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兵庫医科大学医学会
海外研修報告

アメリカ留学を終えて

● 藤田理奈さん (第6学年次)

saita01.jpg ずっと国際医療活動に興味のあった私は、今回のアメリカ留学は、日本とは違う先進国の医療現場を知るのにとても良い機会だと考えていました。正直、自分の拙い英語力で飛び込んでいくのは勇気がいりましたが、他では得られない経験が出来ると思い、応募を決意しました。University of California San Diego(UCSD)の教育水準が高いこと、また、両親が昔San Diegoの近くに住んでいたということもあり、西海岸の南に位置するこのSan Diegoの地を実習先として選びました。

いざ、UCSDでの実習に向けての準備を始めると、出発前に相手国とのやり取りに多くの問題があり、日本での勉強・実習との並行が大変でした。しかし、今にして思えば、このような前準備の大変さ・大切さを知ることができたのも良かったと思います。そうこうしている間に、出発日となりました。

kanemoto02.jpg 私は、兵庫医科大学のhematologyでしっかりと実習し、論文も読んでいたので、今回の留学では、hematologyで学ぶことを決めていました。実習先であるThornton hospitalでは、私は留学生としてではなく、同じ科に実習に来ていた他のアメリカの医学生と同じく、一人の医学生としての扱いを受けました。初めは、どのように動いたら良いか分からないだけでなく、attending・fellow・studentの把握さえ出来ていなかったので、私は日本から持っていったお菓子を周りにいる人々に配り、コミュニケーションをとることにしました。思いのほか、抹茶キットカットが人気で、そこから話が弾み、少しずつ先生方と打ち解けられる様になりました。実習内容は、日によって様々でしたが、午前中は必ずラウンドを行っていました。

朝7:30位に病棟に行き、受け持ち患者の状態や検査データをチェックし、その後に患者の部屋を訪れて、問診と身体診察を行いました。その後、attending・fellow・physician assistant(日本にはない職種で、doctorではないが、医学校で2年間医学について学び、doctorのお手伝いをする仕事)・pharmacistなどと一緒にラウンドに参加し、受け持ち患者についてプレゼンを行いました。ラウンドは、各々の患者の部屋で、患者・患者家族含め全員で、患者の状態や治療・不安に思っていることなどじっくりと話していました。そして、時には冗談や世間話なども交えて、一人の患者にしっかりと時間を割いていました。患者・患者家族と医者との距離、そして、コメディカルと医者との距離が本当に近く、とても素敵だと感じました。午後は、カンファレンスがあったり、レクチャーをしてもらったり、病理のスライドを観察したり、外来見学などを行っていました。レクチャーでは、日本で学んだhematologyの知識を総動員させて、出来るだけ理解できるように勤め、必ず毎回一回は質問をするようにしていました。アメリカでは、mixedの人がたくさんいるため、日本では難治例の白血病に用いるhaploidentical transplantが盛んに行われているのに興味を持ちました。

saita01.jpg外来では、話では聞いていましたが、doctorが患者の待つ診療室に出迎えにいくスタイルをとっており、日本のスタイルに慣れている私には、違和感がありました。ですが、診察後にカルテを記載するためにdoctorが集まるカルテ室に戻った際に、新患について気兼ねなく他のdoctorと議論できるのは良いなと思いました。また、外来見学時には、residentがとても丁寧に疾患の説明をしてくれました。たまに質問も飛んできて、答えられる範囲で対応しましたが、医学知識があっても、言語の壁で理解できなかったり答えられなかったりしたことに、悔しい思いをしました。

今回の実習では、医学知識に関しては、「アメリカでも大丈夫」と感じましたが、一にも二にも、英語力が足りていないと痛感させられました。なによりも、語彙力の不足を痛感しました。しかし、空き時間に全ての入院患者の電子カルテなどを読み、患者の把握だけでなく、医学英単語や言い回しなどを吸収しようと努力しました。そうすることで、だんだんとdoctorたちの話している内容なども理解できることが多くなってきました。また、ご縁があり、UCSDの病院とは全く関係のないclinic(私が患者として受診した)で、一日primary careの実習を行うことが出来ました。やはり、ここでも、患者との会話を大切にしている印象を受けました。

saita01.jpgアメリカの医学生に関して述べると、彼女たちは本当に堂々と患者を受け持っていて、まるでdoctorであるかのようでした。日本と違い、成績や評価を気にするのではなく、自分が学びたいから実習をしている、という風に受けとれました。そして、自分たちの仕事が残っているのにも関わらず、あたふたしている私を本当によくサポートをしてくれました。アメリカの医学生からそんな良い刺激を受けての帰国後、翌日からの日本での外病院実習では、受け持ち患者を持った際に、アメリカ留学でとても成長した自分を感じ取ることが出来ました。今までは、患者さんにお話を伺いに行くときに、緊張したり、身体診察も手間取ったりしていましたが、今回は、患者の病気に関する大切な話を上手く聞き出せるようになっていたり、身体診察も臆することなく出来るようになっていました。このアメリカで学んだ医師と患者・患者家族・コメディカルとの近さを、良い意味で、医師になった際に発揮できたら良いと思います。

saita01.jpg毎日とてもハードな実習で、また、住んでいたhotelが病院から遠く、往復が大変だったことから、平日はへとへとでしたが、週末は色々なところを訪れ、羽を広げることが出来ました。メキシコに足をのばしたり、世界最大の水族館であるsea worldに行ったり、down townやold townという地域に遊びに行ったり、UCSDでずっと研究をしている兵庫医科大学出身の林先生家族や石先生家族とディナーをしたり、とても美しい海岸沿い・ビーチに連れて行ってもらったりしました。

アメリカで過したこの一か月は、本当にかけがえのない時間で、大変だったことも楽しかったことも、全てが私のこれからの人生の糧になると思うと、貴重な経験が出来たことを心から嬉しく感じます。このような留学の機会に背中を押してくれた先生方・国際センターの方々・友達・家族には感謝の念でいっぱいです。アメリカで、私と関わってくれた全ての人々にもこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。

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