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~兄弟校 兵庫医療大学との共同研究成果~
学生主体で行った研究が、学会で優秀演題賞を受賞!

学会で優秀演題賞を受賞012016年11月10日に熊本県で開催された「第69回日本自律神経学会総会」で、生理学(生体機能部門)研究室で学生が行った研究が「優秀演題賞」を受賞しました。
今回受賞した研究の中心を担ったのは、兵庫医療大学 リハビリテーション学部 理学療法学科に所属する学生2名です。法人内二大学(兵庫医科大学・兵庫医療大学)の連携を推進するべく、兵庫医科大学 医学部 生理学(生体機能部門)荒田晶子准教授の研究室と、兵庫医療大学 リハビリテーション学部 理学療法学科 玉木彰教授の研究室で共同研究を行っている取り組みの一環として、2016年4月より半年間、荒田准教授の研究室で「歩行と呼吸の協調関係」に関する研究を手がけました。

研究概要

ランニングやジョギングなど、リズミカルな運動を行っている際に、「呼吸のリズムが歩行テンポに合ってくる」という現象があり、息苦しさが軽減されることを経験する。この現象が脳を介して起きるということは科学的に証明されていたが、具体的かつ詳細な経路が解明されていなかったため、その解明を目的に研究を行った。

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神経核である橋結合腕傍核(きょうけつごうわんぼうかく)は高次機能と脳幹機能を結ぶ役割を担っており、呼吸や体温、味覚、痛みなどの感覚情報が入力されている。この橋結合腕傍核にある吸息から呼息スイッチに対して、歩行のシグナルが入力されることによって、同調現象が起きるのではないか、また、血中CO₂濃度が現象発生に影響を及ぼしているのではないかと仮説を立てた。
03.jpg研究方法は、生後4日までのラットの橋-延髄-脊髄を摘出後、Ringer液で還流し、歩行の入力としてL4後根を電気刺激し、 横隔神経に出力しているC4前根を吸引電極にて記録することにより呼吸性活動を見た。その後、歩行と呼吸のリズムにCO₂濃度が関わるのかどうかをCO₂濃度を5%から8%に変更した時の歩行刺激による呼吸の応答を観察した。
実験結果より、歩行の刺激がアクティブに呼吸リズムのリセットに関わることや橋が無いとそのような反応が起こらないことが分かり、橋の存在が歩行と呼吸の同調性に大きく関与している事が示唆された。さらに、CO₂濃度が高い状況下において、歩行と呼吸リズムの同調が発生する頻度が上昇した。このことから、中枢性化学受容体が延髄の呼吸中枢だけでなく、橋の呼吸調節中枢にまで影響しているのではないかと推察された。今後、さらに研究を進めることによって、この同調を理学療法に積極的に応用できるようになることが期待される。

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受賞者たちの声

岩野 優(兵庫医療大学 リハビリテーション学部 理学療法学科 4年次)

05.jpgもともと生理学に興味があったため、生理学や呼吸理学療法を専門にしている玉木先生のゼミに入りました。先輩から「玉木ゼミは雰囲気が良く、卒業生とも仲がいい」と聞いていたのも選んだ理由の一つです。
玉木先生から「兵庫医科大学の研究室で研究してみないか?」という話をいただいた時、漠然とですが「すごい研究ができるんじゃないか」と期待に胸を膨らませ、「お願いします!」と二つ返事で研究を始めました。
理学療法学科ではヒトを対象とした研究がほとんどですが、今回行ったような基礎研究が自分には向いていたようで、半年間ずっと楽しかったです。研究室はとても居心地がよく、荒田先生や研究室の先輩も優しくて、リラックスした状態で研究に集中することができました。
始めは難儀した標本の作成も、回数を重ねるうちに上手く効率的に行えるようになりました。自分が作成した標本からデータが取れない時もあり、できない理由が何であるかが分からずに迷走しましたが、試行錯誤した結果、後にデータも取れるようになりました。
研究をする中で身についたことは「考える力」です。「なぜ?」と感じたらすぐに原因を調査するように心がけ、野間君と知恵を振り絞って解決策を練りだしました。この「考える」というプロセスは、理学療法士として働く上でも重要な要素だと思うので、今後も活かしていきたいです。

野間 俊希(兵庫医療大学 リハビリテーション学部 理学療法学科 4年次)

06.jpg自分たちが関わった研究に対して賞をいただけてうれしいです。当初は、知識不足で研究内容を理解することすら苦労しましたが、頑張ってきて良かったと感じました。研究は、基本的に岩野君と協力して一緒に作業を行うことがほとんどで、役割分担も決めていなかったのですが、いつのまにか岩野君が技術担当寄り、僕が企画寄りになっていた気がします。
研究室には、兵庫医科大学の大学院生、医学部生だけでなく、東京大学や九州大学など様々な機関からの人が出入りしていて刺激になりましたね。10本以上の参考論文を英語で読むという経験も貴重でした。難しいテーマなので勉強が苦しく感じることもありましたが、研究を始めてから、自分には何が足りないのかを考えるくせが身につきました。もちろん、どうにもならない時は先生や先輩に頼りましたけどね(笑)。半年という短い期間でしたが、他のゼミでは経験できないことばかりでした。

06_2.jpgまた、卒業研究発表の場で理学療法学科生全員を前に成果を報告したのですが、兵庫医療大学の学生であるにも関わらず、兄弟校である兵庫医科大学の研究室に所属させてもらっていたので、「期待に添えるような結果を出して発表したい」と思い、プレゼンにも一層熱が入りました。素晴らしい先生や研究員の皆さんのもとで研究させてもらえたこと、すべてに感謝します。

兵庫医科大学 生理学(生体機能部門)荒田 晶子 准教授

07.jpg兵庫医療大学の学生を研究室に受け入れることは初めての試みでしたが、玉木先生と同一法人内の二大学連携研究を行う中で実現したいことの一つでしたので、現実となって良かったですし、彼らの実験系で学会賞がもらえて本当に良かったと思っています。
学生たち自身も自覚しているようですが、当研究室での研究を通して「考える力」がすごく身についた気がします。「自分たちの研究結果は自分たちの力で出さなければ」と、責任感も感じられるようになりました。行き詰った時には、二人で様々なアイディアを出し合い、「なぜこのような結果になったか」を追究して課題解決に導いていました。受け身な姿勢ではなく、トライアンドエラーを繰り返していた姿も評価したい点ですね。
英語で書かれた関連論文も多く読んでいたのですが、調べものをしていた際、「私がまさに引いてきてほしかった論文」を見つけてきた時には感嘆してしまいました。兵庫医科大学の学生チームと並んで一生懸命に研究していたので、医科大の学生も良い刺激を受けていたようです。彼らが当研究室に来てくれたことに感謝していますし、彼らのことを誇りに思います。

兵庫医療大学 リハビリテーション学部 理学療法学科 学科長 玉木 彰教授

08.jpgこれまで、呼吸と運動のメカニズムについての研究を、荒田先生は動物に関して、私はヒトに関して別々に行っていました。そこで、「同じ生理学の視点で見ることができれば」と思い、二大学で連携研究を始めることにしました。
今回、岩野君と野間君には基礎研究の適性があると判断して二人を生理学の研究室へ送ることを判断しましたが、正直に言うと、ここまで活き活きと研究を進めてくれるとは予想外でした。兵庫医療大学の学生という立場ですので、「医療大(神戸市)で国家試験対策などの講義を受けてから医科大(西宮市)へ移動して研究する」という大変な毎日をよく乗り越えたと感心しています。本当に、二人は良く頑張りました。
次年度も、私の研究室から3名、荒田先生の研究室にお世話になる予定ですので、今後も二大学連携をますます深めていきたいと考えています。

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