正解です。
解説
ジュールは水槽に入れた羽根車を回転させて、水温の上昇を測定し、熱と仕事の当量関係を明らかにしました。
これは、仕事は100%熱に変換できるという性質を使っています。
(ジュールの実験、教科書第5章)
一方、カルノーは熱を連続して仕事に変換するためには、高温の熱源から熱を受け取って仕事を行い、
低温の熱源に熱を渡して系をはじめの状態に戻す必要があることを明らかにしました。
つまり、熱から連続して仕事に変換するときには、熱の一部を低温熱源に捨てなければならないために、
高温熱源から得た熱を100%仕事に変換することはできないということを示しています。
(カルノーサイクル、 教科書第7章)
熱と仕事には、分子レベルでは次のような違いがあります。

すなわち、熱では図のように分子の運動はランダムですが、仕事では分子運動の向きがある方向にそろっています。
仕事が熱に変換される際には、同じ向きに動いていた分子が互いに衝突するうちに、運動の向きがランダムになっていきます。
一方、動きがランダムな熱運動をしている分子が、自然に運動の方向性を獲得して、向きがそろった動きをすることはありません。
このように、熱と仕事では分子運動の様式に本質的な違いがあるので、仕事は完全に熱に変換できるが、
熱は完全に仕事に変換することができないという、相互変換における非対称性が生じます。
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