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兵庫医科大学 医学部 公衆衛生学

教 育 活 動

本学における公衆衛生学教育は医学部4年生を対象に『医学・医療と社会』の講義を行うとともに、公衆衛生学の実地研修の重要性を踏まえて、5年生を対象に臨床実習として、保健所、介護老人保健施設などの学外における実習を実施している。

 講 義
医学部4年にて『医学・医療と社会』を担当している。教育目標として、以下の能力を習得することを掲げている。 
  1. 少子高齢化社会における社会環境および疾病構造の変化を理解し、保健・医療・福祉・介護に求められている課題を認識する。
  2. 健康から健康障害(疾病)、さらには回復後までの疾病の自然史を理解し、健康事象を公衆衛生学的にとらえて問題解決を図る理論と技術を習得する。
  3. 人の健康に影響を与える環境要因について認識し、健康を保持増進するためには個人的および組織的な予防医学的活動が必要であることを理解する。
  4. 保健・医療・福祉・介護活動が多くの関係者のチームワークによって可能となっていることを理解し、そのリーダーシップをとって包括的医療を行うことができる能力を習得する。
  5. 日本および国際的な保健医療サービスの組織や機構について理解する。
こうした教育を通じて、地域社会で保健・福祉・介護と医療の連携を重視し実践できる医師の養成を目指している。
 臨床実習

 医師として社会で活躍する際に必要な広い視野と総合的判断力を身につけることを目的として、医学教育の中で公衆衛生学の臨床実習を実施している。これは他大学ではみられないユニークな実習である。
 実習に際しては学外の医療・保健・福祉関係施設にもご指導をいただいており、学生が地域社会との連携を実地に学ぶという点でも有意義である。
 平成19年度から内科・外科に診療参加型臨床実習(クリニカルクラークシップ)が導入された関係で、公衆衛生学が担当する時間は大きく制約されることになった。平成23年度の実習内容は、以下の通りである。
保健所実習(西宮市保健所)
   住民の健康保持に関する各種施策や将来地域医療に従事する医師の役割・義務について学ぶ。
精神保健実習(ハートフルクラブ作業所)
   精神障害者の作業所での体験学習を行い、精神障害者の社会復帰のあり方について学ぶ。
介護老人保健施設実習(コスモス苑)
   入所および通所している高齢者や施設スタッフと接することにより、高齢化社会における老人医療・保健・介護に  ついて理解する。
産業保健・疫学演習及び総括(学内講義室)
   事例を通して労働者の作業環境管理、作業管理、健康管理に対する産業医の任務、地域保健医療における医師の役  割、生活習慣病の現状とそれに対する一次予防の意義について学び討議する。

【参考】平成18年度までは、これらの他に下記の実習を実施していました。ご指導をいただきました皆様に改めて深謝いたします。なお、終末期医療実習は現在も外科臨床実習の一部として引続き実施されています。
公衆衛生情報のIT活用実習(学内情報処理室)
  ネットワーク上のパソコンを利用し大量のデータの処理について実習する。
死体検案・検死実習(神戸大学医学部死因調査室)
  検死に立ち会い、死体検案の知識と技術を学ぶ。
環境衛生測定実習(公衆衛生学実験室)
  騒音、粉塵、水質などの環境測定を行い、データ処理及びそれらの対策法を習得する。
終末期医療実習(神戸アドベンチスト病院)
  緩和ケア病棟において指導医より末期医療における対応について、患者さんとの接触を通して医療の本質を学ぶ。
健康増進対策実習(市民福祉スポーツセンター)
  健康増進活動を体験することにより、生活習慣病に対する一次予防の意義を理解する。