眼症では全身および局所のステロイド投与を中心に、眼窩放射線照射、眼窩減圧術まで他科の協力を得て行っている。


自己評価・点検及び将来の展望

すでに難治性視神経症、麻痺性斜視や眼振、眼球運動障害患者については、全国の大学病院などから多数の患者の紹介を受けており、その成果についても高い評価を受けている。麻痺性斜視の手術での正面視での複視消失率および眼瞼痙攣患者の反復注射率は80%を超えており、さらに眼筋型重症筋無力症ではステロイド隔日朝1回投与とタクロリムスを併用内服することで、満足度の高い患者の占める比率が増加している。なお2019年3月で神経眼科治療学講座自体は満了するが、引き続き兵庫医科大学病院眼科において木村亜紀子准教授を中心とした神経眼科診療チームが継続して診療にあたる予定である。




三村 治 特任教授
責任者| 三村 治(特任教授)
准教授| 木村 亜紀子(兼任)
講師| 石川 裕人(兼任)

兵庫医科大学 〒663-8501 兵庫県西宮市武庫川町1番1号 TEL:0798-45-6111 (代)

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