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研究のご紹介

講座の様子

概要

大学院講座も平成28年度4月1日から、糖尿病学と内分泌・代謝学が統合され、糖尿病・内分泌・代謝学として新たなスタートを切りました。研究グループとしても、糖尿病研究グループと内分泌・代謝研究グループが日々切磋琢磨して、また連携しながら、新たな情報を世界に向け発信し続けています。


A.糖尿病研究グループ

先進糖尿病医療の開発、夜間低血糖・糖尿病性血管合併症を標的にしたコホート研究、個別糖尿病薬の臨床的評価などを中心とした臨床試験と、膵β細胞・α細胞機能障害と糖尿病合併症・メタボリックメモリーを標的とした基礎研究を精力的に行っています。さらに、先進糖尿病治療学講座と連携し、前述の臨床研究やコホート研究を共同で行っております。また、糖尿病療養指導士(看護師、栄養士、薬剤師など)の大学院博士課程の研究も大いにサポートしています。

糖尿病研究グループ

1.持続皮下インスリン注入(CSII)療法など先進的インスリン治療法の開発とその意義に関する研究

難波前主任教授が注力されてきた研究テーマです。CSIIおよびSAP(Sensor Augmented Pump)療法の適正な使用方法や注入プログラムについて検証を行っております。
さらに、次世代のグルコースモニターやインスリンポンプの開発・検証も行っております。そのほか、新たなインスリンデバイスの臨床評価と個々の患者に最適なインスリン投与システムの構築をめざした研究を続けています。

2.夜間低血糖、糖尿病合併症をアウトカムとした前向きコホート研究(Hyogo Diabetes Hypoglyceima Complications (HDHC) study

2,000名規模の1型・2型糖尿病患者を登録・追跡し、持続血糖モニター(CGM)、自律神経機能や、種々のバイオマーカーの夜間低血糖発症、糖尿病合併症進展をアウトカムとした前向きコホート研究をスタートしています。

3.テーラーメード医療、最適医療の提供を目指した糖尿病薬の無作為臨床試験の実施

現在なお増え続けている各種メカニズムを有する薬剤の有効性と安全性と適切な臨床試験で評価し、糖尿病患者の最適医療、個別化医療につなげる試みを続けています。この研究は、寄付講座である先進糖尿病治療学講座と連携して実施しています。

4.膵β細胞・α細胞機能障害の機序に関する研究

採取した2型糖尿病患者の膵組織(内分泌細胞)

糖毒性、脂肪毒性、潜在性炎症、血管内皮細胞炎症、インクレチン動態・代謝と膵内分泌機能の関連を、細胞生物学的に解析しています。

5. インクレチンホルモンおよびグルカゴン分泌に関する研究

糖尿病治療薬のインクレチンホルモンやグルカゴン分泌に与える効果について検証し、至適な薬剤介入プログラムを設定し、その治療効果を分析しています。また、グルカゴンの測定方法の検証を続けています

6.2型糖尿病におけるメタボリックメモリーの機序に関する研究

終末糖化産物受容体(receptor for advanced glycation end-products, RAGE)を中心とした、メタボリックメモリーと動脈硬化の関連に関する研究を進めています。この研究は金沢大学大学院医学系研究科の山本靖彦教授との共同研究として実施しています。

B.内分泌・代謝研究グループ

内分泌代謝研究グループは、主に肥満、メタボリックシンドローム、インスリン抵抗性の病因・病態の解明、副腎皮質ホルモン合成制御機構の解明、プリン・ピリミジン代謝の病態と制御を目的とした基礎研究と、疲労・睡眠・自律神経機能障害などストレス応答の内分泌・代謝疾患における意義を解明することを目的とした前向きコホート研究を中心に、研究・開発を行っています。

内分泌・代謝研究グループ

1.メタボリックシンドローム・インスリン抵抗性・動脈硬化の基盤因子の探索と制御

これらに共通したScafold因子の探索と意義に関する研究を行っています。主な標的として、酸化ストレス、小胞体ストレス、autophagy、RAGE、血管内皮炎症について解析しています。

2.疲労・睡眠など生体ストレス応答研究

内分泌・代謝疾患の病態・予後における生体ストレス反応の意義を明らかにすることを目的としたHyogo Sleep Cardio-Autonomic Atherosclerosis (HSCAA)コホート研究を実施しています。平成28年度4月時点で約1,000人の患者が登録され、平均2.5年の追跡を受けています。また、ストレス応答に関する新たな分子イメージングを目指した研究を理化学研究所の渡辺恭良教授との共同で実施しています。

3.副腎皮質における炎症によるステロイド合成調節機序

古典的内分泌調節機序CRH-ACTH-cortisolに加えて、副腎皮質局所における炎症関連因子のcortisol合成調節機序を基礎的・臨床的に解析しています。

4.プリン・ピリミジン代謝の病態とその制御

山本徹也前内分泌・代謝科教授が精力的に進めてこられた、プリン・ピリミジン代謝の病態に関する基礎的・臨床的研究を引き続き推進しています。

5.希少内分泌疾患、内分泌腫瘍(副腎腫瘍など)、内分泌がんの標的遺伝子の解明

私達の診療科では、多くの希少内分泌・代謝疾患、内分泌腫瘍が紹介されてくる中核施設として機能しています。そのような利点を生かして、希少疾患の遺伝子解析を積極的に進め、その病態・病因の解析と標的医療への応用を目指した研究を積極的に実施しています。