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兵庫医科大学医学会

クロアチア・リエカ大学での研修を終えて

笹脇 麻珠子さん(第5学年次)

今回、私は9月17日~10月15日の1ヶ月間、クロアチアにあるリエカ大学で研修させていただきました。大学入学前からこの留学プログラムに参加したいとずっと思っていたので、選考試験で決まったときには本当に嬉しかったです。元々、英語が好きでコンスタントに勉強は続けていましたが、決まってからは留学に向けて医学英語と英会話にさらに力を入れてきました。
私の研修先は‘KLINIKA ZA ORTOPEDIJU’という整形外科の単科病院で、Rijekaから海沿いの道をバスで45分程走った、Lovranという場所にありました。朝のカンファレンスは7時30分から始まるので毎朝5時30分起床、6時30分には寮を出る生活スタイルでした。RijekaからLovran行の路線バスは一時間に一本しかなく、少し不便ではありましたが、時には、指導医のDr. Zecが寮まで車で迎えにきてくださいました。RijekaからLovranまでの道のりは長かったのですが、アドリア海に沿った道で途中にはクロアチア随一の高級リゾート地であるOpatijaやVolosko、Iciciという港町があり、道中も美しい海岸線や街を楽しむことができました。
この病院は病院らしくない豪華で博物館のような建物です。元々は貴族のために高級ホテルとして建てられたもので、リエカ大学に医学部がつくられたことを機に病院として使われるようになったそうです。そのため、病室やテラス、病院内のカフェからは海が一望できました。仲良くなった看護師は「本当に立地がいいのよ!」と誇らしげに景色のよい部屋を案内してくださいました。
クロアチアには珍しい整形外科のみの単科病院であり、とても人気のため全土から患者が集まってきます。ある研修医は「前の研修先の総合病院の整形外科では簡単な症例ばかりを扱っていたけれど、このLovranの病院は色んな難しい症例の患者も来るから良い経験になるよ」と話していました。
7時30分から8時に行われるカンファレンスでは主に術後レントゲン写真を使って患者の経過について話し合われていました。何人ものドクターが積極的に意見を言い合い、議論がくりひろげられていましたが、すぐに笑いが起きるような和やかな空気でした。クロアチア語で話されていたため詳しくはわかりませんでしたが、気になったことがあればすぐにまわりのドクターに積極的に聞くようにしました。指導医だけでなく他のドクターもフレンドリーで質問をするとひとつひとつ丁寧に説明してくださいました。
カンファレンスのあとは毎日の回診です。日本と同様に患者一人一人のそばへ行き、状態を確認します。クロアチアでは年配の世代はクロアチア語しか話せませんが、若い世代の人の大多数は当然のように英語を話します。Dr. Mikacevicが‘See the patient. Feel the patient. And think about it. These are the most important things.’ と私に担当患者をつけてくださいました。空き時間に英語で問診をとったり術後経過をみたりしていました。
一番印象的だった患者は27歳の女性でO脚の度合いがひどく歩けなくなり高位脛骨骨切り術を行った術後の患者でした。オペ前は「何をするのもお母さんの手を借りなければならず情けない」と思っていたそうです。オペ後のリハビリ後一人で歩けるようになったときには非常に興奮して喜んでいたのが今でも忘れられません。
回診のあとは手術が始まります。手術室の隣にある控室には毎日ヨーグルト、パン、スープなどの軽食が用意されており、担当のオペまでに時間があると教授から麻酔科医、研修医、看護師まであらゆる人がそこにつどい、なごやかに談話しており、チームのコミュニケーションを図っていました。
クロアチアではドクターが休憩時間にたびたびカフェや控室で団らんします。「日本みたいにせわしなくないだろ?」とドクターがおっしゃっていました。仕事に追われてせかせかしている日本の病院と違い仕事に集中する時とうまく息抜きをとるタイミングのメリハリをつけているところが素晴らしく、また羨ましくも思いました。
この病院での手術は主に変形性関節症に対する人工関節置換術や膝関節鏡を行っていましたが、術中にドクターが英語で丁寧に説明してくださったので今まさに何をしているのかを細かく理解することができました。研修期間の後半では実際にオペに入って縫合もさせていただきました。
一ヶ月はあっという間でしたが、日本とは異なった環境、人々、病院での仕事を経験することができ、またたくさんの友人もできました。この留学で一生忘れられない有意義な時間を過ごせたのは、大学、研修先の指導医、その他のドクター、交換留学生のおかげであり、とても感謝しています。このような素晴らしい交換留学システムをぜひ後輩の皆さんにも体験していただきたいと思います。

研修中の様子

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