広報
兵庫医科大学医学会
海外研修報告

RWJMSでの実習を終えて

● 門澤 啓太さん (第6学年次)

saita01.jpg 今回、私は4月7日~5月2日の1ヶ月間、アメリカのニュージャージー州にあるRobert Wood Johnson Medical School(RWJMS)にて臨床体験実習を経験させていただきました。英語があまり得意ではなく、今まで旅行や通訳付きの研修でしか海外に行ったことのない自分にとって、今回の留学にはとても大きな不安がありました。またRWJMSへの留学プログラムは兵庫医科大学にとって初めての試みということで、自分たちの実習態度が来年以降の繋がりに関わってくるのでそのプレッシャーもありました。しかし、Dr. Linを始めとするたくさんの先生方のサポートのおかげで、とても充実した1か月を送ることが出来ました。すべてがかけがえのない貴重な体験であり、一生の思い出となりました。

今回はNew Jersey州のEast Brunswickというところでホームステイをさせていただきました。日によって気温の差が激しい季節でしたが、ほぼ毎日快晴で、自然も多くとても住みやすい街でした。ホストファミリーもみなさんとても親切にしてくださり、不自由ない生活を送らせていただきました。

kanemoto02.jpg1週目は、CROHN’S AND COLITIS CENTERという消化器内科の研究室で実習をさせて頂きました。ここでは、Barrett’s Cellについての研究をしており、それについていろいろ講義していただいたり、実験の見学をしたりしました。また、1日だけDr.Dasの外来を見学する機会がありました。CROHN’S AND COLITIS CENTERという名の通り、すべての患者がクローン病か潰瘍性大腸炎でした。研究内容や治療方針などは日本とさほど大きな違いがあるようには感じませんでしたが、1人1人患者にかける時間と労力は日本の倍ぐらいあると思われました。日本の医療もこの点は見習うべきだとは感じましたが、日本の患者の数、医師の数を考慮するとなかなか厳しいのが現状であろうと思いました。また、「医師が1つの部屋で患者が来るのを待つ」という日本の外来のシステムとは違い、「いくつかの部屋に患者が1人ずつ待機しており、そこへ順番に医師が伺う」というような違いもあり、興味深かったです。

saita01.jpg 2週目はFamily Medicine で実習させていただきました。1日の予定は、午前7時からのカンファレンスに参加することから始まり、そこから入院患者のラウンド、その後はその患者の疾患や薬について勉強する、という流れでした。1週目の外来同様、1人1人に充分な時間をかけていました。ラウンドでは自分たち学生も積極的に参加し、聴診器で呼吸音や心音を聴いたり、触診したりすることが出来ました。最初、Family Medicineという言葉を聞いた時に、common diseaseばかりを診ているのだと思っていましたが、サルコイドーシスや多発性硬化症、常染色体優性多発性嚢胞腎など5年生でのポリクリでも見たことない疾患や日本ではまず見ることのできない鎌状赤血球症など、様々な疾患をこの目で見ることができ、またそれを英語で勉強するというのはとても新鮮でした。

saita01.jpg3週目はFamily MedicineのOfficeへ行き、主に外来患者に対する問診や治療を見学しました。ここでの一番の思い出は、外来患者に対し英語で問診したことです。5年生でのポリクリでやったのと同じような簡単な質問でしたが、それを英語で行うとなると少し難しく感じました。先生方のフォローもあり、患者さんも質問にとても快く答えてくださったのでスムーズに行うことが出来ました。また、そこで得た患者の情報をカルテに書くという機会も与えられ、とても充実していました。3週目の木曜日の1日だけ、Promise Clinicという医療保険に入っていない方々のための施設での見学をしました。そこでは1~4年生がチームを組み、上級生が下級生を指導しながら、ボランティアで患者を診るという事が行われており、そこで仕事をしていた学生はすでに医師のように見えました。このように、上級生が下級生を臨床の場で指導するというシステムはすごく良いものだと感じ、同時に日本との学生の質の違いを強く感じました。

saita01.jpg4週目はSurgical ICUやMedical ICU、循環器でのカテーテルの見学などFamily Medicine以外の科でも実習することが出来ました。また最後の週ということで、この1か月で体験したこと学んだことをDr. EscobarとDr. Linにプレゼンテーションをしました。

今回のプログラムを通して、本当にたくさんの貴重な体験をさせて頂きました。言葉の壁が高く、悔しい思いをしたことはたくさんありましたが、アメリカの医療をじかに触れることができ、とても充実した一ヶ月間でした。また、初めてのホームステイだったのですが、ホストファミリーはみんなとてもいい方々で、つくづく周りの人に恵まれた1か月だったなと思いました。将来自分が海外で働くかどうかは分かりませんが、これをきっかけに海外の医療によりいっそう興味を持つことができ、また、英語を学ぶことの重要性を再確認しました。今回得たものを医師になった後にどのように生かしていくかがこれからの課題です。

最後に、今回の留学にあたって、このような機会を与えてくださった小谷譲治先生、渡二郎先生、Dr. Escobar、Dr. Linに感謝いたします。今後、高い志を持った後輩たちがこのプログラムに参加し、RWJMSとのつながりがずっと続いていくことを願っています。

兵庫医科大学 〒663-8501 兵庫県西宮市武庫川町1番1号 TEL:0798-45-6111 (代)

Copyright(c) Hyogo College Of Medicine.All Rights Reserved.