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兵庫医科大学 医学部 公衆衛生学

そら(SORA)プロジェクト大気汚染の健康影響に関する調査(環境省

自動車のおかげで、私たちの生活は便利になりましたが、その反面、自動車の排出ガスが大気汚染をもたらすという問題もあります。そのため、排出ガス規制や燃料をきれいにするなどの対策がとられてきています。しかし、排出ガスが多い空気にどの程度さらされると健康に害があるのかという詳しいことはわかっていません。

そのため、環境省では、2005年度から5年間にわたって『そら(SORA)プロジェクト』を実施し、自動車やトラックの排出ガスによる呼吸器への影響を調べました。このプロジェクトでは、関東、中京、関西の3大都市圏で、以下の3つの大規模な疫学調査が行われ、その結果は20115月に公表されました。

当教室は、このプロジェクトの関西地区における調査を担当し、結果のとりまとめにおいても大きな役割を果たしました。

 学童コホート調査

 2005年度から、関東・中京・関西の大都市圏(11市区)において約16千人の小学生にご協力をお願いして、5年間の継続調査(学童コホート調査)を実施し、その間の健康状態の変化(特に、気管支ぜん息の発症)と自動車排出ガスへの曝露の程度との関係を調べました。
 関西地区では、国道43号線(大阪府〜兵庫県)及び大阪中央環状道路(大阪府)周辺に居住されている小学生(約7000人)のみなさんにご協力をお願いしました。

 幼児調査

 2006年度から、関東・中京・関西の大都市圏(9市区)において16か月児(約10万人)を対象とした健康調査にご協力をお願いし、3歳になったときにも呼吸器症状を中心とした健康調査を行いました。このうち、一部のお子さまには、生活環境をお尋ねするインタビュー調査とアレルギーに関する血液検査等にもご協力いただきました。
 関西地区では、大阪市、神戸市の一部地域で実施しました。

 成人調査

  2007年に、関東・中京・関西の大都市圏(9市区)の4075歳の成人(20数万人)を対象に、健康状態等の調査を行い、気管支ぜん息と自動車排出ガスへの曝露の程度との関係を調べました。一部の方には肺機能検査を実施し、慢性閉塞性肺疾患(COPD)と自動車排出ガスへの曝露の程度との関係についても調べました。
 関西地区では、大阪市、尼崎市、西宮市、芦屋市、神戸市で国道43号線周辺に居住されている方に調査へのご協力をお願いしました。

結果の一部は神戸新聞等でも紹介されました
 詳細は、環境省の
そらプロジェクトのホームページをご覧ください。今回の調査で得られた結果は、今後さまざまな環境対策を進める上での貴重な資料として活用されます。
 多数の住民の皆様のご協力をいただきましたことに厚くお礼申し上げます。

そらプロジェクトの「そら(SORA)」は Study On Respiratory disease and Automobile exhaust
(自動車排出ガスと呼吸器疾患との関連についての研究)の頭文字をとったものです。

       
 そらプロジェクトHP(環境省)http://www.env.go.jp/chemi/sora/