全国に先駆けて、2006年2月に新設され、各種感染症の診療支援、および院内での感染症伝播防止対策を行っています。感染制御は、医師、看護師、薬剤師、検査技師と多職種で活動しており、各職種の専門性は高く、チーム医療における代表的な部門の一つにあげられます。
微生物アウトブレイク発生時の対応も必要ですが、それを未然に防ぐ日常の活動がより重要になっています。とくに抗菌薬適正使用支援(antimicrobial stewardship)に関しては全国のモデルとなっています。また地域ネットワークを構築し、地域レベルでの感染対策にも力を注いでいます。
- 業務内容
- 抗菌薬適正使用の推進
- 感染経路別予防策の指示
- 医療環境整備
- 感染症サーベイランス
- 接触者検診(インフルエンザ、ノロウイルス、結核など)
- 院内ラウンド
- 抗菌薬適正使用支援ラウンド:毎日行っており、ICU朝1時間、一般病棟2~3時間かけて抗菌薬適正使用支援(指定抗菌薬処方後の評価とフィードバック、コンサルテーション対応、血液培養陽性例や耐性菌検出時など)を行っています。年間症例数は約1000症例、延べ回診回数は8000~9000回と、1症例あたり約8回、治癒するまでラウンドを実施します。
- 感染管理ラウンド:経路別予防策を必要とする微生物検出時および、過去に耐性菌が検出された保菌患者さんの再入院時に、ICNが病棟での感染対策を指示します。年間約800件。
- 環境ラウンド:環境整備、物品消毒・滅菌管理などのチェックを行います。病棟並びに中央部門を対象とし、週2回、複数職種で行っています。
MRSA検出率の年次推移
年 |
2007 |
2008 |
2009 |
2010 |
2011 |
2012 |
2013 |
2014 |
2015 |
2016 |
2017 |
2018 |
2019 |
2020 |
月平均 |
感染 |
16.1 |
17.0 |
15.2 |
15.5 |
13.3 |
14.5 |
9.3 |
8.7 |
7.8 |
6.2 |
5.3 |
4.2 |
4.9 |
6.3 |
検出 |
29.5 |
35.5 |
31.7 |
30.8 |
26.3 |
29.8 |
20.3 |
20.3 |
19.9 |
15.3 |
11.3 |
16.0 |
15.3 |
14.6 |
耐性緑膿菌検出率の年次推移
耐性緑膿菌 |
2006 |
2007 |
2008 |
2009 |
2010 |
2011 |
2012 |
2013 |
2014 |
2015 |
2016 |
2017 |
2018 |
2019 |
2020 |
≥2クラス抗菌薬耐性(件/月) |
6.8 |
2.1 |
1.9 |
4.2 |
5.9 |
4.5 |
2.9 |
3.0 |
5.5 |
1.6 |
1.2 |
1.0 |
1.8 |
1.6 |
2.2 |
多剤耐性(件/月) |
1.3 |
0.2 |
0.3 |
0.5 |
0.4 |
1.0 |
0.3 |
0.1 |
0.6 |
0.3 |
0.1 |
0 |
0.1 |
0.3 |
0.3 |