医学部医学科
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兵庫医科大学医学会

IBDセンター

講座(部門)紹介

炎症性腸疾患は、原因不明の難治性疾患が多く、代表的な疾患として潰瘍性大腸炎(UC)とクローン病(CD)がある。両疾患とも厚生労働省の特定疾患(いわゆる難病)指定を受けており、これらの疾患の診断や治療に難渋することもしばしば経験する。また、生活習慣の欧米化に伴い、日本でも患者数の増加が著しく、UCは20万人、CDは4万人前後と推定されている。

兵庫医科大学は、IBDの専門病院として約20年前から内科も外科も専門医が在籍し診療にあたっており、2009年にIBDセンターを設立した。内科、外科の専門医による毎日の外来診療に加え、貴重な臨床症例を基盤とした臨床研究を独自に行っている。また、厚生労働省の「難治性炎症性腸管生涯に関する調査研究班」において、他施設共同研究への参加、炎症性腸疾患ガイドラインの作成などにも関与している。

<取り扱う疾患>
UC、CD、腸管型ベーチェット病/単純性潰瘍、非特異性多発性小腸潰瘍症、感染性腸炎、腸結核、虚血性腸炎、放射線性腸炎、薬剤性腸炎、小腸出血、MEFV関連腸炎

研究の現状

概要

UCやCDの病態解明並びに診療に関するものを中心に研究を行っている。現在は下記に示すようなテーマを設け、病態の解明、診断法や新規バイオマーカーの確立、最適化された治療の選択を通じ、IBD患者の生活の質の向上、予後の改善を目指している。臨床研究、基礎研究のいずれにおいても、他の診療科とも連携し、より高度な研究体制を目指している。

主題

  1. IBDの疾患感受性遺伝子の機能解析と発症に至る分子メカニズムの解明及びそれを標的とした新規治療法の開発
  2. 炎症性腸疾患患者におけるチオプリン関連副作用とNUDT15遺伝子多型との相関性に関する多施設共同研究(MENDEL Study)
  3. 潰瘍性大腸炎患者を対象とした便中カルプロテクチン値によるリアルダ錠用量コントロールの有効性に関する探索的臨床試験
  4. 腸管型ベーチェット病におけるアダリムマブとステロイドの前向き無作為化比較試験研究(Castle Study)
  5. クローン病粘膜病変に対するバルーン小腸内視鏡とMR enterographyの比較試験:国内多施設共同無作為前向きランダム化比較試験 (Progress Study 2)
  6. 炎症性腸疾患におけるDual Red Imagingによる内視鏡観察の有用性の検討
  7. ステロイドナイーブ活動期潰瘍性大腸炎患者に対するGMAの有効性の検討(多施設共同研究)
  8. インフリキシマブ治療によって寛解維持された潰瘍性大腸炎患者に対するインフリキシマブ治療の中止及び継続群の寛解維持率比較試験(多施設共同試験)
  9. 家族性地中海熱遺伝子関連腸炎の診断法確立
  10. 難治性潰瘍性大腸炎患者におけるインフリキシマブ効果減弱例の臨床的検討
  11. Infliximab 二次無効クローン病および効果不十分潰瘍性大腸炎に対する顆粒球/単球吸着療法併用の予備的検討(PAdLI 試験)(多施設共同研究)
  12. 病変拡大した潰瘍性大腸炎症例の臨床的特徴の検討
  13. 当院における炎症性腸疾患患者の妊娠・出産に関する臨床的検討
  14. 炎症性腸疾患におけるバイオマーカーの探索-Adalimumab治療におけるLRGの有用性の検討
  15. 高齢者中等症潰瘍性大腸炎における前向き観察型プレドニゾロン (PSL) vs 血球成分除去療法 (CAP)比較試験
  16. クローン病におけるUstekinumabの有用性と関連因子の検討
  17. 生薬青黛使用歴のある潰瘍性大腸炎患者の有害事象に関する多施設実態調査
  18. 軽症から中等小の潰瘍性大腸炎患者を対象とした5-ASA経口製剤の長期使用時の有効性および安全性に関する観察研究(Cathedral試験)
  19. 潰瘍性大腸炎の周術期成績の向上
  20. 難治性回腸嚢炎に対する治療法の確立
  21. 潰瘍性大腸炎術後に生じる上部消化管病変の現状調査
  22. クローン病の直腸肛門病変に対するサーベイランス法の確立
  23. 炎症性腸疾患とsurgical site infection(SSI)

自己評価・点検及び将来の展望

IBD(UC・CD)について、上記の主題を対象として、それぞれの臨床病態の解析を行ってきた。その結果については、論文、学会、研究会にて随時報告を行っている。臨床面では、当科には数多くのIBD患者が集まっており、社会的な期待は大きい。その期待に応えるためには、診療、研究だけでなく、若手医師への教育の充実も重要な課題であり、様々なプログラムを実践中である。目の前の患者の利益に直結するような臨床技術の向上や教育、そして将来の患者の利益につながる基礎研究を車の両輪として社会に貢献する診療科でありたい。

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池内 浩基 主任教授
センター長| 池内 浩基
(主任教授)
准教授| 渡邊 憲治、内野 基
TEL| 0798-45-6663(内科)、0798-45-6372(外科)
FAX| 0798-45-6790(内科)、0798-45-6373(外科)

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