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兵庫医科大学医学会
Stroke電子版に論文が掲載されました

Stroke電子版に眼科学 石川 裕人 助教、三村 治主任教授の論文が掲載されました。

石川裕人 助教、三村治 主任教授

眼科学
(左)石川 裕人 助教
(右)三村 治 主任教授


論題

「Ischemic Stroke Brain Sends Indirect Cell Death Signals to the Heart」

 

論文著者名

Hiroto Ishikawa, Naoki Tajiri, Julie Vasconcellos, Yuji Kaneko, Osamu Mimura, Mari Dezawa and Cesar V. Borlongan

 

概要

石川裕人 助教、三村治 主任教授(眼科学)、出沢真理 主任教授(東北大学細胞組織学)Cesar V. Borlongan 教授、Naoki Tajiri 助教、Julie Vasconcellos BS、Yuji Kaneko 助教(Department of Neurosurgery and Brain repair, University of South Florida College of Medicine)らの研究グループは、培養細胞モデル・動物モデルを用いて脳梗塞の全身的な影響、特に脳梗塞後の心筋細胞への影響を検討しました。元来、心臓の鼓動を司る大脳皮質の一部が脳梗塞により障害を受けると不整脈を起こすことは知られていましたが、本研究ではその機序として、その直接的機序のみならず、間接的機序として、障害を受けた脳梗塞組織から液性因子が分泌され、心筋細胞細胞死を誘導することを明らかにし、脳梗塞自体が全身の合併症を起こしうる可能性を示唆しました。この研究成果は、Stroke電子版に2013年9月5日に掲載されました。

 

研究の背景

 脳梗塞は死亡率が高く、また助かったとしても重度の後遺症を残す病気です。死亡する場合の多くは、心疾患を併発しますが、これまで脳皮質や脳幹部の梗塞により心臓への刺激伝達が障害され、心機能低下・心筋障害を来すとされていました。しかしながら、心機能障害を来す症例群でも、上記では説明のつかない症例もありました。そこで我々は上記のような直接的機序の他に間接機序があるのではないか、具体的には脳梗塞組織が液性因子を放出しそれが全身を巡って心筋障害を来すと、仮説をたて検討を行いました。

 

研究手法と成果

 仮説を証明するために、培養神経細胞を脳梗塞状態(酸素・糖分を不足させるin vitro OGD model)にし、その培養上清を採取、解析いたしました。この培養上清を今度は培養心筋細胞にふりかけたところ、コントロール群に比して有意に細胞死が誘導されました。次に脳梗塞の動物モデルを作成し、その心筋細胞に細胞障害がおこっているかを細胞死関連タンパク質(具体的にはnecrosis, apoptosis, autophagyに関連するタンパク質)に対する免疫組織学的検討を行いました。動物実験においても、脳梗塞動物に心筋細胞死を認め、我々の仮説は証明されました。以上より、脳梗塞は、その梗塞部位によらず心筋障害を来す可能性があることを示唆しました。

 

今後の課題

脳梗塞組織が液性因子を放出し、心筋細胞に障害を与えることは明確にはなりましたが、実際にその因子が何なのかは未だに解明されていません。今後、そのタンパクの同定・誘導機構を新たにすることで、脳梗塞治療期における心筋保護に役立つことが期待されます。

 

研究費等の出処

Dr Borlongan is supported by the National Institutes of Health, the National Institute of Neurological Disorders and Stroke 1R01NS071956-01, Department of Defense W81XWH-11-1-0634, and the James and Esther King Foundation for Biomedical Research Program 1KG01-33966.

 

掲載誌

Stroke

 

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