広報
兵庫医科大学医学会
海外研修報告

ワシントン大学での研修に参加して

● 山本 久留実さん(第6学年次)

01.jpg私は、2015年5月4日から5月29日まで、ワシントン州のシアトルにあるUniversity of Washington Medical Centerで臨床実習をさせていただきました。私が参加した’Program for International Visiting Students’ というプログラムは、アメリカ合衆国外からの留学生のためのプログラムで、放射線科で1週間、内科で3週間臨床実習をするというプログラムでした。私がこのプログラムを志望した理由は、日本で医師として働く前に、アメリカ合衆国での臨床現場の実際を知りたい、見てみたいという思いはもちろん、視野を広げることでこの実習で得たものを将来の自分の仕事で活かしたいという思いがあったからです。また、様々な疾患を幅広く扱う内科での実習に魅力を感じ、ワシントン大学のプログラムを第一に志望しました。私は、父の仕事の関係で幼少期アメリカのボストンで過ごした経験もあり、幼い頃から英語力の向上に努めてきました。また、学校生活では常日頃からなるべく多くの知識と経験を得ることを意識してきた私にとって、このプログラムに参加することは今まで自分が努力してきたことを新しい世界で挑戦するチャンスであると感じ、これまで以上に積極的かつ献身的な姿勢で参加しようと決心しました。

1週目には放射線科で実習をさせていただきました。放射線科での実習は一人の先生について、画像の読影をします。読影方法のポイントや鑑別疾患、所見の書き方などについて指導してくださいました。すべて英語なので最初はすごく圧倒されていましたが、基本的な質問でも丁寧に答えて下さり、とても勉強になりました。日本の放射線科と基本的に同じですが、日本よりも細分化されている点が違うところでした。また、他の科の先生が読影室に直接来られて一緒に画像を読影するなど、コンサルトをしに来られる場面が多く、これもまた日本とは違う点だと思いました。

2週目からは内科で3週間実習させていただきました。内科は7つのチームに分かれており、私はそのうちの一つに配属されました。各チーム、 Attending Physician(チームリーダー)が1人、レジデントが2人、医学生が1人、薬学部学生が1人の5人で構成されていて、そこに私がVisiting Medical Studentとしてチームの一員として参加させていただきました。日本の医療チームと決定的に違うのは、チームのメンバーが固定でないということです。つまり、どのチームメンバーも他科や他病院を数ヶ月毎でローテートしているので、週が変わればチームリーダーが変わり、医学生が他の病院で実習するために抜けるということが日常的に起こっています。その時その時でメンバーの構成が変わるため、その場で偶然同じチームに配属されたメンバーが協力し合って患者のケアにあたるという印象でした。去年、兵庫医大病院で一年間臨床実習させていただいた感想としては、チームメンバーが固定で、正直なところチーム内でヒエラルキーのようなものを感じましたが、アメリカの病院では専門や役職、立場が違ってもお互いのスペシャルティーや意見を尊重しあっているのがよくわかりました。

実習内容はワシントン大学の医学部生と同じカリキュラムになっていて、担当患者の主治医を担当し、診察や問診、カルテ記載、治療に関する他科へのコンサルトなども行います。その他、回診、Morning Report、講義に参加するなど、日本の臨床実習と比べて、かなり実践的かつ参加型でとても驚きました。実習というよりもチームメンバーのサポートのもと仕事をするという印象でした。初めの週は、医学生について問診や診察方法を学びました。2週目からはもっと実践的なことをやってみたいと思い、チームリーダー許可を頂き、担当患者さんを二人もたせていただきました。最後の2週間は担当患者さんの診察や問診、カルテ記載、治療に関する他科へのコンサルトなどをさせていただきました。一日の流れとしては、毎日6時半に病院に行き、担当患者さんのカルテを読み、昨晩あった出来事について当直医に伺い、実際に患者さんの部屋を訪れで問診や診察をします。そこで得た情報をまとめ、朝8時の回診でのオーラルプレゼンテーションに備えます。毎朝のオーラルプレゼンテーションは、最初はとても緊張しましたが、毎回レジデントの先生方からfeedbackが頂けるので、自分でも少しずつ改善することができ、最後は自信を持ってプレゼンテーションできるようになりました。

もう一つ、日本と根本的に違うのは、立場や役職に関わらず自分の意見を求められることが非常に多いということでした。患者さんの治療方針を決める際には、ただレジデントの指示に従うだけでなく、先生方は必ず「あなたはどうすべきだと思う?」と医学生である私の意見を求めるのです。これには、とても驚きました。しかし、これは臨床現場に限った事ではなく、Morning Reportやレクチャーでも医学部生や薬学部生、レジデントなど役職は問わず、誰もが積極的に意見を述べることが求められるのです。

02.jpgワシントン大学での貴重な4週間の実習を通して、実習生として大切なことはとにかく積極的に、失敗を恐れずになんでも挑戦してみることだと感じました。「担当患者さんをもたせてほしい。」「オーラルプレゼンテーションができるようになりたい。」など具体的な目標があることを伝えれば、もちろん先生方が把握できる範囲内であれば、何でも挑戦することができました。今まで実習と言うと手技や外来の見学などとても受動的な内容しか行ったことがない私にとって、ここまで実践的でかつ臨床医の仕事に限りなく近い内容までやらせて頂けた事は、非常にありがたかったですし、何より初めて臨床実習を「楽しい」と感じた瞬間でした。先生方のご指導のもと、段々仕事をこなせるようになってくると自信も付いてきて、チームメンバーのサポートのお陰でとても充実した4週間を送ることができました。この様々な機会と幸運に恵まれた留学の経験とともに、私は自分自身で感じ、考えたことを将来医師として働く上で活かしたいと思います。最後になりましたが、このような貴重な機会を与えてくださいましたVice Directorの古瀬先生を初め、国際交流センターの鳥井さん、実習中サポートしてくださったワシントン大学の先生方、ホストファミリー、すべての方々に深く感謝を致しております。本当にありがとうございました。

兵庫医科大学 〒663-8501 兵庫県西宮市武庫川町1番1号 TEL:0798-45-6111 (代)

Copyright(c) Hyogo College Of Medicine.All Rights Reserved.