研究シーズ集
がんプロフェッショナル養成プラン
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エコチル調査兵庫ユニットセンター
兵庫医科大学医学会

がんセンター

講座(部署)紹介

  1. 乳癌の薬物療法
    乳癌において薬物療法は再発を減少させるだけでなく、再発後の生存期間も有意に延長させることから、化学療法、ホルモン療法、癌細胞に対して特異的に作用する分子標的薬をどのように用いていくのか、重要な課題である。治験や臨床試験に参加して最新の治療を導入すると同時に、予後因子や薬物療法の感受性に関する研究を行っている。
  2. 予後ならびに薬剤感受性と免疫応答の解析
    乳癌において腫瘍周囲にリンパ球浸潤が生じていると、有意に予後が良好であることが知られている。しかし、実際に免疫応答が予後や薬剤の治療効果にどの程度関与しているのか、この点は不明である。現在局所ならびに全身性の免疫応答が、予後因子あるいは感受性予測因子として有用かどうかを検討している。また、再発治療においても免疫応答が長期の治療成績に相関するかどうか、この点も今後明らかにしたい。

研究の現状

概要

乳癌の術後療法は、ER、HER2、Ki67の発現状況によってサブタイプに分類し、化学療法、内分泌療法、抗HER療法が実施されている。近年、標準治療に経口フッ化ピリミジン系薬剤を追加することで、予後が改善することが報告された。また術後の骨修飾薬を投与すると、閉経後乳癌の予後が改善する可能性が示唆されている。従って、予後不良群を同定することができれば、追加治療により予後の改善が期待される。我々は腫瘍のバイオマーカー(増殖因子、エストロゲンシグナル関連因子、FDG-PET検査におけるSUVmax値など)、ホスト側の因子(骨代謝マーカーや血清中のサイトカインなど)を解析することで、より正確な予後予測診断法の開発を目指している。

主題

乳癌の予後因子として、増殖マーカーやER陽性乳癌ではエストロゲンシグナルへの依存性が知られている。しかし、腫瘍のバイオロジーだけではなく、ホスト側の因子も予後や薬剤感受性に関与しているものと考えられることから、この点に関して研究を行っている。具体的には、1)乳癌の予後に関与する腫瘍並びにホスト側のリスク因子の同定、2)血清中のサイトカインの臨床的意義の解明に関して検討を行っている。

自己点検・評価及び将来の展望

  1. ER陽性乳癌ではエストロゲンシグナル依存性の指標であるプロゲステロン受容体(PgR)の発現が、予後と相関することを明らかにした。また、乳癌の予後因子として、増殖マーカーのKi67が知られており、すでに臨床の場で応用されている。しかし、Ki67はG1期の細胞も陽性となることから、S期、M期特異的なマーカーであるgemininの発現を検討した。その結果、Ki67より予後予測因子として有用であることを報告した。また、術前の骨吸収マーカーである1CTPが高いと、閉経後乳癌の予後が有意に不良であることを明らかにした。閉経後の女性において骨髄の骨吸収が亢進していると、転移を促進する可能性が推測される。この成果も論文発表した。
  2. 局所ならびに全身性の免疫応答が、予後あるいは薬剤感受性に影響するかどうか、現在検討を行っている。局所での免疫応答として、生検あるいは切除標本でリンパ球浸潤の程度、ならびにT細胞の分画を検討している。また、全身性の検疫応答の評価を行うため、術前の血清中のサイトカイン値を検討している。これらのデータを予後、あるいは薬剤の治療効果と比較検討する予定である。


本年度もさらに研究を進展させ、より有効な予後、感受性診断法の開発を目指したい。

責任者| 三好 康雄(教授)
専門分野:乳腺外科、薬物療法
TEL| 0798-45-6772
FAX| 0798-45-6845

兵庫医科大学 〒663-8501 兵庫県西宮市武庫川町1番1号 TEL:0798-45-6111 (代)

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