広報
兵庫医科大学医学会

中国・汕頭大学留学を終えて

清水 聖二郎さん(第2学年次)

2017年1月7日から1月14日までの8日間に中国の汕頭大学に留学しました。今回は私を含め9人で参加させて頂きました。旅行では決してできない貴重な経験をさせてもらい、このプログラムに参加して良かったと思いました。 1日目は関西国際空港に集まり、約3時間かけて広州に行き、乗り換えて約1時間かけて汕頭に到着しました。そこで、一週間お世話になる先生に迎えてもらい、バスに乗ってホテルまで行きました。その後のウェルカムディナーでお世話になる先生に挨拶をし、一週間どのようなことをするのか聞き、楽しみになりました。そこにいらした先生方は皆日本への渡航経験があり、日本語が堪能で驚きました。ディナーで出てきた食事はどれもおいしく、一番のお気に入りはハタという魚の煮物でした。
2日目は農村部の貧困地域に行き、ボランティア活動を手伝いました。そこでは、病院に行くお金がない人を無料で診察、治療、薬の処方などを行っていました。そして、いろんな家庭を回り往診をし、お米と油を寄付していました。そこの人は非常に劣悪な状況で生活をしている人もいました。部屋は狭く、昼間であるにも関わらず真っ暗で、服もほぼ毎日同じものを着ていました。貧困地域でも格差が見られ、中国全体でも大きな格差がよく分かりました。次に、ボランティアが早く終わったためホテル周辺を散歩しました。そのときに立ち寄った公園は華僑と言われる人たちによる寄付によって作られた公園で、中には遊園地的なものがありました。華僑とは、外国に住む中国人のことを言います。海外の文化を伝えるためにあると思います。
3日目は汕頭大学の学長に会い、LI-KA shing Foundationの取り組みを説明して頂きました。幅広い取り組みで多くの人を救っていることを知りました。午後は汕頭大学の中を案内してもらいました。敷地は日本の大学よりもはるかに大きく、大きなオブジェなどがありました。医学院の建物は、去年の9月に完成し様々な施設がありました。病院を再現したフロアがあり、そこで手術や診察などを練習できるように人形や部屋が忠実に再現されていました。また、一番興味深かったのは人体生命科学館でした。本物の人体を使い標本を作り、様々な視点から見られるように工夫をされていました。この人体は全て寄付されており、解剖学の勉強をできるようになっています。
4日目は、往診について行かせてもらいました。往診を受ける人は基本的には動くことができずに自宅で寝たきりになっている人が多いそうです。また、往診は毎日行くことが出来ないため、患者や患者の家族に薬の飲み方や消毒の仕方を指導していかなければなりません。今回、同行させていただいたのは癌の末期の患者で床ずれの消毒を指導していました。
5日目は午前中に口唇裂、口蓋裂の専門病棟を見学させてもらいました。口唇裂、口蓋裂は1000人に1.5人ほどの確率で起こるそうですが、日本では見たことがありませんでした。今では医療技術が進歩し、ほとんど障害が残ることなく治療できるそうです。口唇裂、口蓋裂はただ外科的に治ると思っていましたが、そんな単純なものではなく、治っても発音に異常がみられる可能性があります。そのため、精神的なケアやスピーキングトレーニングを行わなければなりません。そして、大人になってから治療しに来る人も少なくないです。その後、感染症専門の病棟にいきました。日本では、感染科という専門はなく珍しいと思いました。そこでは、感染症だけでなく、発熱外来もありました。午後は精神科を見せていただきました。重い病状と軽い病状に分けて患者が入っていました。軽い病状の人は普通の病室に入っており、重い病状の人は特別に分けられたところに入っています。そこでは、ある程度の自由があり、自由時間に運動したり、工作したりと自分で自主的に選ぶようになっています。そして、食事の時は食堂で食事をした後に自分で食器を洗い、洗濯も自分で行うようになっています。このように、自分で行うことにより治療や自立の援助をしていました。
6日目に午前は潮州観光にいきました。ホテルからバスで1時間ほどで到着しました。そこには、城壁や市場があり古い商店街もありました。仏教のお寺もあり、その中の壁に李嘉誠さんの石碑がありここでも寄付していたと知り、非常に驚きました。午後は汕頭から2時間ほどかかる田舎の病院に行き、話を聞きました。眼科の医師は3人、看護師3人で年間1300件の白内障の手術を行っていると聞きました。こんな田舎にはなかなか若い医者は来ないため医師不足に陥っているそうです。一番近くのここより大きな病院はここから1時間はかかるそうです。ここでも、中国の格差が出ていると感じました。
7日目は午前中にお土産を買いました。汕頭は刺繍が有名で、お茶も有名なのでお土産に買いました。その後の移動中に人が道で倒れ、救急車を呼ぶ事態になりました。しかし、救急車は10分以上もたっても来ず、催促の電話を何度もしなければなりませんでした。また、サイレンを鳴らしておらず、鳴らしても道をあける車が全くなかったので驚きました。そして、待っている間も多くのやじうまが集まり、クラクションをならしながら通り過ぎるバイクもありました。救急車には最新の医療設備が備わっており、医師も乗車しているにも関わらず、その患者を救うことが出来ずに残念に思いました。日本ではありえないことに遭遇し非常に戸惑い、悲しく思いました。その後に、産科を見学させてもらいました。その診察に立ち会いましたが、プライバシーがないと感じました。診察待ちの患者がすぐ後ろで待っており、診察されている患者のことを全部聞こえる状態になっていました。ここも日本ではありえないと思いました。夜はみんなで餃子を手作りし、頂きました。
最終日は行きと同じように広州で乗り換え、関西国際空港に到着し帰宅しました。 この研修プログラムで普段の生活では体験できない貴重な経験をさせて頂きました。ある程度中国のことを調べていきましたが、実際に見ると調べる以上のものが分かりました。日本と中国の考え方の違いについてよく理解し、医療システムの違いにもよく理解できたと思います。最後になりましたが、一週間中国で先生方にはお世話になりました。仕事の合間の忙しい中、いろいろ説明、ご指導頂きありがとうございました。

研修中の様子

01.jpg

兵庫医科大学 〒663-8501 兵庫県西宮市武庫川町1番1号 TEL:0798-45-6111 (代)

Copyright(c) Hyogo College Of Medicine.All Rights Reserved.