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多能性をもつ「iSC細胞」の実用化に向けた再生医療についての研究を開始

兵庫医科大学は、多能性細胞「iSC細胞」を使って、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)や各製薬会社との研究を開始します。

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iSC"細胞"とは

iSC"細胞"とは、虚血誘導性多能性幹細胞:iSCs(ischemia-induced multipotent stem cells)の略です。
脳血管が閉塞し、脳神経組織を養うために必要な血液が不足すると、脳機能が傷害され、脳神経細胞は死に至ります。しかし、障害された脳神経組織の中に神経幹細胞としての性格を有する「iSC細胞」が生み出されていることを、兵庫医科大学 先端医学研究所 神経再生研究部門 教授の松山知弘と准教授の中込隆之らが中心になって平成27年に発見しました。

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この幹細胞は神経系の細胞をはじめ、免疫を司る細胞や血管、骨など、多くの細胞や組織を作り出せるものですが、傷害を受けて自然に発生する細胞であることから、がんになったり奇形腫をもたらしたりする可能性は低いと考えられます。iSC細胞が作り出す新たな細胞や組織を移植することで、脳に限らず、傷害により失われた組織やその機能を再び甦らせることができる可能性を持っています。

AMEDの研究

【研究期間】
平成28年11月15日~平成31年3月31日

【テーマ】
ヒト脳傷害誘導性神経幹細胞を用いた神経再生療法

【責任者】
兵庫医科大学 脳神経外科学 助教 髙木俊範

【背景】
現在の脳梗塞患者に対する有効な治療法は、血栓溶解療法や血管内治療などの「血管再開通療法」ですが、この治療を受けられた患者であっても脳神経機能の回復は半数以下に留まります。また脳梗塞患者の大多数にはこの治療ができず、後遺症を抱える結果となっています。脳神経機能の回復に関する治療として、脳組織外に由来するiPS細胞・骨髄単核球細胞・間葉系幹細胞などを用いた臨床試験や研究が進められていますが、患者の治療選択肢を増やすためにも、脳組織内に由来するiSC細胞を用いた治療の確立が必要です。

【目的】
神経再生や機能的神経網再建において実験的に優れた内因性幹細胞である「iSC細胞」を、臨床で実用するための課題を解決し、近未来の細胞治療の新たな選択肢として提供することをめざします。

iSC細胞に関する文献

1.中込隆之. 脳由来虚血誘導性多能性幹細胞.日本脳循環代謝学会機関誌、26、203-206、2015.

2.中込隆之、佐久間理香、松山知弘. ニューロサイエンスの最新情報 脳虚血時の血管周皮細胞(ペリサイト)の役割. Clinical Neuroscience―細胞移植と神経再生―. 中外医学社、Vol. 34 No. 10、1174-1175、2016.

3.Nakagomi T, Nakano-Doi A, Narita A, Matsuyama T. Concise Review: Are Stimulated Somatic Cells Truly Reprogrammed into ES/iPS-like Pluripotent State? Better Understanding by Ischemia-induced Multipotent Stem Cells in a Mouse Model of Cerebral Infarction. Stem Cells International, Volume 2015, Article ID 630693, 2015.

4.Nakagomi T, Kubo S, Nakano-Doi A, Sakuma R, Lu S, Narita A, Kawahara M, Taguchi A, Matsuyama T. Brain Vascular Pericytes following Ischemia have Multipotential Stem Cell Activity to Differentiate into Neural and Vascular Lineage Cells. Stem Cells, 33, 1962-1974, 2015.

5.Sakuma R, Kawahara M, Nakano-Doi A, Takahashi A, Tanaka Y, Narita A, Kuwahara-Otani S, Hayakawa T, Yagi H, Matsuyama T, Nakagomi T. Brain pericytes serve as microglia-generating multipotent vascular stem cells following ischemic stroke. Journal of Neuroinflammation, 13, 57, 2016.

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