募集案内 | 留学便り

留学短報 Part.5

原 謙    Queen Mary University of London 留学中

私は、平成29年10月より英国ロンドンにある Queen Mary University of London に留学させていただいております。研究室名は Wingate Institute で、三輪教授のご紹介により、 Prof. Daniel Sifrim のもと、臨床研究に携わっております。
Prof. Daniel Sifrim は、世界で初めて食道に対し Impedance を測定した人であり、その後も盛んに GERD 関連疾患において基礎・臨床研究を展開しています。


現在私は、 HRM, MII-PH の解析を行いながら新しい臨床研究を模索しております。
こちらでは原因不明の腹痛や下痢、また FD, IBS といった患者さんに対して 24時間 Impedance-combined high-resolution manometry を行っております。これまで小腸については Impedance を用い臨床的に消化管内の flow や粘膜障害を検討した報告はなく、腹部症状との関連について何らかの新しい知見を得るべく、fellow と共にデータを蓄積し、解析しております。毎週に行われる Research meeting では、 fellow による研究の進捗状況の報告や、ディスカッションがなされております。
行われている研究の主な内容としましては、小腸の他、食道 Impedance 関連、食道粘膜(びらん性 GERD, NERD, Barrett食道) の integrity についての検討、また食道運動と Gastric emptying の関連についての検討など様々です。
研究のほか臨床については、研究所と隣接している The Royal London Hospital, GI physiology unit で日々の仕事に従事しており、こちらで食道 Manometry, Impedance を約20~30人/週のペースで行っております。私は、主にその解析とレポート作成を行っております。また毎週金曜日に行われるカンファレンスでは、個々に作成したレポートに基づいてディスカッションがなされ、今後の治療方針が決定します。 Prof. Daniel Sifrim は Impedance や Manometry の分野において、マニアであり、その波形からどういった現象が消化管内で起こっているのかを具現化する工程を踏みながら詳しく説明してくださり、非常に勉強になります。

ロンドンでの生活ですが、私は中心部から少し離れたロンドン西部の Ealing という地域に住んでいます。ロンドンといえば、大英博物館等の歴史的な建造物のほか、古くから地下鉄・バスが発達し、交通網が非常に充実しており、ロンドン市内の移動であれば車は不要です。食事に関しては、イギリスの料理はおいしくないという前評判でしたが、ロンドンはもともと移民が多いため、ヨーロッパ、アジアを含む多国籍料理が多く、あまり安すぎるものでなければ基本的には問題はないように思います。しかし、基本的に物価が高いため、外食はできるだけ避け、昼食も弁当持参で過ごしております。それでも、どうしても日本食が恋しくなる時は、家の近所にある日本食スーパーで高価な食材を買い込み日本食を作り、日本を思い出しています。
イギリスに来てまだ1か月しかたっておりません。まだまだセットアップ段階で、右も左もわからず不安な事が多いですが、何をおいても一番良かったのは、家族がこちらの生活に馴染んでくれ、また家族の絆が深まった事です。
言葉の壁や文化の違いもすべて承知の上でこちらに来たつもりではありますが、特に仕事面においては試行錯誤の連続であり、時にまともにディスカッションに参加できず戸惑うことも多々ございます。しかし、これらも日本では得難い貴重な経験であると受け入れ、楽しかったと胸を張って帰れるように、今後も精進していきたいと思います。

最後になりますが、この留学の機会を与えてくださり、準備段階からご尽力いただいた三輪教授および消化管内科の先生方、スタッフの方にお礼を申し上げて私の近況報告とさせて頂きたいと思います。
また当消化管内科ではこの様に希望があれば留学は可能です。留学に興味がある方はいつでも医局長を通してご連絡ください。末筆ながら皆々様の益々のご健勝を心よりお祈りいたしております。

2017年11月


留学短報 Part.4

山崎 尊久    Case Western Reserve University 留学中

あっという間に渡米から1年が経過し、紅葉が美しい2度目の秋をクリーブランドで迎えています。
当初は1年間の予定であった留学も延長することとなり、もう一度厳しい冬を迎えることとなりました。

今回はこちらでの研究・生活について書きたいと思います。


ここでは、主に食道の知覚・運動に関する臨床研究を行っており、データ収集、統計解析、論文作成に1日の大半を費やすことが出来ています。
食道運動障害診断のための検査 (食道内圧検査、24時間食道インピーダンス検査など)は、特別な資格を取得した看護師が行い、結果の解析、治療方針の相談、そして被験者の登録などを一緒に行っています。
また、週に1度はR.Fass教授の外来診療につき、研修医の頃に戻った様な気持ちで外来を見学しています。日本とは異なり、患者さんが待つ個室に医師が入っていき問診・診察を行っています。また患者さんは自分のカルテや検査結果をネットで閲覧することができ、他病院ともその情報が共有されています。さらに患者さんは直接医師にメールで症状の相談や外来の予約などの連絡を取れるという日本では考えられないシステムが整っています。しかし、日本の様な国民皆保険制度ではないため、個々の患者さん毎に医療保険によってカバーされる薬が異なり、治療に最適な薬が思うように処方できないという問題もあります。

実際に世界のトップリーダーの先生のもとで診断から検査、治療を行うだけでなく、論文にも積極的に投稿していく環境に身を置くことができ非常に良い刺激をもらっています。残りの時間も日々精進していきたいと思います。

2017年11月


留学短報 Part.3

山崎 尊久    Case Western Reserve University 留学中

私は、2016年10月より米国オハイオ州クリーブランドのCase Western Reserve Universityへ留学致しました。クリーブランドは五大湖の1つであるエリー湖の湖畔にあり、シカゴまで車で約6時間、ニューヨークやワシントンまでは約9時間の所に位置しています。
世界的に有名なクリーブランド・クリニックやクリーブランド管弦楽団などがあり、研究学園都市の特色がある一方で、メジャーリーグのインディアンズやプロバスケットボールチームのキャバリアーズ(キャブス)の本拠地であるなど、プロスポーツも盛んな都市でもあります。
今年の6月に、キャブスが52年ぶりに優勝しクリーブランドは歓喜に沸きました。そして連覇を目指すNBA新シーズン開幕戦の日である10月27日は、インディアンズがワールドシリーズチャンピオンを目指す第1戦と同じ日であり、しかもホームのクリーブランドでは初めてのことで大変盛り上がりました。

勤務先のMetroHealth Medical CenterはCase Western Reserve Universityの付属病院であり、クリーブランドのダウンタウンにあります。私は三輪教授にご紹介頂き、Gastroenterology & Hepatology部門のDirectorであるRonnie Fass教授のもと消化管の臨床研究に携わっております。現時点ではまだセットアップ段階であり、運転免許証、銀行口座開設、車の購入、ガス・電気・水道の契約、ソーシャルセキュリティーナンバーの取得など、今しか味わえない苦労をしています。
言葉の壁はもちろんありますが、同僚やStaffの方たちはみなさん優しく、充実した生活を送ることができています。しかし同年代の様々な人種の積極的な姿勢や高いモチベーションに自分の未熟さを日々痛感しています。

アメリカで学べることを精一杯吸収して、帰国した際には少しでも皆様に恩返しができるよう精進したいと思います。海外留学にはタイミングは重要ですし、周りのさまざまなサポートが必要です。 実際にここに至るまで、想像以上に大変なこともありましたが、もし少しでも興味があれば一歩を踏み出す価値はあると思います。ご質問やご意見等ございましたら医局長を通してでもいつでもご連絡ください。末筆ながら皆様の益々のご活躍をお祈り申し上げます。

2016年10月


留学短報 Part.2

近藤 隆    ジョンズ・ホプキンス大学 留学中

この冬はナイアガラの滝も凍るほどの大寒波が吹き荒れたアメリカですが、ジョンズ・ホプキンス大学のあるここボルチモアも例外ではなく、朝の外気温がマイナス15°Cとなるなど、関西と比べるととても厳しい冬となりました。
今ではそのような冬も通り過ぎ、ボルチモア近郊のワシントンD.C.では日本に遅ればせながら桜が満開となり、久しぶりに日本を感じさせてくれています。

さて今回はジョンズ・ホプキンスでの研究について少し述べさせてもらいます。

ここで私は主にマウスを用いた動物実験をしており、消化管知覚過敏モデルを作製することで、神経における可塑性変化を探る研究を進めています。ここのラボでは他にGastroparesisの病態解明、消化管神経幹細胞の研究、消化管神経の3Dイメージングの構築、さらに他の多彩なラボとの共同研究など、この分野での最先端の研究とその成果を間近に観察することができます。
さらに著明な研究者による講演やセミナーが構内で数多く開催されており、この研究領域の現状と臨床応用についても最新の知見に触れることができます。

知覚神経の異常をベースとした疾患は今後ますます増加することが予想されていますが、いまだその病態生理に関しては未解明な部分が多く残っています。このラボでは基礎的な研究でありながらも,比較的臨床に近いトランスレーショナルなリサーチが特徴であり、自身の臨床経験と照らし合わすことで、今後更なる研究発展に繋げることを目指しております。

2014年4月


留学短報 Part.1

近藤 隆    ジョンズ・ホプキンス大学 留学中

はじめに三輪教授をはじめ医局の先生方や秘書の皆様、並びに大学学務課の皆様には出国前に多大なご支援賜りましたことをこの場をお借りして厚く感謝申し上げます。

私は,2013年10月よりアメリカ,メリーランド州ボルチモアにあるジョンズ・ホプキンス大学に留学する機会をいただき,研究生活を送りはや2ヶ月が経とうとしております。ジョンズ・ホプキンス大学は,ボルチモアの実業家ジョンズ・ホプキンスの遺産を基に1876年に世界初の研究大学院大学として設立されたアメリカでは歴史ある大学の一つです。特に医療分野で有名であり,附属病院は全米ランキング1位を21年連続で獲得するという快挙を成し遂げております。
私は三輪教授に紹介いただき,GastroenterologyとNeurogastroenterology部門のDirectorであるPasricha教授のもと神経消化器病の基礎研究に携わっております。ここのラボでは特にIBSやFDなどの機能性胃腸疾患,もしくは慢性膵炎の内臓痛に関し,主に動物実験モデルを使用した研究を盛んに行っており,内臓知覚異常分子メカニズムの基礎研究においては世界トップレベルと言えると思います。
私はまだ渡米して間もなく生活のセットアップも完了していない段階ですが、新たな実験技術と知識を習得すべく,また日本に帰国後も継続可能な実験を常に模索しながら,勉強の日々を送っております。
月並みですが,異国のトップレベルの研究所で様々な国から集まってきた研究者と研究を共にすることで,最先端の知識や技術だけでなく,数多くの刺激を受けることができ今後の臨床や研究において必ずプラスになるものと信じております。

この短報が留学を少しでも考えておられる先生や入局希望の研修医の先生,さらには学生さんの少しでも参考になることがあればと思い,今後も定期的に近況報告させてもらえればと思っております。次回はアメリカでの研究生活や日常につき、もう少し具体的にお伝え出来ればと思っております。ご質問やご意見等ございましたら医局長を通してでもいつでもご連絡くださいませ。末筆ながら皆様の益々のご発展をお祈りしております。

2013年12月