広報
兵庫医科大学医学会
海外研修報告

汕頭大学訪問

● 清水 美沙さん (第2学年次)

saita01.jpg 初日、私たちは関空に集合し、上海で乗り継いで汕頭まで行きました。到着してからは先生方と夕食を食べましたが、そこへ行くまでの道中ですでに日本との違いに驚きました。それは、交通ルールが守られておらずバイクは三人乗りだったり、逆走や信号無視が当たり前で、狭い道では我先にと車がぎりぎりのところを通っていくということです。歩くときは信号が青であっても周りを確認しながら素早く歩かないと危険であると感じました。到着してからはバスに乗っていても怖いと感じることが多かったですが、帰る頃には中国の交通状況には慣れてしまいました。

2日目、私たちはclinical skills training center に行きました。そこでは臨床の技術を練習できるようにたくさんの人形や、病院で使っているものと同じ機械、手術室の再現された部屋などがあり、練習が本物と同じような環境でできることがとても良いと思いました。また、見学中に聞いた話では汕頭大学の医学部の教育方法が日本とは異なっていて、科目ごとに勉強するというよりはひとつひとつの臓器別に基礎から臨床まで勉強するそうです。その方が覚えやすそうだという感想を私は持ちました。そして、午後からは汕頭大学の見学に行きました。敷地が私たちの大学より大きく、芝生もあってとても自然の中でのびのびした印象がありました。その中でとても羨ましく思ったのは図書館です。大きくきれいでいたるところに机と椅子があって、どこでも勉強するスペースがあり、日曜日なのにみんな意欲的に勉強していました。あれだけ勉強するところが設けられていたら勉強スペースを確保するために学校に朝から並ばなくていいと思いました。そして、現地の大学生に中国の茶道を教わりました。お茶はとても美味しく、現地の大学生とも交流して良い機会を頂けたと思っています。

3日目はホスピスケアを見学しました。3つのグループに分かれて現地のスタッフさんについていき、家庭訪問を体験しました。中国ではホスピスは家庭訪問で行われるとのことでした。ここでは、貧しい方々のところに訪問し無償で薬をあげたりしていました。基金からお金は出ているそうなのですが、私が思っていたよりも貧しいようには見えなかったです。午後からは現地の学生のボランティア活動等についてお話を聞き、質問したり、ディスカッションをしました。普段は聞けないようなことや細かい疑問まで答えていただき、日本のことについても話すことができました。中国では学生の時点でも患者さんと直接接する機会がたくさんあることに驚きました。

4日目、私たちは潮州で観光しましたが、あいにく雨が降っていて寒く、大きな橋も渡ることはできませんでした。しかし、お寺をいくつか見たり、中国の歴史を感じさせる部分を肌で感じ取ることができてよかったです。お土産屋さんではとても不思議な食べ物が並んでいるところでいくつか試食させてもらえましたが、美味しく感じるものから口には合わないもの、色が独特なものまで、全て日本では食べられないようなもので面白かったです。他にも、中国独特の置物や、見たことないようなお茶の葉などがずらりと並んでおり、見ているだけでも興味深かったです。午後はSanrao Township Hospitalに行きました。田舎の方にあり、ここで見学したのは主に眼科です。基金により支援されているそうです。私は、部屋の外に視力検査の機会があることや患者さんの診察中にもいきなり入っていって見学できることに驚きました。このあたりではメガネをかける習慣がなく、眼科に来る患者さんは白内障がとても多いようでした。ここでの見学を終えると、Round Houseの見学に行きました。家が横並びに建っているのですが円になっていて不思議に思いました。日本では土地が広くないことから、あのような形に家を設計してしまったらとても場所を取ってしまうのではないかと思いました。本当にそこに人が住んでいるようには感じないような何とも言えない雰囲気はありました。

saita01.jpg5日目は、口唇裂・口蓋裂についてのお話を聞いて、実際に病院の中を見学しました。口唇裂、口蓋裂は遺伝性の病気でありますが、子供の時の適切な手術により治る病気です。しかし、基金により手術費用は少し負担が減りますが、やはりお金や親の精神的負担などの面から生まれる前に口唇裂や口蓋裂だとわかると中絶してしまうことが多いという事実を知りました。お話を聞いている途中で日本についてはどうなのか、いくらくらい手術に費用がかかるのかなどを質問されましたが、正確に答えることができず、もう少し日本の現状についても勉強しなければならないと感じました。そして、見学の中では初めて間近で口唇裂の赤ちゃんを見ることができました。次に、汕頭大学第二附属病院を見学しましたが、やはり驚いたのは部屋の外に測定器があったり、受付で採血をし終えることや、カードひとつでスムーズに受付や診察が受けられることでした。その後、眼科センターや精神科センターで見学することができました。

6日目は貧困地域での医療ボランティアを見学しました。バスに乗ってボランティアの先生方がやってくるとたくさん人が集まってきて診察を受けていました。これは、毎回貧しい地域を選んで行くそうです。その中でも特に貧しい家庭に家庭訪問して診察するところを見学することができ、1人の先生のお話も聞くことができました。その先生は長くいろいろなところでボランティアを行っているようで、人のためになにかする人が増えてほしいとおっしゃっていました。私はそれを聞いて、本当にその通りだなと感じたので、いつか思っていることが実行でき、人のために見返りを求めずに何かできるようになりたいと思いました。

7日目、私たちは汕頭大学第一附属病院の見学に行きました。習いたての知識にあるようなことを教えてもらえたり、産婦人科を主に見学しました。ここでは患者さんが多く、予約は成り立たないのでないということや診察室では順番を抜かしたり、何人もの人が前の人の診断を聞いていたりすることが衝撃的でした。カーテン1枚で区切っただけのベットの上で検査をしていたり、プライバシーに関してはとてもオープンで驚きました。また、診察の見学中に中絶をしたいと申し出る人もいて何とも言えない気持ちになりました。午後からは次の夏に兵庫医科大学にくる2人の医学部4年生の人と先生に大きなスーパーに連れて行ってもらったり、刺繍の店に行ったりと、買い物を楽しむことができました。夜はみんなで餃子を作り、一人の誕生日を祝ったりと賑やかに過ごすことができてとても楽しかったです。

そして8日目、名残惜しくも9人とも無事に日本に帰国しました。この1週間は日本との違いにとても驚くことや学ぶことが多く、本当に行ってよかったと思いました。毎日の中華料理も日本とは全く違う、見たことないものもあり、一番衝撃的だったのは鶏の頭がお皿の上に乗っていることでした。カエルにも挑戦したり、デザートかおかずかわからないようなものもありましたがとても美味しくいただきました。飲み物も、甘いお茶が出てきたときにはびっくりしました。また、夕食後に宿舎に戻ってからは周りを散策したり、卓球したりと、毎日一日中楽しく充実した日々となりました。

この研修を通して、最初から最後まで毎日たくさんの先生方が協力してくださっていることを痛感し、感謝の気持ちでいっぱいです。先生方は日本語がペラペラで毎日誰かが通訳として付いてきて下さり、言葉にも困ることはありませんでした。少しだけ中国語を学び、発音の難しさに悩まされ、みんなで何回も単語を繰り返したのも思い出です。帰国した今、1週間を通して学んだことを忘れず、今後の生活に活かしていくことができればと思います。この汕頭留学を実現するにあたって関わってくださった全ての人に感謝の意を伝えたいです。このような素敵な経験をさせていただき、ありがとうございました。

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