広報
兵庫医科大学医学会
海外研修報告

クロアチア・リエカ大学での研修を終えて

● 岡田 薫佳さん (第5学年次)

okada01.jpg私は、2014年9月19日~10月19日まで、クロアチアのリエカ大学で消化器内科と呼吸器内科の実習にそれぞれ2週間ずつ行かせていただきました。リエカ大学に行かせていただくことは、大学2年生のころからの私の夢であり、少しでも多くのことをこの留学から学び、感じ取りたいという気持ちで応募させていただき、留学させていただけることとなりました。旅立つ前は不安でいっぱいでしたが、クロアチアでは、各科の先生方をはじめ、現地で知り合った多くの方々に助けていただき、様々な経験をさせていただけました。医学についてはもちろんですが、クロアチアの経済や文化など、いろいろな角度からクロアチアを見ることができ、クロアチアの良いところを発見すると共に、日本との違いを知ることで、改めて、日本の良さを実感することができました。

前半の2週間は消化器内科に実習に行かせていただきました。消化器内科のある病院は、私たちの寮から歩いて15分ほどの場所にあります。実習が始まって、私がまず驚いたことは、白衣に着替えるための更衣室が男女兼用であったことです。これは、病院が変わったあとの、呼吸器内科でも同じでした。上部内視鏡、下部内視鏡、ERCP(内視鏡的逆行性胆道膵管造影)、腹部超音波などの検査を主に見学させていただきました。先生方は患者さんと話すときはクロアチア語ですが、私には英語で説明してくだいました。初めは、先生方が話してくださる医学英語がわからないものばかりで、実習が終わってから、寮で調べて後から理解することが多かったのですが、日にちが経つにつれ少しずつではありますが、先生方が教えてくださることを、その場で理解することができるようになっていきました。先生方は、私が見たいと言ったものは何でも見せてくださり、クロアチアでの疾患の疫学から、女性医師の活躍、文化についてまで、本当に様々なことを教えていただきました。クロアチアでは、肝癌がとても多く、また、肝癌の原因となる肝硬変はアルコールによるものが最も多いということでした。実際、街中にはいたるところに、バーがあり、平日の夕方から、多くの人がお酒を飲み始めていました。クロアチアでは女性医師の数がとても多く、その理由として、医師の収入が十分ではないことが挙げられるそうですが、近年は、EUに加盟したことにより、ドイツなど、医師としての収入が十分に得られる国へと出稼ぎに行く医師が多く、問題となっているとお話しされていらっしゃいました。実習では、下部内視鏡を実際の患者さんで行わせていただき、とても難しく、全く上手くできませんでしたが、貴重な体験をさせていただきました。検査室の休憩室はとても小さなスペースなのですが、そこに、先生方や看護師の方達だけでなく、事務の方や検査室を清掃される方までも、一緒に談笑しながら昼食などの休憩をされており、とても明るい雰囲気でお仕事をされていました。

kanemoto02.jpg 後半の2週間は、呼吸器内科で実習させていただきました。呼吸器内科のある病院は、寮からバスで20分くらいのところにあります。呼吸器内科は、いくつかのチームに分かれており、朝8時からの合同カンファレンスのあと、日ごとにそれぞれのチームの先生方と一緒に回らせていただきました。病室を見せていただいたのですが、日本の病室にあるような、ベッドとベッドの間のカーテンはなく、また、日本のような個室というものは、この病院には無いということでした。部屋の広さは、日本と比べてとても広く、病院食も日本のものとはやはり違っていて、興味深かったです。医療費は日本と違い、基本的に無料とのことでしたが、クロアチアの病院のほとんどが国営だそうで、CTなどを撮るには半年待たなければならない状況であり、政府は首都の病院ひとつにお金をかけて、リエカなどにあるその他の病院には、十分にお金をかけられていない状況であるということでした。検査を待っている間に病気が進んでしまうというジレンマがあると、先生はおっしゃっておられました。気管支鏡検査では、リエカ大学の学生たちと一緒に見学させていただきました。先生だけでなく、看護師の方も、とても熱心に学生に説明しておられ、日本では見られない光景に驚きました。気管支鏡検査では、OlympusやPENTAXなど、日本の企業の医療機器が多く使われており、日本との共通点を見つけられたようでうれしく感じました。私が聴診をしてみたいと言うと、快く承諾してくださり、リエカ大学の学生たちと合同で、患者さんの呼吸音を聴診させていただきました。数人で同時に一人の患者さんの呼吸音を聴くことには驚きましたが、とても合理的な考え方だと思いました。クロアチアでは、ほとんどの人がキリスト教であり、病院にはいたるところに十字架が置かれていました。また、シスターも病院で働いており、病院のなかで、信仰が大きな役割をもっていることにも驚きました。

okada01.jpg クロアチアでの実習は毎日がとても充実しており、日本では経験できない体験を多くすることができました。クロアチアの歴史や文化を知ることができたことにより、それらが医療に与える影響についても考えることができ、日本の医療についても、改めて考え直す機会を得ることができました。これらの経験を、今後の学生生活や、医師となってからの生活に活かし、患者さん一人ひとりを幅広い知識で診ることのできる医師となることができるよう、勉学に励みたいと思います。

最後となりましたが、このような貴重な機会を与えてくださった、先生方、国際交流センターの鳥井さん、クロアチアでお会いした方々、本当にありがとうございました。

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