広報
兵庫医科大学医学会
海外研修報告

汕頭大学に行って

● 奥川 頌梨さん (第1学年次)

1日目
広州空港では、飛行機の乗り換えまで時間があったのでお茶をしました。私は、フレッシュジュースというものを飲んだのですが、日本のミックスジュースとは異なり、青臭く、そのときは何が入っているのか全然わかりませんでした。17:30には汕頭の空港に到着し、程先生が迎えにきてくださっていて安心しました。空港から程先生と車で移動し、18:30にWelcome Dinnerに参加させていただきました。そこには、これからお世話になる先生方とカナダからの留学生、アメリカからの留学生も参加していました。私のテーブルには先生方が座られており、中国語が飛び交っていて、全く意味がわかりませんでしたが、優しく接していただきました。

2日目
朝は程先生に買っていただいたパンを食べました。9:30からは李嘉誠基金の説明を受けました。李嘉誠さんのおかげで汕頭大学付属病院ができたことなどを聞いて感動しました。お昼は食堂でアワビのスープなどをいただき、11:00からは臨床技能センターの見学をしました。センターには、学生がさまざまな心音を聴診器で聴くことのできる人形や、瞳孔の様子を観察できる人形や本物の手術室の手洗い場など、日本にはないようなものがありました。私たちがセンターを見学したときには、聴診器で心音を聴く実習を行っている学生たちがおり、その学生たちが2年だということを聞いて驚いたことを覚えています。また、中国のカリキュラムでは、目のことを勉強する場合、目の構造を学び、目の病気を学び、目の実習を行うという風に、目のことなら目のことを一連として勉強するということを知りました。14:40からは汕頭大学へ行き、中国の学生とカナダの学生と共に汕頭大学を見学しました。汕頭大学はとてもきれいで広かったです。図書館も兵庫医科大学とは比べものにならないくらい大きく、学生が自習しやすい環境が整っていました。中国の学生から、中国の学生は皆、学生寮に住むのだということを教えてもらいました。また、中国の学生のひとりの女の子に中国の伝統的な楽器の演奏をしてもらいました。その楽器の見た目は日本でいう三味線に似ていましたが、弦は2本しかなく、弓は2本の弦の間に挟まっていました。演奏はとてもきれいな音色で素晴らしく、体験もさせてもらえましたが、とても難しかったです。夕食は中国の学生たちと食べたのですが、お互い、中国語でもなく、日本語でもなく、英語を使って会話をしていておかしいねということになりました。

3日目
8:00からは潮州観光に出掛けました。お昼は中国の地元感のあるレストランで食事をいただきました。そこで、先生のこどもであるカイちゃんという5歳の女の子と仲良くなり、じゃんけんをしたり、中国語での数の数え方や手での数の表し方など教えてもらいました。13:30からはSanrao Township Hospitalという眼科病院に行き、カナダの学生と一緒に中国の病院の現状や中国とカナダと日本の医学部の違いについて語りました。そして、16:00からはRound Houseに行きました。そこは、上空から見てみると八角形になっており、また、建物はまっすぐではなく、少しずつゆがめられて建てられていました。なぜ、ゆがんでいるのか尋ねてみると、この角度が一番安定する角度なのだと教えていただきました。そのあとは、周辺の観光をさせていただき、商店街や神社などへ行きました。商店街では、いろいろな漢方が売られており、そのうちのひとつを味見させてもらいました。

4日目
7:30から貧困地域へ向かい、ボランティアに参加させてもらいました。まず初めに小学校へ行き、そこの地域の人々の視力や血圧を中国の医学生が測定しているのを見学し、少しだけ実際に測らせてもらいました。また、地域の人々の家を訪問し、中国の医学生と共にパンフレットを配ったり、日本から持ってきたペンやマーカーを配ったりしました。そのときに気付いたことは、中国の貧富の格差の大きさとこの地域では一人っ子政策が行われていないということでした。私がペンを配った兄弟は五人兄弟だと言っていました。また、トイレは一本の長い溝にそれぞれ低い囲いがしてあるだけだったので、驚きと戸惑いを感じました。しかし、こどもたちは無邪気なかわいい子たちばかりでした。午後からはボランティアの医学生によるステージが行われ、歌やマジック、劇などを楽しみました。そのステージを見て、中国の医学生は勉強も大変なのに、このようなボランティアを行なったり、多くの活動を行っていてすごいと感心し、私も日本に帰ったら、できるだけ多くのこのような活動に積極的に参加していきたいと思いました。夜は、汕頭大学に戻り、カナダの学生と一緒に餃子パーティーをしました。餃子の作り方を教えてもらったのですが、中国では皮から手作りで、皮の伸ばし方も木の棒を使って中心よりも端の方を薄く伸ばすというやり方で、なかなか難しかったです。しかし、餃子はセロリが入ったものとニラが入ったものと二種類あり、どちらも美味しかったです。日本では見かけたことのないキノコのスープもいただきました。

5日目
9:00からは汕頭大学の第二病院の口唇口蓋裂治療センターを見学しました。口唇口蓋裂についての話を聞いたり、手術の仕方を聞いたり、実際に口唇口蓋裂の患者さんに会わせていただいたりしました。10:20からは感染科を見学しました。感染科は他の病棟から隔離された場所にありました。また、特別にCCUの見学もさせていただきました。15:00からは眼科を見学しました。眼科の診察室は、日本のように診察室1、診察室2、ではなく、白内障治療室、緑内障治療室などのように、それぞれの扉にこの部屋ではどのような症状の患者さんを治療しているのかが表されていました。また、壁には、かかる治療費などが細かく記されたプレートが貼られており、患者さんが自身はいくらかかっているのか把握できるようになっていました。診察室からほんの少し離れた部屋では鍼灸治療も行っていました。次に、眼科の手術室に案内してもらい、モニターで眼科の手術を見学させてもらいました。モニターは3Dメガネをかけて見ると立体的に見えました。その日は、白内障の手術を二件見学させてもらいましたが、目の手術は大変だと思っていたので、こんなにもスムーズにできるものかと感心させられました。それから少し移動して、精神科センターへ行きました。そこはとても広く、兵庫医科大学全体と比べても精神科センターの方が広いほどでした。症状の軽い入院患者さんは手前の病棟に家族と共に入院し、外出も自由にできるとのことでした。また、患者さん三人に対して主治医が一人いるとのことでした。そこから少し進むと鍵付きの大きな門があり、門の奥には鍵付きの門のついた病棟が三棟と大きな庭がありました。私は早期体験実習で兵庫医科大学の精神科病棟を回ったことがあるのですが、そのときは、窓には鉄格子が付き、照明なども暗く、中庭も小さく出られる時間に限りがあり、男女も隔離され、少し暗い印象を持っていました。しかし、こちらの精神科センターでは、男女は隔離されず、中庭は自由に行き来でき、開けた空間でした。医療者も皆、私服で、患者さんに圧力をかけないよう心掛けておられました。そして、夜は、火鍋をいただきました。中国の火鍋はひとりひとりに小さなお鍋が配られていました。そのあとは、少し海沿いを歩き、先生の家にお邪魔させてもらいました。そこでは、中国独特の淹れ方でのお茶をいただいたり、中国伝統のお茶菓子をいただいたりしました。

6日目
8:30から産科の見学をしました。ここでは、診察室に患者さんが次々にやってきて、一列に並ばずに、我先にと診察券を投げていました。ある患者さんの診察を他の患者さんが聞いているということは日本では見られない光景だと思いました。また、膣の検査もその診察室に一枚のカーテンで仕切っただけのところで行われていました。検査の結果となる試験管は、患者さんが自身で検査室へ運んでいました。また、子宮と卵巣がきちんと繋がっているかの検査も見学させていただきました。中国では、日本とちがって、注射器に入った造影剤を患者さん自身が、医師の合図に合わせて入れていました。このようにすると、医師は検査のたびに被爆しなくて済むし、患者さんが痛がっているかどうかもわかりやすいとのことでした。14:40からは自由活動で、中国の学生と一緒に買い物へ出かけました。まず初めに、汕頭で有名な汕頭刺繍のハンカチを買いました。夜は、お世話になった先生方と最後の夕食を食べました。

7日目
7:00に寮を離れ、香港空港を経由して関西国際空港に19:45に着きました。
最後になりましたが、程先生をはじめ汕頭大学で私たち留学生を指導してくださった先生方、兵庫医科大学の先生方、国際交流センターの大辻さん、この留学期間を共に過ごしてくださった三人の兵庫医科大学のメンバーのみなさんに本当に感謝しています。海外なんてほとんど行ったことがないに等しく、行く前は不安でいっぱいでしたが、今回、この留学に参加することができて本当に良かったと思います。まだ一年生で、臨床のことはほとんどわからない私でしたが、今回、中国の医療の現状などを実際に見ることができたことは素晴らしい経験となりました。中国やカナダの学生のモチベーションの高さに刺激されるだけでなく、私も見習い、もっと多くの活動に積極的に参加していきたいです。

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