GREETINGS FROM PROFESSOR 教授ご挨拶

糖尿病・内分泌・代謝内科 診療部長 小山 英則 (こやま ひでのり)


糖尿病内分泌・免疫内科学講座(Department of Diabetes, Endocrinology and Clinical Immunology)は2020年4月1日付けで、内科学講座再編に伴い新講座としてスタートをきりました。従来、兵庫医科大学の内科は内科学講座(Department of Internal Medicine)のもと、多数の診療科が存在する講座制をとっていました。2019年8月に、内科学講座のもと糖尿病・内分泌・代謝科、リウマチ・膠原病科が糖尿病内分泌・免疫内科(Department of Internal Medicine, Division of Diabetes, Endocrinology and Clinical Immunology)として正式に統合し、今年度から糖尿病内分泌・免疫内科学講座として、5つの内科系講座の一翼を担うことになりました。診療部門は糖尿病・内分泌・代謝内科とアレルギー・リウマ内科を担っており、それぞれきわめて専門性の高い医療を推進しています。このような大きな流れのもと、同門会も本年度から合流し、新たに糖尿病内分泌・免疫内科学同門会としてスタートしました。

兵庫医科大学の内科学講座は、2000年以降に大講座から複数の専門科が独立し、専門領域の教育・研究・診療のレベルを向上してきました。具体的には内科学第二講座から糖尿病科、内科学第三講座から内分泌・代謝科(山本徹也名誉教授)、内科学第二と第三講座から独立統合しリウマチ・膠原病科が誕生しています。これらの高度な専門領域を担当する専門医学者育成という大きな目標は、各科の発展から明らかです。一方、このような兵庫医大の特徴・優位性を維持しながらも、内科学としての広範囲に対応できる医師・医学者を教育する必要性から、2013年以降順次再統合が実施されてきました。糖尿病・内分泌・代謝内科グループ(2013年に統合)と免疫内科グループは、それぞれ個別の臓器だけでなく、全身管理を必要とし、最もジェネラリストたる内科医にも近い働きが求められます。診療だけでなく教育・研究においても連携を強化しながら、高度な専門性だけでなく、広く内科全般を理解した若手医師・医学者を輩出することを目標に、講座として益々の発展を期しています。それぞれのグループの特徴を最大限に生かし、また統合によるシナジー効果も最大限に活用しながら、教育・研究・診療でスタッフ一同努力しています。

小山 英則
写真:小山教授

アレルギー・リウマチ内科 診療部長 東 直人 (あずま なおと)


免疫内科グループは、旧内科学第二講座と旧内科学第三講座の免疫グループにルーツがあります。2002年、2つのグループの統合により「リウマチ・膠原病科」が誕生し、現在の免疫内科グループに至ります。我々は、リウマチ・膠原病などの全身性自己免疫疾患とアレルギー疾患を専門としています。2019年からは診療内容の専門性を分かりやすくするため、病院内での診療科名を「アレルギー・リウマチ内科」としています。

リウマチ・膠原病・アレルギー領域は、生物学的製剤やJanus kinase (JAK) 阻害薬といった分子標的治療薬の登場に代表されるように、目覚ましいスピードで進歩しています。「分からなかったことが分かる」ようになり、「出来なかったことが出来る」ようになって来ています。私自身、この進歩を目の当たりにしてきましたが、驚きとともに、すごく魅力的な診療領域であると確信しています。

兵庫医科大学病院は、兵庫県アレルギー疾患医療拠点病院および兵庫県難病診療連携拠点病院であり、その一翼を担う我々は関連病院や地域の医療機関と力を合わせ、リウマチ・膠原病・アレルギー診療を行います。当科の特徴として、阪神間のみならず近畿地方全域から患者さんが受診されていますが、広い診療圏からの期待にも応えることができるよう努めます。また、2019年に統合した糖尿病・内分泌・代謝内科とは、異なる専門性の連携が足し算ではなく掛け算になる有機的な融合を果たすことが期待できます。これは診療・教育・研究のいずれにおいても言えることです。学内外の他の部門・診療科との連携においても同様であり、高度な専門性を有する大学・大学病院ならではの持ち味と言えるでしょう。

佐野統教授、松井聖教授が築かれた良き伝統を継承し、世界基準の診療、次世代を担う人材の育成、そして当科ならではの研究を推進していきます。

東 直人
写真:松井教授