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「第119回日本耳鼻咽喉科学会宿題報告者」に選出(耳鼻咽喉科・頭頸部外科学 主任教授 阪上 雅史)

2018年5月30日から6月2日にかけて横浜で開催された「第119回日本耳鼻咽喉科学会」にて、耳鼻咽喉科・頭頸部外科学の阪上雅史主任教授が、2018年度の日本耳鼻咽喉科学会の宿題報告者に選出され、1時間にわたり特別講演を行いました。この宿題報告は、毎年、数多くの学会会員の中から2名のみに与えらえる名誉ある選出です。


演題名

第119回日本耳鼻咽喉科学会宿題報告「QOLからみた耳科手術戦略」

選出団体名

日本耳鼻咽喉科学会

概要

宿題報告は毎年二人の教授が日本耳鼻咽喉科学会より1年半前に指名され、ライフワ-クを1時間にわたって講演する名誉なものである。今回、モノグラフ(280頁)の他、症例ビデオ解説編(130頁)と症例ビデオDVDを作成した。 
従来の耳科手術の戦略は、聴力改善率向上や真珠腫再発減少など術者の視点からみたものであったが、患者の視点からの手術戦略はなかった。QOLからみた耳科手術戦略は、高齢社会が到来しQOL向上が求められる時代に適した手術戦略であると言える。  

研究の背景

アブミ骨手術後の患者さんより、「聞こえが良くなり皆の会話に入っていけて嬉しいのですが、味がおかしいです、何をたべても塩っぱい感じがします」と言われた。中耳真珠腫術後のビジネスパ-ソンより、「真珠腫は治ってよいのですが、耳の中がカラッとするまで仕事中気になってしかたがありませんでした」とも言われた。 
耳漏を止めるのも聴力を良くするのも重要だが、患者さんの術後QOLや満足度を考えた手術も重要ではないか」と12、13年前から思い始めた。  

研究の成果

以下の項目について検討を加えた。 

(1) 耳科手術後の患者の満足度
(2) 着法-日本初の低侵襲性耳科手術-
(3) 真珠腫の再発率
(4) 鼓室形成術後の聴力成績-長期観察の必要性-
(5) ビジネスパ-ソンの真珠腫に対する手術戦略
(6) 中耳手術後の味覚障害と舌のしびれ-臨床編-
(7) 中耳手術後の味覚障害と舌のしびれ-基礎編-
(8) 合併症を減少させるアブミ骨手術の戦略
(9) 耳管機能からみる中耳手術
(10) Only hearing earの手術戦略
(11) MRSA感染耳の手術戦略
(12) 手術しない戦略

手術を決定する要因は疾患、社会的、術者側の要因などが従来いわれてきたが、インタ-ネットの発達により情報が取得しやすくなったことや高齢でも働く人が増加したことなどにより、患者さんの術後QOLを考えながら手術する時代になったと言える。

今後の課題

本報告は患者の術後QOLに焦点を当てた初めての手術戦略であり、全国の耳科手術医が術後QOLを考える発端となることを願っている。また、患者さんの術後QOLの検討項目を増やしさらなる解析を進めて行きたい。

研究費等の出処

若手研究B (21791656)、若手研究B (24791815)、若手研究B (15K20235)、基盤研究C (18K090389)、兵庫医大教員助成(H18-19)、兵庫医大教員助成(H23-24)、兵庫医大教員助成(H25-26)

掲載紙

阪上雅史:モノグラフ「QOLからみた耳科手術戦略」

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