広報
兵庫医科大学医学会
海外研修報告

汕頭大学医学院留学

● 佐浦 龍太郎さん (第4学年次)

2014年3月20日から27日の8日間、中国の汕頭にある汕頭大学医学院へ短期研修に行かせていただきました。5学年次での病院実習が始まる前に海外での医療の現状、日本との違いを感じ、実習に生かしたいと思い参加いたしました。

1日目:汕頭大学医学院の先生方との夕食
2日目:李嘉誠基金会の紹介、臨床技能センター+汕頭大学訪問
3日目:潮州観光、Sanran Township Hospital見学
4日目:Medical Aid for the poor
5日目:口唇・口蓋裂センター(汕頭医学院第1病院)、感染症科、眼科、精神科見学
6日目:Home visit with Hospice nurses、大学院生とのDiscussion
7日目:産婦人科の外来見学
8日目;帰国

毎日たくさんの発見や驚きがあり、様々な体験をさせていただきました。
初日は、中国の空港に着いた時間が遅かったこともあり、汕頭大学医学院の先生方と夕食を一緒にいただき、その後寮に連れていっていただき、一日を終えました。

2日目は、午前中、李嘉誠基金の設立の経緯や、李嘉誠先生とはどんな人物なのかについて詳しく説明して頂きました。また、中国の医学部の仕組みや、いま汕頭大学が取り組んでいるカリキュラムを学びました。中国の医学部では、5年コースと7年コースに分かれており、また一部では英語で授業を受け、アメリカの医師国家試験を受験し、海外へ研修しに行く学生もいるとのことでした。また、中国の医学生が第3学年次に必ず何かしらのボランティアを行うということなど、医学教育に日本との違いを感じました。

そして、そのボランティア、医学生の研修などすべてが李嘉誠基金によって援助されており、改めて李嘉誠基金の意義や規模の大きさを感じました。

説明を聞かせて頂いたあと、クリニカルスキルトレーニングセンターを見学しました。
自分は大学で様々な実習を行ってきましたが、ここの大学には私自身見たことが無いような様々な実習器具がたくさんありました。偶然、学生が実習している教室があったので見学させて頂いたのですが、そこでは、上半身だけのマネキンの胸部に聴診器をあてると、肺の聴診ができるというものでした。もちろん、様々な音を聞く事が出来るようになっており、教室の横には診察室があり、そこで実際に模擬患者との実習が出来るとの事でした。
かなり高度な実習をやっていると驚いたのですが、また、その実習をやっていたのが2年生であったことにも大変驚きました。そして施設見学終了後、私達は汕頭大学に行き、中国の学生の方と交流しました。そして施設見学終了後、私達は汕頭大学に行き中国の学生の方と交流しました。

3日目は、午前中、郊外の眼科専門の病院へ行きました。眼科病院では、診察から手術、手術後のケアまでをすべて無料でしています。私達が行くと、実際にその村の住人が診察を受けに来ていました。病院内を見渡すと支払窓口がないことにも驚きました。そこでの、診療のシステムや眼科医師の育成方法について教えて頂きました。また、同行したカナダからの留学生とも、日本、中国、カナダの授業スタイルについて様々な意見交換をしました。本当に貴重な経験になりました。その後、潮州観光し、中国の歴史についてたくさん教えていただきました。そして、夜はたくさんの先生方と、カナダの留学生と一緒に餃子パーティーをしました。

4日目は、大学から遠く離れた村への健康診断に同行しました。その地域では、病院などはないので、小学校を利用して健康診断などを行っていました。行う内容としては、内科医、外科医に分かれているので、それぞれの医師に診察してもらい、薬をもらうというものでした。また、病気(今回は婦人科の病気)の予防についてのパンフレットを配り、健康診断への参加をうながしたりもしました。汕頭大学医学院の学生は3年生で、パンフレット配りや、血圧測定、体重測定、視力検査などを行っていました。ボランティアの学生が各々高い意識をもって医療ボランティアを行っていました。

5日目は、口唇裂、口蓋裂センターを案内して頂きました。実際に、口唇裂の患者、口唇裂、口蓋裂の患者を見学し、その後、形成外科の病棟も回らせて頂き、火傷の患者や手指切断の患者、植皮などの患者も見学しました。治療法、中国の医療の現状を、スライドを用いてわかりやすく説明して頂きました。これらの治療もすべて無料であるにも関わらず、市民が李嘉誠基金での様々な政策を知らない、田舎の医師すらもこの制度知らないという、情報がいきわたっていない現実問題があると先生はおっしゃっていました。 その後、フォローアップ、発声訓練をしている施設を見させていただきました。実際に、口唇裂、口蓋裂の患者さんの診察を見させていただき、口の中を内視鏡で見て診察していました。その患者さんは、欠損部位がしっかりと結合していないので、空気が漏れ、上手く話せていないので、再手術をすると教えていただきました。 その後、感染病棟に行き、結核・B型肝炎などの患者を先生と一緒に周り、いまの中国の感染症(鳥インフルエンザ)についても教えて頂きました。自分の考えとしては、感染病棟は厳重に管理され、外出などできず、一般病棟と離れた場所にあると思っていたのですが、病院の中にあり、皆が自由に入ることができる中庭の近くにあり、窓も開けてかなり解放的でした。イメージとかなり違っていました。 その後、研修生の人に病院内を案内して頂きました。眼科のみが入った、大きな病棟に行きました。そこでは、疾患別に診察室が異なり、また検査室もすごく細かく分類されて、日本とは全く異なる事に驚きました。そこでは、研究生の学生3人に案内して頂きました。検査室、病室、中庭、手術室、研究施設、会議場、外来を見ました。実際に、眼圧の測定、視力検査、細隙鏡を使わせて頂きました。手術室では、白内障の手術をしていたのですが、3Dカメラで撮った映像を別室で、3Dメガネをかけて見ることができました。 さらに精神病院にも見学に行きました。自分が予想していた病棟は、全く外出できず、患者さんがかなり制限されていると思っていましたが、ここはかなり解放的な空間でした。男女一緒で部屋から自由に出られる環境で、私達が自由に入っても問題ありませんでした。

6日目
ホスピス医療の見学をするために、2軒の家を回らせていただきました。1軒目は肺癌の末期の患者であり、疼痛緩和を目的に治療を行っていました。その患者は、著明な執筆家の人であり、医師の方に自分の望みを伝え、その希望にできる限りそって治療をされていました。2軒目は、子宮癌の末期の患者であり、体力も落ち、水を飲むことさえできなくなっていました。そこでは、医師が患者の家族に丁寧に状況を説明し、患者の家族が納得されるまで話をされていました。その後、ホスピスを行う医師の不足や多くの人がホスピスの制度を知らないなど、中国のホスピスの現状を説明していただきました。そして、医学院の7年生の方と、医療制度についてディスカッションしました。

7日目
婦人科の外来を見学させていただきました。実際に、手技なども見せていただいたりしました。私が最も驚いたことは、外来で患者を診る先生のスピードでした。一人当たり長くて2分でした。なぜそのようなことが可能なのかというと、診察室の部屋には扉がなく、患者が絶え間なく部屋に入り先生の診察を受けているからです。やはり、ここでも中国と日本の医療の差を感じました。

私は、この研修を通して様々なことを学びました。日々勉強することの大切さや、医療に対する学生の考え方などです。正直、中国の医療レベルは日本のレベルとなんら変わりはなく、むしろ学生の勉強などに対する姿勢においては負けている気がしました。今回この研修に参加して、改めて自分の医学に対する姿勢、そして自分がどのような医師になるかを考えさせられるものでした。本当に有意義なものになりました。

最後になりましたが、引率してくださった程先生、研修先で様々なお世話をしてくださった汕頭大学医学院の先生方本当にありがとうございました。様々なことをサポートしてくださった国際交流センターの大辻さん、本当にありがとうございました。この研修でお世話になった方々全員に、本当に感謝しています。ありがとうございました。

 

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