研究シーズ集
がんプロフェッショナル養成プラン
科学技術振興調整費中皮腫臨床試験センター
エコチル調査兵庫ユニットセンター
兵庫医科大学医学会

IL-18による免疫制御に根差した免疫チェックポイント阻害薬の抗腫瘍効果増大とその機序に関する研究

関連疾患・研究領域 がん、感染症、神経変性疾患(AD,PD)など
所属部署名
(医科あるいは医療)
腫瘍免疫制御学
研究代表者 岡村 春樹
研究実施者
(研究内容照会先)
岡村 春樹
検索キーワード IL-18、がん免疫療法、インフラマソーム、免疫チェックポイント阻害薬

研究概要

1995年に我々は、活性化マクロファージで産生され、T細胞やNK細胞のIFN-γ産生を誘導する因子としてIL-18をクローニングした。このサイトカインは骨髄系、非骨髄系細胞を問わず、多くの細胞で作られ、免疫調節をはじめ、アレルギー、慢性炎症等に 関わっているが、我々は循環器、神経などにおいても多彩な生理機能を発揮することを観察、報告している。IL-18は多くのサイ トカインと異なり、シグナルペプチドを持たず、がんやウイルス感染、活性酸素などの様々なストレスによって細胞内で形成されるインフラマソームの構成蛋白であるCaspase-1によってIL-18前駆体から活性型IL-18に変換され、細胞の恒常性維持に重要な役割を持つことが明らかになってきている。我々はこれまでの研究でIL-18がオートファジー、蛋白合成を高め、細胞生存、 増殖を促進することを明らかにした。特に、がんに対してはIL-18がCD8T,γδT, NK細胞などの増殖を高め、免疫チェックポイント阻害薬の抗腫瘍効果を高める働きがあることを証明した。一方、がん免疫治療の有害事象である自己免疫疾患様の副作用発現を軽減することも観察しており、IL-18の役割について精査している。
下に示す2図は、IL-18と免疫チェックポイント阻害薬との併用によるCT-26(大腸がん)移植による致死の抑制と、B-16(悪性黒 色腫)移植による腫瘍形成の抑制効果を示すものである。いずれも免疫チェックポイント阻害薬の効果をIL-18が増大させている。

IL-18による免疫制御に根差した免疫チェックポイント阻害薬の 抗腫瘍効果増大とその機序に関する研究画像1

科学的アピールポイント(独創性・進歩性・新規性等)

本研究成果は、腫瘍免疫によるがん抑制の基盤である免疫チェックポイント阻害薬と、IL-18を併用させることで主薬効の拡大、延命効果が見込めることを示したものである。その一方で、正常組織に対する保護作用によって、阻害薬による免疫寛容解除が 引き起こす副作用発現のリスクも低減され、実臨床における有効性と安全性の課題を同時に解決できる知見として、実用化が期待される。

主公表論文(これまでの研究実績)

Clinical Cancer Research 2016 Jan 11: Augmentation of Immune Checkpoint Cancer Immunotherapy with IL-18. Am J Physiol Heart Circ Physiol. 2016 Aug 1: Dysfunction of mitochondria and deformed gap junctions in the heart of IL-18-deficient mice.

知財情報

国際特許出願PCT/JP2015/072505

研究成果の活用・実用化(提案)

既に臨床使用されている免疫チェックポイント阻害薬の抗腫瘍効果(延命効果)における限定的な薬理効果を、IL-18を併用する ことで格段に向上させるとともに、免疫チェックポイント阻害薬がもたらす自己免疫様有害事象発現というディレンマを解消し、 大きな臨床効果が生まれるものと期待される。

兵庫医科大学 〒663-8501 兵庫県西宮市武庫川町1番1号 TEL:0798-45-6111 (代)

Copyright(c) Hyogo College Of Medicine.All Rights Reserved.