研究シーズ集
がんプロフェッショナル養成プラン
科学技術振興調整費中皮腫臨床試験センター
エコチル調査兵庫ユニットセンター
兵庫医科大学医学会

肝細胞増殖因子(HGF)を軸とした肝臓線維化治療法開発

関連疾患・研究領域 医学・肝臓学・肝線維化・肝硬変
所属部署名
(医科あるいは医療)
外科学 肝・胆・膵外科
研究代表者 藤元 治朗
研究実施者
(研究内容照会先)
藤元 治朗
検索キーワード 肝線維化・肝硬変・HGF

研究概要

肝臓の線維化は様々な誘因・疾患より発症し放置すれば肝硬変に進展する重篤な病態である。肝線維化・肝硬変のわが国におけ る最大の問題点であったC型肝炎ウイルスは抗ウイルス薬が開発され、現在では経口薬でほぼ100%近くウイルス除去ができ る時代となった。しかしウイルスは排除されても線維化は遺残することが多く、SVR(sustained virological response:ウ イルス学的著効達成)が得られても線維化は著名には改善せずその後の発がん性持続が問題となっている。C型肝炎以外にも B型肝炎ウイルス・アルコール・非アルコール性脂肪肝炎、など様々な要因で肝線維化は進展する。研究実施者は肝細胞増殖因子 (HGF:hepatocyte growth factor)に着目、動物モデル(ラット肝硬変)においてHGFにより肝硬変が治り、肝硬変が可逆 性病変であることを報告した(論文(1))。この報告をうけて、世界中で様々なアプローチで肝線維化改善への動物実験報告がな され、現在に至っている。研究実施者はHGFが骨髄移植に伴う移植片対宿主病(GVHD)における臓器保護作用(論文(2))、術 後癒着における線維形成防止作用(論文(3))、ビーグル兼を用いた大動物における肝硬変治療(文献(4))、を実施してきている。 HGFは正常の20倍以上の高濃度が持続すると発がん性が問題となるが、正常の2~3倍の濃度ではむしろ発がん抑制も報告 されているペプチドである。リコンビナントHGF(以下r-HGF)を低濃度で持続投与することは現実的な方法であると考えられ る。また、現在他の疾患に対して認可されている薬剤でも内因性HGFを誘導する薬剤もあると考えられ、これの探求も現実的な 方策であると考える。

科学的アピールポイント(独創性・進歩性・新規性等)

肝臓線維化に対する薬剤・治療法は現在は確立されていない。重篤な病態、例えば劇症肝炎・末期肝硬変を対象とするよりもより 初期の肝臓線維化を対象とするHGF低用量治療法は新たな考え方であり、現実的である。

主公表論文(これまでの研究実績)

  1. Hepatocyte growth factor gene therapy of liver chirrosis in r ats. Nat Med 5:226-230, 1999
  2. Hepatocyte growth factor ameliorates acute graft-versus-host disease and promotes hematopoietic function. J Clin Invest 107:1365-73, 2001
  3. Interferon-γis a therapeutic molecule for prevention of postoperative adhesion formation. Nat Med 14:437-441, 2008
  4. Treating liver cirrhosis in dogs with hepatocyte growth factor gene therapy via hepatic aartery. J Hep Bil Pancr Surg 16:171-77, 2009

知財情報

発明の名称:腸管癒着抑制剤、特許番号:特許第5530635号、発行日:平成26年6月25日。

研究成果の活用・実用化(提案)

HGFは遺伝子ではなく、リコンビナントHGF注射が現実的である。高濃度を維持する長期投与は発がん性・腎障害など懸念され るが低用量持続投与は安全であると思われ、かつ対象は重篤な劇症肝炎・末期肝硬変患者ではなく、可逆性の可能性が考慮され る初期~中等度の肝線維化を有する状態である。

関連情報提供 URL

上記論文参照ください。

兵庫医科大学 〒663-8501 兵庫県西宮市武庫川町1番1号 TEL:0798-45-6111 (代)

Copyright(c) Hyogo College Of Medicine.All Rights Reserved.