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「日本臨床免疫学会第44回総会 ポスター賞(症例報告部門)」を受賞しました(リウマチ・膠原病内科 病院助手 荻田 千愛)


「日本臨床免疫学会第44回総会 ポスター賞(症例報告部門)」をリウマチ・膠原病内科 荻田 千愛 病院助手が受賞しました。


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受賞した荻田千愛病院助手(左):
佐野 統主任教授(右)と一緒に

荻田先生2.jpg

 受賞した荻田病院助手

授与団体名

日本臨床免疫学会

概要

 家族性地中海熱(Familial Mediterranean fever:FMF)は周期性の発熱と無菌性漿膜炎発作を繰り返す遺伝性自己炎症性疾患であり、1976年より本邦でも多数の症例が報告されています。2002年にはMEFV遺伝子変異を有する症例が報告されており、遺伝子解析を含めた症例の集積が進んでいます。しかし現状としてはFMFは成人発症例で一過性の消化管症状が多く、FMFの認知が低いことから診断されずにいる潜在的な患者が多いとされています。当科の外来では、感染症、自己免疫性疾患、悪性腫瘍を除外した上で、短期間の発熱や腹痛発作を繰り返す症例においては遺伝子解析の取り組みや、FMFの治療薬とされるコルヒチンの治療効果判定を行っています。
 今回、遺伝子変異を認め、臨床所見とコルヒチンの効果を得たことでFMFと診断された7例の臨床経過を辿り、FMFの病態解析を行いました。

 本邦のFMFの発症時期は地中海地方に比べ成人例が多く、症例検討を行った7例の平均発症年齢も19歳でした。また本邦でのFMFの疫学調査では、明らかな性差がないのに対し、今回は全員女性で、ほぼ家族歴のない孤発例でした。FMFは典型例では漿膜炎の頻度が有意に高く、非典型例では漿膜炎発作が限局もしくは激しい腹痛を認めない例が多く、頭痛、関節痛や皮疹などの非特異的症状がみられることが多いとされています。各症例の臨床症状も腹痛が多いものの、非特異的な所見もあり、改めてFMFの診断において周期的な発熱やコルヒチンの反応性が重要であることが分かりました。症例の半数以上が、MEFV遺伝子のexon2:E148Qのヘテロ接合体変異であり、この遺伝子変異が正常人でも16~23%程度のアレル頻度であることが報告されていることから、変異のみではFMFの診断はできず、あくまで補助診断に用いるべきだと考えられます。今後も外来において周期的な病態に対し、FMFを鑑別に踏まえた精査を行い、早期の診断や治療介入を目指していきたいと思います。

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