広報
兵庫医科大学医学会
海外研修報告

汕頭大学医学院研修報告

● 山路 修平さん(第2学年次)

今回の研修で中国での医療現場や実態、そして医学生との交流などによって様々な経験をすることが出来た。またこの研修に行くまでは気づかなかった日本の医療との違い、文化の違いなどを知ることができ、大変感銘を受けたと共に、これからの医学を学びたいという向上心がより一層増し、大変貴重な1週間であった。これから研修期間で学んだこと報告する。

1日目、朝7時に関西国際空港に集合し広州経由で汕頭に向かった。空港に着くと先生方が迎えに来てくださっており、バスで宿舎まで送っていただいた。道路は傷んでおり、信号無視、3人乗りのバイク、逆走など交通マナーの違いを感じた。それとは逆に宿舎はきれいに掃除がされており、セキュリティも万全で何不自由なく過ごすことができた。宿舎で荷物を置いた後、Welcome dinnerに向かった。優しい先生方ばかりでまた日本語も流暢な方が多く、楽しい時間を過ごすことが出来た。

2日目、汕頭大学医学院で李嘉誠氏の事業について説明をしていただいた。李嘉誠氏は世界的な資産家であり多額の献金をしている。この日の午後に行った郊外にある汕頭大学にも献金しており、新たに建設している医学部の校舎は芸術性に富んでいた。校舎の中にある人体生命科学館には多くの人体模型や血管の様子など、最新の技術が反映されており、医学を学ぶのに最高の環境だと感じた。図書館も自習スペースが多くあり、開放的な空間で多くの学生が勉強をしていた様子をみて刺激を受けた。

3日目、汕頭から車で1時間程度にある潮州を観光した。生憎の雨であったが、中国の雰囲気を味わうことができ、楽しい思い出を作ることができた。午後からは山を越えて郊外の病院を訪ねた。日本の郊外と違い、高速道路もなければ鉄道もなく山を越えなくては大きな病院に行けない地域であった。その病院では白内障の手術が年に1000件程度行われており、また周りに病院がないために出産も出来る設備を整えていた。医師は3名でその病院がある町出身であった。医師が少なく肉体的に負担がかかっているように見え、僻地での医療はどの国でも課題があると感じた。

4日目、午前はホスピスについて学んだ。末期ガンの患者の家に行き、診察や心のケアをしている現場を見学した。肺ガンの患者は高齢で貧しいため、在宅での医療を選択していた。これらの費用は基金からでており、貧しい人々にも平等の医療を受けることができる素晴らしいシステムだと感じた。午後からは学生と交流し、学生生活を聞くことができた。実際に貧困地域に行きボランティア活動を積極的にする学生が多いことに驚いた。このような活動を日本の学生も積極的に参加すべきだと思う。

5日目、口蓋口唇裂治療センター、感染症、眼科、精神科を見学した。病院の中は衝撃的であった。血まみれの患者が通路の脇にストレッチャーに乗せられていたり、薄暗い待合室に大勢の患者で溢れかえっていたり、たばこの吸い殻が落ちていたりなど、日本では考えられない状態であった。古い病棟は狭くて薄暗く、不衛生であった。眼科の白内障の手術を見学させてもらったが、設備は新しく施設も充実していたので、良い医療を受けられるようであった。精神科は総合病院から離れていた。病棟の中に入れてもらったが、日本で精神病の患者に囲まれる経験がなかったので、かなり刺激的であった。

6日目、貧困地域でのボランティア活動に参加した。病院が近くにない地域で色々な科の先生方が集まり診察をしていた。この活動も基金によって成り立っており、怪我や高齢の患者に無償で食料を供給したり、診察をしていた。貧しい人の住宅は電気、水道、ガスがなく、屋根も壊れている状態であった。食べ物もなく、これが貧困というものかと知った。このような人々を見捨てず、できる限り救おうという中国人の暖かみを感じることができた。

7日目、午前はお土産を買いにいった。この街では、カードを使うことが出来ず、両替所も遠いため不自由であった。午後は産婦人科を見学した。外来のドアが常に開いており、診察中であっても違う患者が医師に話すなど日本では考えられない光景であった。先生の話を聞くと、1週間ずっと働いており、医師の職場環境はあまり良くない印象を受けた。夜は餃子パーティーを開いてもらい、餃子の作り方を教えていただき、会話を楽しんだ。

320.jpg今回の研修では、多くのことを学ぶことが出来た。中国の医療現場を自分の目で見ることができ、感心したこともあれば考えさせられることもあった。学生と交流した際は、自分の勉強不足を痛感させられ、これからもっと勉強に励まなくてはならないと感じた。

最後になるが、1週間我々の面倒をみてくださった先生方に心から感謝したい。忙しい中おいしい食事や観光に連れていただいたり、中国の医療について説明していただいたりなど貴重な体験をすることができました。本当にありがとうございました。

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